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カモミールは多年草または一年草に属するキク科のハーブで、ローマカミツレ属とシカキク属の植物が主にカモミールと称されます。その2属の中ではローマンカモミールとジャーマンカモミールが代表的です。強い生命力を持ち、爽快感のある香りを放つことで知られるカモミールの育て方を中心に、収穫方法や効能、使い方までご紹介します。
ローマンカモミールは日当たりのよい場所を好みますが、真夏には蒸れと暑さによって枯れてしまう場合があるので、鉢植えにしたり、半日陰になる場所に植えるのが良いです。
ジャーマンカモミールの場合も日当たりを良い場所を好みますが、真夏が来る前に花期を終えて枯れます。そのため、あまり気にせずに日に当たる場所に置いておくのが良いでしょう。
ローマンカモミールは暑さと蒸れを嫌うので、花の移動が容易な鉢植えに植えると良いでしょう。半日陰となる場所を用意できるならば地植えでも構いません。
ジャーマンカモミールは夏季の蒸れと暑さを経験する前に花期を終えて枯れるので、乾燥しない程度に日の当たる暖かい場所に植える、あるいは鉢植えにして置くのが良いです。
ジャーマンカモミールは湿気のある環境を好むので、乾燥させないように注意してください。
ただし、過湿も花の生育に悪く、根腐れを起こす場合があるので、適度な湿気を保って下さい。ローマンカモミールは極度な乾燥と過湿を嫌います。水は土が乾いたときにやる程度で良いでしょう。
ローマンカモミールは寒さに強いですが、冬は霜ができると枯れる恐れがあります。
ジャーマンカモミール、ローマンカモミール後もに土が乾燥しないように、適度に水やりを行うようにしましょう。
ジャーマンカモミールの場合は、種まきや植え付けのときに緩効性の肥料を土に少量与えて下さい。それ以上与えると花の香りが鈍くなる可能性があるので、やめておいた方が良いでしょう。
ローマンカモミールの場合は生育期、開花期に与えて下さい。なお、ジャーマンカモミール、ローマンカモミールともに、追肥は必要ありません。
カモミールの栽培には保水性があり、水はけのよい用土が必要となります。カモミールを鉢植えで育てる場合は、赤玉土が7、腐葉土が3の割合の土を用いて下さい。
カモミールは酸性の土を嫌うので、地植えを行いたい方はあらかじめ土に腐葉土と苦土石灰を混ぜ込んで置いてください。土壌の改良は、種まきや地植えを行う1週間前には行っておくのが良いです。
ジャーマンカモミールの場合は、春か秋に種まきを行うのが一般的です。一方、ローマンカモミールの場合は、種まきで育てるのはあまり一般的ではなく、普通は苗の植え付けから育てます。
また、ローマンカモミールは数年経過すると生育や花つきが悪くなるので、春に株分けをして植え替えをしましょう。ジャーマンカモミールの場合は一度植え付けたらもう植え替える必要はありません。
ジャーマンカモミールは、秋に「種まき」で増やすことができます。ジャーマンカモミールの種は小さくて細かい点に注意が必要ですが、平皿などを使って水を吸わせて植え付ければ増やせます。
ローマンカモミールを増やしたい場合は、春に「株分け」を行うことで増やすことができます。
カモミール栽培時に注意すべきはアブラムシです。チッソ分の多い肥料を使った場合や、風通しが悪いと花にアブラムシがつく可能性が高いです。アブラムシが付着していたときは、速やかに駆除してください。
アブラムシへの対策としては、多湿となる環境を避けることや、風通しを良くするために枝葉を適度に間引くのが効果的です。
カモミールは、暑さには弱く、寒さには強いという特性があります。そのため、15〜20度くらいの環境に置いておくのが良いでしょう。
室内で育てるのも構いませんが、風通しが良く、直射日光が当たらないようにするといった配慮をする必要があります。
カモミールの収穫時期は品種によって異なります。
ジャーマンカモミールは3〜5月頃が収穫時期で、ローマンカモミールは6〜7月頃、ダイヤーズカモミールは5〜10月頃が収穫時期となっています。
カモミールは花びらが反った頃や、花の真ん中の花芯と呼ばれる部分が盛り上がってきたときが収穫に適した頃合いです。ダイヤーズカモミールは花が十分に開いた頃に収穫してください。
ジャーマンカモミールは6〜9月頃の開花の際、ほかのカモミールと異なり、花の中央の部分が大きく膨らんでいるのが特徴です。
ローマンカモミールは花びらが上へと反っているのが特徴です。ダイヤーズカモミールは同じカモミールとは思えない位鮮やかな黄色の花を咲かせます。
カモミールには平滑筋と呼ばれる筋肉を落ち着かせる効果があり、腹痛や女性の生理痛を和らげてくれます。また、カモミールにはアズレン誘導体という物質が含まれており、胃の粘膜を強化、修復し、胃の機能を改善してくれるとされています。
また、カモミールの効能としては抗痙攣、抗炎症、鎮静効果などがあるといわれています。カモミールの香りや薬効は入浴剤や薬、化粧品など、さまざまな用途に使われています。
カモミールには花のみに香りがあるジャーマンカモミールと、花だけでなく茎や葉にも香りがあるローマンカモミール、そして香りはありませんが鮮やかな色が特徴のダイヤーズカモミールがあります。
ジャーマンカモミールはハーブティーにしても苦味がなく、飲みやすいのでよくハーブティーの材料に使われます。
ローマンカモミールはほかのカモミールと比べて薬効が高く、ジャーマンカモミールと同様にハーブティーに使われますが、こちらにはジャーマンカモミールと違い苦味があります。また、持ち前の香りの強さで入浴剤やオイルの材料としても使われます。
ダイヤーズカモミールはカモミールならではの香りがありませんが、花の色がとても鮮やかであるので、もっぱら染色材料として利用されます。
また、ダイヤーズカモミールはほかのカモミールと比べて薬効成分にも注目されないので、ダイヤーズカモミールは薬効やカモミール特有の芳香を活かしたハーブティーや入浴剤としてではなく、むしろその見た目を活かしてドライフラワーや切り花として利用されます。
カモミール全般の花言葉には「清楚」、「あなたを癒やす」、「逆境に耐える」といった意味があります。
「カモミール」という花の名前は、カモミールがリンゴに似た香りを放つことからギリシア語で「大地の林檎」を意味する「カマイメーロン」から来ています。また、カモミールの和名である「カミツレ」はカモミールのオランダ語名である「カーミレ」が変化したものであるとされています。
今回はカモミールについてご紹介させて頂きました。
カモミールには香りが華やかなもの、効能に優れたもの、色が鮮やかなものなどがあり、カモミールを育てたいと考えている方は用途に応じてお好きなカモミールを選ばれたら良いでしょう。
また、カモミールは踏まれても育ち、寒さにも強いので、植物をあまり育てたことがないから不安に思っている方でも栽培し易い花です。
これを機会に、カモミールをご自宅で育ててみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部