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クンシランは一つの花茎から最大で20もの色鮮やかな花を咲かせるため、華やかで、贈り物としても人気があります。高貴な花として知られる一方で、比較的丈夫な性質を持つ多年草であるため、ポイントさえ抑えれば、毎年美しい花を咲かせることができます。今回は、そんなクンシランの育て方についてご紹介します。
クンシランは明るい日陰を好みます。強い日差しに当たると葉焼けを起こしてしまうので、寒冷紗を使って日差しを遮るか、日陰に置いて育てるのがよいでしょう。
一方、耐寒性は少しあるため、冬は日当たりの良い場所であれば外で育てることもできますが、基本的には室内での管理がおすすめです。
ただし、クンシランは翌年に花をたくさん咲かせるためにも、2ヶ月ほど5〜10℃程度の気温の中に置いておく必要があるため、あまり暖かすぎる室内に置くのは避けてください。
クンシランは水持ちと水はけが良い土を好みますが、そこまで土質にはこだわりません。
「川砂4:赤玉土3:腐葉土3」の比率で混ぜた土を使うのが一般的ですが、「赤玉土単体」でも育てることは可能です。
クンシランは生長期間が長いので、元肥として緩効性肥料をたっぷりと与えておきましょう。
クンシランの種まき時期は、3〜4月頃が適期です。
なお、種まきには11月下旬〜1月に採取した種子を使用します。それらは実がついた状態でビニール袋に入れ、5〜10度の冷暗環境で保存しておきましょう。もしくは種子を水苔と一緒にビニール袋に入れておくのでも問題ありません。
種まき方法は、以下の通りです。
種まきから1年ほど経ち、葉が3枚ほど生長してきたら、鉢に定植します。
クンシランは、強い日当たりや過湿、霜、強風などを嫌うなど、やや繊細な花であるため、基本的には鉢植えで管理するのが一般的です。
もし地植えにしたいという場合は、5月頃が苗木を植え付ける際の適期です。最低でも7度を維持できる環境であれば、地植えでも冬越しすることが可能です。
鉢植えクンシランは、2〜3年に一度植え替えが必要となります。植え替え時期は、5月上旬〜6月中旬あるいは10月初旬〜中旬頃が適期です。
植え替えを行う1週間前には水やりを控えましょう。そうすることで鉢内の土が乾き、根周りの土も柔らかくなり、植え替え作業がしやすくなります。
春〜秋の時期は、土の表面が乾いたときにたっぷりと水を与えてください。
夏は株元の葉が何枚も重なっている部分に水が溜まってしまうと、葉が腐ることがあります。そのため、水を与える際には株元から静かに与えるようにしてください。
クンシランは過湿に弱いので、水の与えすぎには十分に注意してください。
冬は春から秋にかけての時季と比べてあまり生長することもないので、水も頻繁に与える必要はなく、乾かし気味でも構いません。
ただし、花茎が伸びる頃には水を欲しがるようになるので、1〜2日のペースで与えるようにしてください。
春〜秋の間はクンシランの生長期間に当たります。この間には、1ヶ月に1度の頻度で、固形肥料を与えてあげましょう。
また、夏を除く春と秋の時期は、固形肥料のほかに液肥も与えてください。
クンシランの増やし方は、「株分け」が一般的です。
株分けを行う時期は、5月上旬〜6月中旬頃が適期で、植え替えと同時に行うとよいでしょう。また、子株の葉の数が8枚以上ついていると、株分けしやすいです。
株分け方法は、以下の通りです。
クンシランがかかりやすい病気には「白絹病」と「軟腐病」があります。これらは過湿が原因で発生します。
白絹病は主として6月から9月にかけて発生します。発生部位は、根または茎です。
これはカビが原因である伝染病で、罹患すると菌が糸を網状に張ります。罹患した花を、ほかの場所に置いたり、放置した場合でも病原菌は死滅するどころか土中で越冬します。
罹患した株を見つけた場合は他の株と分離させ、直ちに廃棄、焼却してください。軟腐病は細菌が原因の病気で、花の害虫に齧られた部分をそのまま放置しておいたりすると感染することがあります。
花の剪定や芽かきを行う際に天気が良く、乾燥している日に行うなどするのは予防につながります。
軟腐病を引き起こす細菌は土中にどこにでも無数に存在しますが、株が弱っている場合でも感染することもあります。
完治は困難であるので、抜き取って上で焼却処分してください。土中の窒素が多くなりすぎないようにするのも軟腐病対策として効果があります。
クンシランの害虫として知られているのがナメクジで、つぼみや葉、新芽や花びらなど、茎以外すべてを食べてしまいます。葉の一部だけが食べられている場合でも花の生長不良につながります。
ナメクジは土の中にいることが多く、クンシランの植え替え時に土中を点検したり、雨が降ったあとに点検するのが肝要です。
その姿から、気品があり、高貴な花と呼ばれるクンシラン。オレンジ色の花のものが主流ですが、近年では品種改良が進み、緑色の花を咲かせるものや、乳白色のものなどが開発されています。
今回はそんな美しいクンシランの育て方についてご紹介しました。これを機会にクンシランを育ててみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部