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ベゴニアはシュウカイドウ科に属する植物で、主に温かい地域に分布しています。
大きくて綺麗な花を咲かせることから園芸種として人気が高く、多くの種品種改良種が作られて広く販売されています。
今回は、そんな園芸の定番、ベゴニアの育て方を解説します。
ベゴニアはあまり強い光を必要としない植物です。半日陰などの少し薄暗い環境でも生育することができます。
逆に夏場の直射日光などの強い光が当たりすぎると、葉焼けを起こしてしまう場合があります。このため、半日陰やレースのカーテン越しに日光を当てるのがおすすめです。
ただし、日光が不足しすぎると葉が黄色く変色して枯れてしまうので、注意が必要です。特に温かい冬場などは、積極的に日光に当ててあげることによって、健康的に生育します。
ベゴニアは夏の暑さや直射日光などの強い光が苦手です。
このため、夏場は涼しい半日陰などに置き、温度が高くなりすぎないように気をつけて管理する必要があります。
また、ベゴニアは冬場の寒さにも弱いため、冬場は温かい室内に置く必要があります。
ホームセンターや園芸店などにあるビニールハウスを用いる方法もあります。ビニールハウスは温度管理が行いやすいため、管理の仕方次第では一年中花を楽しむことができるため、特にベテランの方にはおすすめです。
冬の時期に室内やビニールハウスで管理する場合は、日光が不足しやすいため、意図的に日光に当ててやったほうが、健康的に生育します。
ベゴニアは水分を好む植物です。特に成長期である夏場は、成長のためにたくさんの水分を必要とします。
夏場は特に水分不足に陥りやすいため、定期的に観察し、土が乾いていたらたっぷりと水をあげてください。乾いた状態が続くと、ベゴニアは弱って枯れてしまします。
ただし、湿度が高い状態や水浸しの状態で管理すると、根腐れを起こしてしまう危険もあります。
風通しの良い場所で管理し、鉢植えで育てている場合は、受け皿に水がたまった状態で放置しないようにしてください。
また、葉に水がかかると葉が傷んで弱ってしまうため、葉に直接水がかからないように注意し長ら水やりを行ってください。
冬場気温が下がるとベゴニアはあまり生育しません。そのため水分もさほど必要としなくなります。
水を吸わない分、根腐れ起こす危険性も高まるため、少し温かい室内で育てるような場合は、むしろ少し乾かし気味に管理するほうが元気に育ちます。
もちろん、温度調節が可能なビニールハウスなどを用いて、夏場と同じような温度で育てることが可能な場合は、夏場と同じようにたっぷりと水を与えます。
ベゴニアは熱帯性の植物であるため、温度が高いほうがよく育ち、年中をとおして水分をたっぷり与えたほうが、株に迫力がでます。
ベゴニアは栄養分が乏しい土でも育つことができます。
用土を準備するさいに、元肥として、腐葉土などの自然由来の肥料や、緩やかに作用するようなタイプの化学肥料を混ぜ込んでやれば、ほとんどそれだけで十分です。
逆に夏場の温度が高い時期に大量の即効性の高い肥料などを与えると、肥料障害を引き起こして反対に弱ってしまう原因になりかねません。また、用土自体を傷めてしまう原因にもなるため、夏場は肥料を控えましょう。
冬場に関しても同様で、追肥などは特に必要ありません。
追肥を与えるのであれば、春先や秋口がベストですこれらの時期に追肥を与えることにより、葉の色が良くなります。ただし、与え過ぎには注意する必要があります。
ベゴニアは水を好む植物ですが、あまり長時間水が用土中に留まると、根腐れを起こす原因となります。
このため、少々手間がかかりますが、水はけの良い用土をベースに使用して、こまめに水を与え続けるという方法で育てたほうが、根腐れのリスクを減らすことができて、健康的に生育させることができます。
具体的な用土の割合としては、バーミキュライトと腐葉土もしくはピートモス、小粒の赤玉土などの小粒の軽くて水はけの良い用土を、同じくらいの比率になるように混ぜ合わせた土を用いるのがベストです。
植え付けや植え替えの時期としては、鉢に対して植物が大きく成長しすぎて窮屈そうに見えるときや、鉢の下の部分から根がはみ出して成長しているときなどです。
また、水をやったときになかなか用土が水を吸収しない場合は土の中で根が張りすぎて、根が窮屈になっている場合が多いので、このような状態がみられる場合も植え替えを行った方が良いです。
植え替えの方法としては、特別な方法は必要なく、他の植物を植え替えるときに用いる方法で大丈夫です。
鉢から取り出して土を落とし、新しい根の成長を促すために古くなった根や弱った根を切り落とします。そして新しい土を用意して、元の鉢よりも一回り大きい鉢に植え替えを行います。
このような状態にならなくても、土を新しくするという意味合いで2年に1回は行ったほうが良いでしょう。植え替えを行う季節としては、春から初夏にかけてが最適です。
植え替えを行う際にあまり大きい鉢を使ってしまうと、水分が蒸発せずに残りやすくなるため、あまり大きすぎる鉢を使うことは植物にとってあまり良くありません。
ベゴニアの増やし方
ベゴニアには、挿し木や取り木での増やし方があります。特におすすめの増やし方は、挿し木です。
春ごろ、ベゴニアの節を葉2〜3枚分の場所を探して切り取ります。そして葉を半分程度残して切り落とし、清潔な新しいバーミキュライトなどに挿して、水分を多めに与えて管理します。
しばらくそのまま管理すると、1ヶ月ほどで新しい根が出始めるので、新しい鉢に植え替えます。
ただしベゴニアの挿し木は、とりわけ難しいわけではありませんが、根が出やすいわけでもなく、上手く根が出てこないことも多々あります。
そのため、あまり大事な株や、弱った株、葉の数が少ない株では挿し木を行わず、新しい株を園芸店などで購入してきたほうが無難です。
ベゴニアの病気としては、細菌斑点病、灰色カビ病、うどんこ病などがあります。
細菌斑点病や灰色カビ病の原因としては、水のやり過ぎによる蒸れによって菌やカビが繁殖してしまい、それが植物の傷などから植物の体内に入り込むことによっておこります。
このような病気が現れた場合は、病気になってしまった茎や葉を切り落とし、ほかの部分に病気が広がらないように対処する必要があります。
また、水はけを良くして通気性を保つことが菌やカビの増殖の防止につながるため、日頃から水はけを良くして管理することが重要です。
うどんこ病に関しては、土の中に存在しているカビが葉につくことによって起こります。土が乾燥すると、何かの拍子に土が巻き上げられ、土に含まれるカビが葉に付着してうどんこ病が発生します。
空気が乾燥しやすい冬場はうどんこ病に注意しましょう。うどんこ病の予防には、定期的に水やりを行い、土を乾燥させないようにして管理することが効果的です。
害虫に関しては、ホコリダニが発生しやすいです。
ホコリダニは柔らかい芽などから植物の栄養分を吸い尽くしてしまし、結果、植物が弱ってしまいます。
春から秋にかけてはよく観察を行い、もしホコリダニを発見した場合は、殺虫剤を用いて駆除を行いましょう。
ベゴニアは熱帯に分布する植物であるため、暑さには基本的に強いです。
日本の自然下において、高温で枯れてしまうということは考えられないので、夏場の高温に関してはあまり気にする必要がなく育てることができます。
このため、夏場の園芸種としてベゴニアは重宝されています。
一方でベゴニアは冬場の寒さにはあまり強くなく、温度管理をせずに室外に放置していると枯れてしまうことがあるので注意が必要です。
特に10度を下回ると危険なため、冬場は室内へ取り込むか、ビニールハウスなどを利用して、温度が低くなりすぎないように気をつける必要があります。
年間をとおして、ビニールハウスなどの暖かい環境で育てたほうが、元気に育ちます。
ベゴニアは自然界に存在している原種ベゴニアをもとに、多くの品種改良種がつくられています。
その中でもベゴニアは、大きく分けて3種類のグループに分けることができます。
根を地中に張らずに球根をつくり、大きくてダイナミックな花を咲かせる「球根性ベゴニア」、球根性ベゴニアをもとに、品種改良してつくられた「球根ベゴニア」、あまり大きくならず、花よりも葉を鑑賞の対象とする「葉茎性ベゴニア」です。
ベゴニアは品種改良によって、多くの形態の花を咲かせる品種がつくりだされています。
ベゴニアの花の色を分類すると、赤色系統、白色系統、黄色系統、ピンク系統の4種類に大分されます。
また、花の形としては、自然界でみられるような通常のタイプの花に加えて、八重咲タイプの花も存在しています。
ベゴニアの花言葉には、「親切」、「片思い」、「幸せな日々」、「愛の告白」といった意味があります。
これは、ベゴニアの花びらをよく観察すると、一枚一枚がハートの形に見えることから、ハートに由来した花言葉がつけられていると考えられています。
ベゴニアは歴史が古く、数多くの品種改良種が存在しています。
その中から自分のお気に入りを見つけることができることも、ベゴニアを育てる上での醍醐味です。
皆さんも是非自分のお気に入りのベゴニアを見つけて育ててみてください。
※トップ画像はPhoto by emptyさん@GreenSnap
GreenSnap編集部