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丸いまりものようなシルエットの葉がかわいいコキアは、秋には真っ赤に紅葉する庭木としても親しまれています。
ここでは、そんなコキアの育て方を、種まきや苗植え、鉢植えや地植え別に解説していきます。植え替えの注意点や、花についても記載しているので、そちらにも注目してみてください。
コキアは一年草の草花です。ただし、草花といえども花がわかりずらいため、ほとんどはその草姿が好まれており、庭に地植えしたり鉢植えにして楽しまれています。
コキアは春〜夏の新緑、秋冬の紅葉を楽しめ、枯れた後はコキアでほうきを作ることもできる、観賞用にもハンドメイドにも魅力的な植物です。
コキアはよく紅葉する草花として知られており、見頃の時期を迎えるのは関東で10〜11月ごろです。紅葉する前も新緑がたのしめたり、紅葉後も黄金色に染まるので、見頃の時期が長いのも魅力です。茨城県のひたちなか海浜公園では、公園の丘中をコキアが埋めつくすため、コキアの名所としてもよく知られています。
コキアは日の当たる場所で育てるのが良いでしょう。夏場は直射日光に当たらない場所で管理してください。
鉢植えで育てている場合は、半日陰に移動するようにしてください。葉の出る冬のあいだは、たっぷりと日のあたるところで栽培しましょう。もし葉が変色したりしても、刈り取ったりせずに、そのままにして置いてください。
なお、コキアは冬の寒さにも弱いです。元々コキアは一年草の植物なので、冬には枯れてしまいます。
コキアの苗を植える時期は4月の半ば〜5月が適期です。種まきの項目でもご説明した通り、コキアの生育には20度以上の温度が必要なので、しっかりと暖かい時期になってから、苗を植えましょう。
コキアは園芸店などで苗も販売しているので、初心者の方は苗を購入して育てるのがおすすめです。
コキアの苗を購入するときは、葉が上向きにピンと張っていてハリがある苗を選びましょう。葉と葉の間の節間が空きすぎていたり、病斑があるものなどは避けましょう。
コキアの用土には「水はけ」と「水もち」の良い土を選びましょう。
庭に地植えして育てるのであれば、植える場所で掘り起こした庭土に、腐葉土または堆肥を3割混ぜて、緩効性化成肥料をまぜておきましょう。すぐに使うのではなく1週間程度は寝かせておいてください。
鉢植えにする場合は、小粒の赤玉土と腐葉土を7:3で割った配合土をつくりましょう。市販の草花用培養土や、観葉植物用培養土も手軽でおすすめです。
コキアは苗を購入したら、できるだけ早めに植え付けるようにしてください。ポットのまま長期間置いていると根詰まりを起こして苗自体に老化が始まってしまいます。
また、コキアは根がまっすぐ伸びる直根性の植物であり、一度根が切れると再生が難しいため、植え付けするとき、根鉢(根とその周りについた土)は崩さずにそのまま植えましょう。
苗1株に対して8号ほどの鉢を用意しましょう。できるだけ大きい鉢を用意すると大きく見栄え良く育ちます。
底穴ネットや鉢底石を5cmほど敷き詰めたら、鉢に用土を半分ほどいれ、苗をポットから取り出して植えてください。隙間に用土をいれていきながら、鉢9分目ほどまで土をいれて水やりをしてください。
庭に地植えするときは、庭土を掘り起こして用土の準備をしてから植えていきましょう。
植え付ける株同士の間隔は、40〜50cmほどあけておきます。コキアは地植えにするとすくすく育って思ったよりも大きく成長します。あらかじめ株間は離して植えましょう。
夏場は水切れに注意して育てていきましょう。水やりのタイミングは土が乾いてから。鉢底から水が漏れ出るまでしっかりと与えます。なお、鉢皿に水が溜まりっぱなしになると根腐れを起こしてしまうので、都度捨てていきましょう。
水不足になると生長不良になります。特に鉢植えは水切れを起こしやすいので毎日観察してください。
コキアは乾燥した土を好むため、庭に地植えの場合は水やりはさほど必要ありません。
とはいえ、夏に水やりをしっかり与えていないと元気がなくなってしまうので、朝と夕には水を与えるようにしましょう。
種まきを行うさいに、地植え、鉢植えのどちらの植え方であっても、緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおきましょう。
コキアの肥料を与える時期には、6月〜7月の間に与えるようになっていますが、生育に順応するように液体肥料を追肥します。チッ素分の多い肥料は草姿が乱れてしまいますので、よく確認してから施しましょう。
コキアが苗から育てるのが一般的ですが、種まきから育てることもできます。コキアを増やしたいときは、種を採取して種まきで育ててみましょう。種から育てるときは、庭に直まきをするのではなく、育苗用の容器に種まきをして、成長具合をみて植え付けして育ててください。
なお、コキアはこぼれ種でも増えていきやすい植物です。冬場に片付けずにそのままにしておくと種が落ちて、落ちたこぼれ種は春になれば発芽するので、むしろ増えすぎに注意しましょう。
コキアの種まき時期は、4月の半ば〜5月辺りに行います。コキアの種の発芽温度は15度以上で、生育には20度以上必要なので、十分に暖かくなった時期に種まきしましょう。
種を採取するときは、冬前ごろ、紅葉が終わり黄金色に姿をかえたら、株下から切り取って振り落とすと種が採取できますよ。
事前に3号ポットに種まき用の土を8分目ほどいれて、水でしっかり湿らせておきましょう。指で少しくぼみをつけたら、重ならないように5粒前後種をまきます。
コキアの種は非常に小粒ですので、直播きして蒔いた部分に、少量の土を被せましょう。土を被せる理由は、乾燥させないためでもあります。
種まき後、発芽するまでは土が乾燥しないように、水やりをよくします。種が動かないように霧吹きや底面給水でやさしく水やりをしましょう。
また、コキアは好光性種子といって、日光をよく浴びることで発芽する性質を持ちます。そのため、できるだけ日当たりと風通しのいい場所において管理しましょう。
発芽して何枚か葉っぱが生えてきたら、生きの良い株を残して1ポット2芽ほどになるように間引きします。なお、もし発芽率が悪い原因は、水不足が考えられます。
その後、苗がよく育ったら、次項を参考に鉢植えや庭に植えましょう。
低木の観葉植物のように見えるので勘違いされますが、コキアは多年草ではなく一年草です。春から秋まで鑑賞期間で、紅葉を終えると枯れ込んでいきます。
そのためコキアの剪定や植え替えは不要です。一度植えたら手入れは水やりを肥料くらいなので、手軽に育てられますよ。
コキアは基本的に病害虫の心配のない植物です。ただし、ジメジメした土で育てていると、うどんこ病になりやすいです。
また、種を蒔いたのちに、種子をダンゴムシに食べられてしまうことがあります。アリも巣に持ち帰るために運んでいってしまうので、守るようにしておきましょう。ただし、土を被せすぎると逆に発芽しなくなるので調節が必要です。
また、コキアの葉っぱが生えてきても、小さいうちはダンゴムシやナメクジに食い荒らされる危険があります。
さらにアブラムシやシロオビノメイガという害虫も発生します。アブラムシは春頃になると発生が多くなる害虫です。シロオビメイガは蛾の一種で、その幼虫が葉っぱについて食べられて被害を受けます。
アブラムシを発見したけど農薬で駆除はしたくないときに便利なグッズがあります。セロハンテープなど粘着力のあるテープです。または使って捨てるときが来た歯ブラシも有効に削ぎ落とすことができます。
コキアの寄せ植えをつくるときは、植え付け適期の4〜5月ごろにしましょう。晩秋までは新緑から紅葉を楽しめるカラーリーフとして使えるので、開花期間が初夏から晩秋まで続く植物を組み合わせるのがおすすめです。
また、晩秋には染まり上がるとピンク味の強い赤になるので、紅葉後の色の組み合わせも考えおくといいです。さらに、まるくこんもりと伸びるコキアには、草丈の低い草花を合わせましょう。
寄せ植えにおすすめの草花
紅葉の見頃を終えて、黄金色に枯れたコキアは、そのまま片付けるときに再利用してコキアのほうきをつくることができます。
コキアのほうきの作り方は簡単で、枯れたコキアを数束ずつ束ねてワイヤーで止めて、それをほうきの柄の部分に取り付けるだけです。
ワイヤーや麻紐、ハサミとほうきの柄となる棒があればつくれるので、ぜひ挑戦してみてください。
コキアの花の開花時期は、8〜9月頃です。ただし花の大きさがとても小さく、存在感がないため、ほとんど目立ちません。
中国から伝えられたホウキギこと、コキアの育て方についてご紹介しました。丸みのあるコキアは、どことなくまりものように見えて可愛いですよね。
草丈もさほど長く伸びないので、玄関先や庭などに植えておしゃれな空間を演出してみましょう。お庭でコキアの紅葉も楽しんでくださいね。
※トップ画像はminoさん@GreenSnap
GreenSnap編集部