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ダリアは品種によって、花の大きさや花の咲き方が変わる多年草の花です。花色は赤やピンク、白、黄など色とりどりで、フラワーアレンジメントでも人気があります。そんなダリアの育て方は、実は花の性質を知っていれば初心者でも育てやすいです。ここでは、ダリアの球根の植え方や植え付け時期、球根の保存方法まで詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ダリアの原産地はメキシコをはじめとする熱帯地域の高地です。日当たりの良い場所を好むので基本的には外の日当たりの良い場所で育てましょう。
日照不足になると花の付き具合が悪くなります。ただし、ダリアは30℃を超える季節の直射日光や強い西日が苦手です。
ダリアを地植えする場合は、一度場所を決めると植え替えは基本的にできません。そのため、一度植えたら、遮光ネットやよしずを使ってしっかりと管理してあげましょう。コンクリートの照り返しにも弱いので、プランター植えでベランダなどに置いて育てる場合にも注意が必要です。
ダリアを鉢植えで育てるなら、季節によって日当たりの良い場所や半日陰に移動させて管理しましょう。
ダリアを育てるには、一年を通して日当たりが良いだけでなく、水はけの良い土の場所が適しています。地植えの場合は植えてしまうと移動できないので、遮光ネットなどが設置できる場所を選ぶようにしましょう。
また、もし過去に1年〜2年以上同じ場所でダリアを育てているなら、土を入れ替える土壌改良が必要になります。連作障害が起こり、その植物の天敵となる病原菌が増えたり、養分が不足した土のせいで生育不足に陥ることを防ぐためです。
ダリアの基本の水やりは地植えの場合は土が乾燥したら与える程度です。地域によっては日頃の水やりはほとんど必要なく、降雨のみでも大丈夫です。
ただ夏は乾燥しやすいのでもし土が乾いていたら水やりをして下さい。指を土に少し入れると湿っているかどうか判断しやすくなります。
鉢植えで育てる場合は表面の土が乾いてからしっかりと水を与えます。このときついでに葉水をしておくと害虫予防にもなります。ただし花やつぼみに直に水をかけないように注意して下さい。花の生育が悪くなってしまいます。
受け皿に溜まった水は毎回捨てて下さい。そして夏の水やりで注意したいのは、水やりの時間です。気温の上がる昼間に水やりをすると土の中が蒸して高温状態になってしまうので、水やりは夕方から夜にかけて行うのが良いでしょう。
冬は地面から上の茎が枯れて土の中の球根が残ります。球根は乾燥に強く多湿に弱い性質があるため、冬の水やりは必要ありません。
逆に水を与えてしまうと芽が出てしまったり、腐る原因になってしまいます。不安なら乾ききった土ではなく、少し湿った土で冬越しをさせましょう。
気温が0℃を下回る寒い地域で育てる場合は球根を掘り上げて、風通しの良い日陰で乾かし、春まで保管するのでやはり水やりは必要ありません。
地植えでダリアの花をきれいに咲かせたいのなら、植え付けのときと春と秋に肥料を与えましょう。
球根を植え付ける際に、土の中にゆっくりと効いてくれる緩効性化成肥料を混ぜておきます。そして植え付けから1ヶ月後くらいを目安に追肥を行います。ダリアが生長しやすい初夏(5月頃)、夏の暑さが収まってくる初秋(9月頃)が良いでしょう。
ダリアを鉢植えで育てる場合は、地植えよりも肥料を必要とします。
夏を除いた花を咲かせるまでの間、薄めた液体肥料を10日に1回ほどの頻度で与えると花を咲かせやすくなります。ダリアは花を咲かせるのに養分を必要とするので、肥料は適切に与えておきましょう。
ダリアを育てるのに使う土は、水はけの良いものを選びます。まだ植物を育てるのに慣れていないなら、市販の草花用培養土を使うと良いでしょう。
自分で配合するなら、赤玉土と腐葉土を7:3でブレンドしたものを使います。ダリアは酸性の土壌を嫌う性質があるため、特に地植えなら苦土石灰も混ぜて中和しておくと良いです。
もしダリアを同じ場所で2〜3年以上育てているなら、かならず土を新しいものに入れ替えて下さい。ダリアは連作障害を起こす可能性のある植物です。鉢植えで育てるときは、土は地植えと同じものを使います。
鉢底に大きな軽石や鹿沼土などを入れることで、更に水はけを良くすることもできますよ。
ダリアは種まきで発芽する品種もありますが、発芽率が高いわけではないので初心者は球根から育てた方が成功しやすいです。
ダリアのような球根性の植物は、基本的に植え付けで育てます。植え付けに最適な時期は3月下旬〜5月に行います。桜の花が咲いたらダリアの植え付けにちょうど良い季節のサインです。
ただし、関東から東の地域では4月でも霜が降りることがあるので早めに植えるときにはやや注意が必要です。また、ダリアの茎は折れやすく弱いので、育て方に関係なく、きちんと支柱を使って育てましょう。
地植えのダリアは、まず植える場所に腐葉土や堆肥を混ぜ、深めに耕して球根を植える準備をします。植えるときは芽がだいたい5〜10cmくらいの高さになるように、斜め横に寝かせて植えて下さい。芽が生える部分を必ず上向きにしましょう。
土を被せて支柱を立てたら、たっぷりと水を与えます。それ以降は発芽するまで水やりを控えて下さい。発芽したら土が乾燥してから水やりをします。
球根を複数植えるなら、品種によって植える間隔を変えて下さい。大型の品種なら80cmくらい、小型〜中型なら35〜40cm程度が目安です。
鉢植えの場合も植え付けの手順は地植えとだいたい同じです。こちらも品種によって鉢の適度なサイズが変わってきます。
ダリアは「分球」、「挿し木(挿し芽)」で増やすことができます。どちらも方法は比較的簡単です。
ダリアの分球に適切な時期は、植え替え直前の2〜3月頃になります。
掘り起こしたダリアの球根から新しい芽が出てきたら、清潔なカッターナイフで切り分けて、暖かくなるまで温度が一定の場所で保管しましょう。芽がついている首のような部分はとても折れやすいので、ていねいに取り扱います。
また、芽がついていないと育たないので1つの球根に1つ以上の芽が残るように切り分けましょう。あとは暖かくなったら植え替えと同じ要領で育てます。
挿し木なら、ダリアの球根から直接切り取った芽を使う方法と、茎に生えているわき芽を茎付きで切り取って使う方法があります。節の上の5〜7cmくらいを目安に切り取り、切り口を乾かすか発根促進剤を切り口に何秒かつけます。
切り口を新しい土に数センチ挿し込めば、ダリアの挿し木ができます。
茎の切り口はアルミホイルなどを被せて柔らかいヒモで縛っておくと、雨水の侵入を防ぐことができます。親株の方も切り口に同様のケアをしてあげてください。
挿し木後は、日陰で土が乾燥しないようにときに水やりをしながら管理し、発根してきたら徐々に半日陰や強い日差しの当たらない場所に移していくと成功しやすいです。
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Fonmoro
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挿し木でも増やせますが、分球よりも若干成功率は低いのかもしれませんね。初心者の方は、分球での増やし方に挑戦してみると良いかもしれません。
ダリアを育てるときに注意したい病気はウィルス病、灰色かび病などです。ウィルスに感染した部分は速やかに取り除いて下さい。灰色かび病は高温多湿で風通しの悪い環境でかかりやすい病気です。花がらや傷んだ葉を見つけたら、早めに取り除いておきましょう。
また、害虫は春から夏に発生しやすいアブラムシ、ハダニのほかに茎の中に入って中から食べてしまうメイガに注意です。アブラムシやハダニは日々の観察で発見しやすいのですが、メイガは定期的に市販の薬剤を使って予防した方が良いでしょう。
もしメイガが発生したら切り戻しをして新しい芽を育てた方が被害を抑えられます。茎の中に入ったメイガは箸やピンセットで取り除き、切り口はアルミホイルなどで保護します。
地植えなら場所を移動させて元の場所には浸透性の殺虫剤をまいておくと良いです。鉢植えなら土を新しいものに入れ替えましょう。
ダリアはメキシコの高地などが原産のため、15〜20℃の環境でよく育ちます。0℃を下回ったり、霜に当たらなければ、球根を植えっぱなしにして、屋外で冬越しさせることも可能です。
関東より西の地域では比較的管理しやすい植物だといえるでしょう。
逆に真夏の30℃を超える環境では花が咲きにくく弱りやすいので、真夏は遮光ネットやカーテンで直射日光を避けたり、半日陰で育てる必要があります。
冬になると地上に出ているダリアの茎の部分が枯れ、球根は土の中で越冬することになります。温暖な地域では、地植えで球根を植えっぱなしにしておくことも可能ですが、霜が降りたり、0℃を下回る環境ではダリアは冬を越せません。
よって0℃を下回る地域や多湿の環境で育てる場合、秋の内に球根を掘り起こして乾燥させて春まで木箱やダンボール箱の中に入れて、風通しが良く温度が5℃以上になる場所で保管して下さい。
湿らせたピートモスやもみがらを一緒に入れておくと保湿効果がありますよ。
ダリアの品種は3万を超えていて、花の形も大きさもじつに多彩。代表的な花の形だけでも10種類以上あります。
八重咲きのデコラティブ、一重咲きのシングル咲き、1〜3列に平たく花びらが並び一重〜三重咲きのタイプがあるアネモネ、縁が内側を巻いて細い一重咲きのオーキッド咲き、花びらが内側に巻いた短い八重咲きのショー咲き。
八重咲きの一種で細く管状に巻いた花が特徴のカクタス咲き、八重咲きでボールのような形になるボール咲き、ボール咲きの小型種のポンポン咲き。
外側の花びらの内側に短い副花びらを持つ一重咲きのコラレット咲き、二〜五重の花びらの中心に芯が通った半八重咲きのピオニー咲き、スイレンに似た花を咲かせる八重咲きのスイレン咲きなどがあります。
品種によって花の大きさも形も異なるダリアは地植えや鉢植えでも楽しめますが、大きさや形の豊富さから花束やブーケなどでもよく使われるほど利用しやすい花です。
ダリアの品種は世界で3万種以上あるといわれ、品種によって花の大きさも形も背の高さも異なります。
大きさはざっくりと分けて大輪、中輪、小輪があります。中でも代表的な品種は原種の1つでもある「皇帝ダリア」です。別名「木立ダリア」とも呼ばれ、最大4mを超える超大型種です。超大型種だけあって存在感があり、そしてピンク色の可憐な花はとても気品に満ちています。
ほかにはオレンジ色の花を咲かせるやや大型で初心者にもおすすめの品種「かがり火」、長野県生まれで切り花としての人気も高い「ポートライトペアビューティー」、アメリカ生まれで可愛い小〜中輪サイズの「サンタクロース」といった品種も人気です。
ダリアの花言葉は色や品種によって異なります。
ダリア全般では「移り気」「栄華」「気まぐれ」「裏切り」「不安定」といったプレゼントするには要注意の花言葉があります。
3万を超える品種があり、世界中で愛されているダリアをご紹介しました。ダリアは暑さや霜には弱いですが、球根という特徴を踏まえて育てれば、初心者でも育てられます。
特に花の形状や大きさが品種によって異なるので、色々な品種のダリアを育ててみるのも楽しいですよ。もし春の季節に園芸店でダリアを見かけたら、試しに育ててみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部