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花の色が豊富なため、寂しい花壇を一気に彩ってくれることから、寄せ植えなどにも人気の高いパンジー。蝶々のような人の顔のような模様が特徴的ですよね。今回はそんなパンジーについて、育て方を中心に簡単にご紹介します。
パンジーは寒さに強く、秋から冬、さらには春まで咲く、真夏以外の季節に咲く開花期間が長い一年草です。冬のガーデニングでは定番ではありますが、毎年新しい園芸品種が生み出されていて、花の中央のブロッチという黒い部分や花色・模様などがさまざまな園芸品種が楽しめるので、飽きのこない魅力があります。
育て方もとても簡単なので、ガーデニング初心者にもおすすめのお花です。苗を植える時期さえ守れば、あとは基本的な育て方でぐんぐん育つので、詳しくご紹介していきますね。
パンジーの苗を植える時期は10月中旬〜11月下旬が一般的です。
本格的に冬の寒さが来る前に植え付けることで、十分に根を張れ、春先でも生育がよくなるため長い期間花を楽しめます。関東などの一般地であれば、遅くとも12月中に植えておきましょう。
植え付けの目安は最低気温が10度以下ほどになったころです。
植える時期がわかったら、苗を入手して次に紹介する手順で育てていきましょう!
パンジーは日当たりのいい場所を好みます。日当たりの悪い日陰で育てると、茎だけが伸びた不格好な姿になり、花も咲かなくなってしまうので注意しましょう。
パンジーは寒さには強いですが、栽培適温は15〜20℃程度の環境を好む性質にあります。そのため、9月ごろのまだ残暑が厳しい時期に苗を育て始めてしまうと、高温多湿にやられてうまく育たないので、できれば苗の購入は涼しくなったあとの10月頃から育て始めるのがおすすめです。
パンジーをプランターや鉢植えで育てるときは、初心者なら市販の草花用培養土を用いましょう。最近ではパンジーとビオラ専用の培養土もあるので、そちらもおすすめです。
市販の培養土にはだいたい元肥として肥料が含まれていますが、もし未配合の場合は規定料の緩効性肥料を足しましょう。
もし自分で配合土をつくるなら、赤玉土小粒6:腐葉土3:バーミキュライト1の割合で混ぜたものに、規定量の緩効性肥料を元肥として足しておくといいです。
庭や花壇に地植えするときは、庭土を深さ30cmほど耕して、庭土に3〜4割ほど腐葉土か堆肥を混ぜておきましょう。さらに1㎡あたり緩効性肥料を200〜300gほど混ぜておくと元肥としてパンジーの生育を助けてくれます。詳しい肥料の量は製品表示を確認してください。
植え付けまでには1週間ほど時間を置いて土をなじませておきましょう。
ポットから苗をとりだしたときに、写真のように細かな白い根がぐるぐると土全体にまわっているようなら、根鉢(ポットに埋まっていた根と土のかたまり)部分を、清潔なハサミで十字に切るといいです。ハサミを切る深さは根鉢の1/3がベスト。
植えるときは十字部分をぱっくりと開いて置き、根鉢の内部と土が密着するように植えましょう。
もしここまで根が張っていなければ、根鉢は崩さずに植えても大丈夫です。切るのが不安なときは根鉢を1/3ほどほぐしてから植えてもいいですよ。
鉢植えやプランターでパンジーを育てている場合、水やりは土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えてください。とくに乾燥する冬の時期は乾きやすくなるので注意しましょう。
水やりのタイミングは、朝や日中の暖かい時間帯にやりましょう。冬の夜はかなり冷えて、与えた水が原因となって土が凍ってしまう可能性があるため、夕方以降に水やりするのは控えてください。
パンジーは土が凍っても枯れはしませんが、水が吸えなくなってしまい、しおれる原因になります。
パンジーを庭や花壇に地植えした場合は、苗を植えた後2週間ほどは3〜4日に1回を目安に、表面の土が乾いたら水やりするようにしてください。
しっかりと根付いて花が開いたり新芽がでてくるなど成長しだしたら、今後水やりをする必要はありません。雨の水分だけで育っていきます。
ただし2〜3週間雨が降らない場合や、極端に土が乾燥しきっているときは水やりをしてあげるといいですよ。
肥料にはいろいろな種類がありますが、ガーデニング初心者でも手軽に使えるのが化成肥料です。市販にはとくに草花用化成肥料や、パンジー・ビオラ用肥料などが売られているので、それを使うと失敗がないでしょう。
理想的な成分の配合はN-P-K=11-11-7の割合のもので、茎や葉を丈夫にする窒素(N)、花を咲かせるリン酸(P)が多めに配合されたものがおすすめです。
鉢植えやプランターでパンジーを育てているなら、冬ごろになって花がよく咲き始めるようになってから、液体肥料で肥料を与えましょう。
液体肥料は規定量の水で十分に希釈して、10日に1回、水やりの代わりに与えてください。開花中はこのペースで肥料を与えておくと、長く開花が楽しめます。
ただし、肥料の与え過ぎは厳禁です。株の調子や花数が少なくなってきた頃を目安に肥料を与えても遅くはありませんので、肥料の与え過ぎには注意してください。
とくに4月以降は暑さで株が弱り始め、肥料が多いと逆に弱ってくるので、量を減らすか、様子をみて問題なさそうなら与えなくてもきれいに咲いてくれます。
地植えでパンジーを育てているなら、肥料は基本的には春になったら1回与えれば問題ありません。元肥(植え付けの土づくりの段階で混ぜた肥料)として緩効性肥料を施しているので、3〜4ヶ月は追肥する必要がないのです。
もし元肥に1年間効果が持続するタイプのものを使っていたら、そもそも追肥する必要もありません。
春の3月ごろになったら、緩効性肥料を規定量まいて、土と混ぜてあげましょう。
パンジーは一年草なので、開花時期が長いのが魅力です。一度咲き終わったからといって放っておかず、しっかりとお手入れすると半年ほど咲いてくれますよ。
4月下旬〜6月の間に花の勢いが衰えたら寿命を迎えたということなので、これを目安に片付けましょう。5月のGWはちょうど夏の花の植えどき時期なので、この連休で片付けるのもおすすめです。
花がら摘みといっても、枯れた花のついた茎を根元のあたりから清潔なハサミでカットするだけです。枯れてしまう前に花を摘んで切り花としてお部屋に飾るのもおすすめですよ。
摘心とは植え付け後、たくさんの脇芽をつけさせるためにも苗が若いうちに頂芽を摘み取ることをいいます。切り戻しとは、花が咲き終わって株姿が乱れたときに、茎を途中で切り揃えることで再びこんもりと咲かせることをいいます。
詳しいやり方はこちらの記事で紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
おすすめの防寒対策は、腐葉土を土の植えに5〜7cmほど盛ってマルチングをする方法です。こうすることで地温が下がるのを防止でき、寒さが和らいだあとは土にすき込んでふかふかにすることもできます。
また雪が降りつもるような場合は、できれば花壇やプランターにドーム型の支柱をさして、寒冷沙などをかけておきましょう。直接雪が降り積もると、茎が折れる原因になるので注意してください。
なお、一般地や暖地であっても、ベランダの寒風が直撃するような場所で育てると葉が紫へと変色してしまう可能性もあるので避けてください。
難しくはないので挑戦してみるといいですが、日本には種苗法という法律があり、登録品種のパンジーを増やして譲渡したり販売することは禁止されているので気をつけましょう。とはいえ自宅で楽しむ程度なら問題ありませんよ。
詳しいやり方はこちらの記事を参考にしてみてください。
とはいえ、夏越しの成功率はかなり低いです。成功したらラッキーぐらいに捉えたほうがいいでしょう。もし夏越しできたとしても株自体に疲労が溜まっているので、もともと咲いていたような豪華な花付きは期待できません。
結果的に夏越しの労力に見合わないことになるので、鑑賞目的なのであれば、新しい苗を植えるか、挿し芽や種まきで増やした方が楽しめますよ。
パンジーがかかりうる病気は、うどんこ病とモザイク病、灰色カビ病の3つです。うどんこ病は温度が低くても発病するので、日当たりや風通しをよくすることで改善できます。また、お酢をかけておくことで予防にもなります。
モザイク病は、アブラムシを媒体として起こる病気なので、害虫対策が重要となります。灰色カビ病は、日当たりと風通しをよくすることで防げます。
全て発生後は、薬で対処するのが最適です。害虫としては、アブラムシやヨトウムシ、ナメクジが挙げられます。
アブラムシは酢、ナメクジは鉢底に薬剤を置くだけで未然に防げますが、ヨトウムシに関しては駆除するほかないので、見つけ次第潰してしまいましょう。
今回は愛の花・パンジーについて、育て方を中心に簡単にご紹介しました。
日本でも花言葉や伝承に違わず、子どもの頃から多くの人が、その鮮やかで美しい姿で楽しませてもらってきたことでしょう。
そんな花を自宅で育ててみれば、家族や恋人と一緒に、もしくは一人身でも、真の愛を見つけるチャンスが得られるかもしれません。
パンジーは比較的育てやすい花であり、ガーデニング初心者の方にもおすすめですので、ぜひ栽培に挑戦してみてください。
GreenSnap編集部