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公園やテーマパークなどの大きな花壇で、敷きつめられ、絨毯ように咲いているスイートアリッサムが多く見られます。比較的多く出回っており、価格もリーズナブルですので初心者にも人気の植物です。スイートアリッサムの育て方は、それほど難しくありませんのでぜひ挑戦してみましょう。
日照不足に弱いスイートアリッサムは、年間を通して日当たりのよい場所を好みます。真夏の直射日光を浴びても、葉焼けすることはありません。
むしろ日照不足になると、株全体が弱くなり、結果的に抵抗力が下がり、病害虫に弱くなってしまうので注意しましょう。
夏の気候でほとんどが枯れてしまうため、一年草として流通していますが、本来は多年草です。半日陰で乾燥気味に育てることができれば、夏を越せることもあります。
その場合は梅雨から夏にかけて全体を短く刈り込み、風通しをよくする必要があります。多湿や高温をうまく避けることができれば、涼しくなりだした秋頃に、再び花を咲かせてくれるでしょう。
スイートアリッサムは、戸外のできるだけ日当たりのよい場所を選んで管理しましょう。木の根元や軒下などの半日陰になりやすい場所で育てると夏越ししやすいです。
ただ一日中日陰になるような環境は適していません。冬はあまり寒いと株が傷んでしまいます。枯れることはなくても花が咲かなくなってしまうので、霜が当たるような場所でしたらワラなどを敷いて防寒対策をした方がよいでしょう。
スイートアリッサムの開花時期は年に2回、2〜4月に咲く春咲きと、9〜11月に咲く秋咲きがあります。
春咲きにするのなら10〜11月、秋咲きにするなら3〜4月に種まきをしましょう。
スイートアリッサムを種まきから育てるときは、種まき用の土と育苗トレーなどの容器を用意しましょう。容器に土をいれたら水でよく湿らせてから種まきをしてください。
葉っぱが1〜2枚になったところで3号ポットに移します。葉っぱの10枚前後になったら庭、もしくは鉢に植え付けしてください。ポットの数が多い場合は、20cmほど間隔をあけて植え付けます。また地面や鉢に直接種をまき、育ってきたら間引きをして管理する方法もあります。
花が咲き終わると種がつくので、それを収穫して毎年種まきから育ててみるのもいいでしょう。こぼれ種から咲くこともまれにあります。
スイートアリッサムは多湿に弱いので、水はけと通気性がよい土が適しています。小粒の赤玉土を6割と腐葉土4割を混ぜた土を使用するか、市販の草花用培養土を用いてもよいでしょう。
またスイートアリッサムには弱酸性から中性の土が適しています。
庭や花壇などに地植えにする場合は、植え付けの2週間ほど前から土壌に苦土石灰を混ぜておき、土が酸性に傾かないように気をつけましょう。
スイートアリッサムの苗を植える時期は2回あります。秋に植える場合と春に植える場合です。
秋に植え付けるのでしたら、霜が降りる1カ月程度前の10月中旬が目安です。冬になる前に根がしっかりと張ることで春からの生育がよくなります。
春に植える時は暖かくなってくる3月頃に行います。寒冷地は寒すぎるため、春に行った方がよいでしょう。
スイートアリッサムは、どちらかといえば乾燥を好みますので、常に土が湿っている必要はありません。
表面が乾いていればたっぷりと水をあげますが、地植えしている場合は数日乾いていても大丈夫です。
鉢植えの場合は土を少し掘ってみて、中も乾いているようでしたら水を与えます。
なお、土壌を湿りっぱなしにしておくと根が腐るので、梅雨時期や初夏は本当に注意して管理しましょう。
地植えの場合はほとんど水やりの必要がありません。ただ耐寒性はそれほどありませんので、霜の降りるような場所ですと冬越しできない場合もあります。
鉢植えであれば土が乾いて数日たってから水をあげましょう。あまり寒い地域でしたら室内に取り込んで管理します。
スイートアリッサムは夏越しのためにも、春に咲き終わった後の5〜6月に切り戻し剪定をしましょう。
脇芽の位置を確認しながら脇芽を残すように、だいたい株の3分の1の高さで、清潔なハサミなどで切り戻し剪定をしてください。
スイートアリッサムを植え付けるときには、緩効性化成肥料を施します。花が咲いたら追肥として液体肥料を薄めたものを10日に1回ほど与えます。花をたくさん咲かせる植物ですので、栄養不足になると花の数が減ってしまいます。
葉っぱが黄色くなったら肥料不足のサインです。黄色い葉っぱを見つけたら肥料を施しましょう。休眠中の夏と冬は肥料を与えません。
スイートアリッサムは「種まき」で増やすことができます。
花が終わったあとに種がついたら、それをまきます。寒冷地でなければ秋に行いましょう。庭や鉢に直接まき、覆土は種が隠れる程度の薄さにします。苗が育ってきたら間引きます。
また、「挿し木」での増やし方もありますが、発根率が低いのであまり一般的ではありません。
春にアブラムシが発生します。新芽や蕾などに寄生すると株が弱ってしまいますので、見つけたら薬剤を散布してください。また、ガムテープなどで株からはがす方法もあります。
ほかにアオムシやコナガなども発生します。見つけ次第捕殺しますが、環境がよければ発生することは少ないです。
また、多湿になると菌核病が発生します。これはカビが原因でひどくなると枯れてしまいます。切り戻しなどで風通しをよくしてあげましょう。
スイートアリッサムは高温多湿に弱いので、夏には枯れてしまうことが多いです。生育には10℃から20℃が適しており、発芽適温は20℃から25℃です。
スイートアリッサムの花言葉には、「優美」、「美しさに優る価値」、「飛躍」といった意味があります。
春になると、あちらこちらの花壇でスイートアリッサムの姿が見られます。ほかのどんな花とも相性がよいので、寄せ植えとしても人気の高い植物です。
本来は多年草にもかかわらず高温多湿に弱いため、日本では一年草として扱われてしまっていますが、切り戻して夏に遮光すれば夏越しも可能です。
ただ、タネから育て直したほうが、美しく仕上がります。こぼれダネでもふえてくれるので、タネまきや栽培は難しくはありません。
特別な施設がない家庭でも十分に育てられます。ベランダや庭でその姿を見ることができると、ちょっとした癒やしにもなるのではないでしょうか。
GreenSnap編集部