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イングリッシュガーデンなどでよく見かけるつるバラは、数多くの品種があります。木立ちのバラも綺麗ですが、アーチやフェンスなどに誘引して観賞するつるバラは、お庭などでもひと際存在感を放ちます。つるバラの育て方は木立ちのバラと共通する部分もあり、ポイントを押さえれば決して難しくはありません。
今回は、つるバラの育て方を地植えや鉢植えに分けてについて、初心者にもわかるようにご紹介していきます。
つるバラはラージ・フラワード・クライマーという系統に分類され、つる性のバラです。一般的なつる性植物のように自然につるが伸びるわけではなく、枝を長く伸ばすのが特徴です。そのため、アーチやオベリスクなどに人工的に誘引して観賞することができます。
つるバラの咲き方は、一季咲き、繰り返し裂きそして四季咲きがあり、花の大きさは小輪から大輪までさまざまです。花色は赤やピンク、白色や複色など実に豊富で、香りは品種によって強いものもあります。つるの伸長は品種によって異なりますが、1年間に約1~6m伸びます。
つるバラは、なるべく日当たりと風通しが良い場所で育てましょう。特に、生育期に日陰の環境だと花付きも良くありません。また、風通しが良くないとうどんこ病などの病気にかかる可能性もあります。
つるバラには、水はけが良くて有機質に富んだ用土が適しています。用土をミックスする場合は、赤玉土(小粒)約6~7、堆肥約3~4の割合で混合しましょう。その他、市販のバラ専用培養土を使用しても構いません。
鉢植えの場合は、1年を通して土の表面が乾いてきたらたっぷり水やりをします。一方、地植えはおもに夏の時期など雨が少なく乾燥する場合に水を与えます。
水はけが悪いと根腐れの原因にもなるため、乾燥と湿気のバランスを良くすることで根を良く張らせましょう。また、花や蕾などに水がかかってしまうと病気の原因にもなるため、水やりは株元にするよう心がけましょう。
つるバラの肥料は、発酵油かすの固形肥料などの置き肥を定期的に施しましょう。生育期間中は、液体肥料を与えても結構です。地植えの場合は、冬の時期に発酵油かすの固形肥料などを施しましょう。その他、つるバラを植え付ける際は、元肥を用土に規定量混ぜ込むと良いでしょう。
つるバラの鉢替えは大変なので、二回りほど大きな6号~8号くらいの鉢植えを用意します。鉢中に土を半分より少ない程度入れ、土に元肥を混ぜておきます。その後、土を徐々に足していき、苗木の植える高さを決めます。苗木の根についた土を落とさないようにしながら鉢の中心に置き、苗の周りに土を足します。
鉢の縁から約4~5cm残して土を足していくことがポイントです。最後に水をたっぷりと与えて支柱を立てます。
地植えの場合は、予め植える場所の状態を確認した上で直径約30~50cm、深さ30~50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土は元肥を混ぜておきます。
苗木の根に付いた土を崩さないようにして穴の中心に置き、地表よりもやや低い位置に土を埋め戻します。そのあとに水を十分に与えて土を平らにし、誘引するために草丈くらいの支柱を立てます。
鉢植えの場合は、休眠期である12月~3月と梅雨の時期が適期です。1~2年に一度の周期で2回り程度の鉢に植え替えましょう。地植えの場合は、新苗を1~2年程度鉢植えで育ててから地植えで育てることをおすすめします。
つる性の性質をもつつるバラは、きちんと誘引させることで、バラのアーチや壁などをつくることができます。放っておくだけでは、フェンスに巻き付いたりはしないので、気をつけましょう。
また、翌年にも花をたくさんつけさせるために、誘引と同時に剪定をしてあげましょう。つるバラを剪定することで、風通しをよくし、害虫の発生や病気になるのを防ぐことができます。
つるバラの花がら摘みは、大切なお手入れの一つです。咲き終わったバラをそのまま放置しておくと病気などの原因になるため、咲き終わりそうなバラは早めに取り除きましょう。
つるバラには、耐寒性が強い品種とそうでない品種があります。マルチングで土の表面を覆うことで防寒対策にもなるので、寒さに弱い品種のつるバラにはおすすめのお手入れです。
つるバラは「挿し木」などで増やすことができます。挿し木の場合は、6月または10~11月頃に五枚葉の枝を2節程切り取り、土に挿します。約30~50日で根が生えてきます。
つるバラは、黒星病やうどんこ病にかかりやすい植物です。黒星病は梅雨の時期に最も多く、葉に水がかかると黒い斑点ができて黄化してしまいます。
うどんこ病は春と秋に感染しやすく株が白い粉で覆われてしまい、生育に影響を及ぼします。水やりや肥料の量を調整して、日当たりと風通しが良い環境で育てるよう心がけましょう。
つるバラの花言葉は、「無邪気」「爽やか」「いつも美しい」です。
無邪気や爽やかという花言葉は、つるバラがどんどん伸びて次々に花を咲かせることが由来とされています。また、バラが美の象徴であることから、いつも美しいという花言葉がつけられました。
つるバラは品種が豊富で、花の咲き方や花色などもさまざまです。つるバラのお手入れは決して難しくなく、アーチやフェンスなどに誘引して観賞が楽しめます。
興味があれば、ぜひともご自宅のお庭などでつるバラを育ててみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部