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ホトトギスは、紫色の斑点模様が特徴の花を咲かせる秋の野草。斑点模様を鳥のホトトギスの胸毛の模様にたとえて、こう呼ばれるようになりました。漢字では杜鵑草と表記します。
元禄時代から親しまれてきたホトトギスですが、さまざまな種類があり多彩な花色・形が楽しめることが特徴。一般的なホトトギスの花は、白地に紫色の斑点が入りますが、黄色い花を咲かせる種類もいくつかあります。
花の形は、杯形の「ホトトギス形」と釣鐘形の「ジョウロウホトトギス形」に分かれています。本種はホトトギス形です。杯形は上向きに、釣鐘型は下向きに花が咲きます。種類によって、全く異なる姿を楽しめるのもホトトギスの不思議な魅力ですね。
ホトトギスは日本列島に幅広く自生していますが、園芸植物としても人気があります。日陰でも育つ秋の花として親しまれているホトトギスは、適度な湿り気がある場所で良く生育します。
ホトトギスを育てるときは、半日陰で少々湿り気のある場所が適しています。春は日に当て、梅雨を過ぎたら明るい日陰で管理するようにしましょう。
また、ホトトギスは種類によっては、暑さに弱い物もあるで注意してください。葉焼けを起こしやすいので、夏場は直射日光が当たる場所を避けましょう。
ホトトギスは、鉢植えでも地植えでも楽しめます。草丈は40㎝~1mほどになります。
ホトトギスは湿り気を好むので、春から秋は毎日水やりします。乾燥したり、強い日差しに当たると、葉焼けを起こしてしまうことがあるため、夏場は葉水で過湿してもよいでしょう。
ホトトギスを植え付けるときに、緩効性肥料を元肥として施します。10月と4月には、株元に固形肥料で追肥しましょう。5月ごろまでの生育期には、週に1回液肥を与えてください。
ホトトギスは、水はけと水もちのよい土で育てます。ホトトギスとタイワンホトトギスは、水はけがよければ用土を選びませんので、市販の草花培養土や山野草の土が便利です。
ホトトギスの植え付け・植え替え時期は3月~4月です。
ホトトギスの根は発育がよく、すぐに大きくなるので鉢が小さくなったら一回り大きなものに植え替えるようにします。鉢植えの場合、1年に1回か2年に1回は植え替えます。
ホトトギスの増やし方は、「株分け」・「挿し芽」・「種まき」といった方法があります。
春先に植え替える際、株が自然に分かれている場所で分けます。
挿し芽は5月~6月が適期です。茎を3~5節残して切り、挿し木用の土や赤玉土などに挿します。水ゴケを使用すると根付きが良くなります。
種まきで増やすこともできます。開花が終わった11月下旬から12月に種を採取し、翌年の2月ごろまきます。順調に育てば、種をまいた年の秋に花を咲かせます。
ホトトギスの育て方では、アブラムシ・ナメクジなどの害虫、白絹病に注意します。
春から夏にかけては、アブラムシが発生することがあります。薬剤散布で対策しましょう。アブラムシを見つけたら手で一つひとつ取り除くか、水で流して駆除してもよいです。
ナメクジやカタツムリが、新芽や若葉を食べてしまいます。見つけ次第、即座に駆除してください。
白絹病の初期症状は、下葉が黄色くなって茎や葉がしおれます。その後、株元や周辺の土に白い絹糸状のかびが蔓延し、株が弱っていってしまいます。予防と対策は、石灰で土壌をアルカリ性に調整し、表面を乾燥させることです。放置していると毎年発生します。
ホトトギスの仲間は、東アジアを中心に現在約20種が確認されています。日本に自生するホトトギスは10種ほど。バリエーションに富んだ花色や形が楽しめますよ。
台湾、沖縄、西表島に生息しています。地の赤紫色に白紫色の斑点が入った美しい花を咲かせるのが特徴で、花期は9月から10月。別名ホソバホトトギスとも呼びます。
美しい黄色の花を咲かせるホトトギスです。鮮やかな黄色の花には紫の斑点が入りますが、小さいのであまり目立ちません。茎は暗紫色で、宮崎県に多く分布しています。ホトトギスより、水はけのよい環境を好みます。
白地に紫色の斑点が入った花が特徴のヤマジノホトトギス。一部、斑模様のない品種もあります。茎には荒い毛が生えており、茎の先や葉のわきに細い花弁を1~3個付けます。日本全国の山地に自生していますよ。
釣鐘形の花を付けるジョウロウホトトギスです。花が下向きに咲きます。上品な花姿が上臈(女官)を連想させるとして、この名が付きました。四国・九州に多く分布しているので、トサジョウロウホトトギスとも呼ばれています。茎には毛が生えており、葉は光沢があって細長い形をしているのが特徴。
ジョウロウホトトギスの仲間には、よく似た姿のキイジョウロウホトトギスなどがあります。
ホトトギスの花言葉は、「永遠にあなたのもの」「秘められた恋」です。
ユリ科ホトトギス属のホトトギスは、花が美しい秋の野草として人気。別名ユテンソウ(油点草)とも呼びます。これは、若葉に油の染みのような斑点が入ることから名づけられました。
主に東南アジアに分布するホトトギスは、日本を中心に広がっていることから、日本原産の植物とされています。日本のホトトギスは、主に太平洋側に自生しています。半日陰~日陰の湿り気のある斜面やがけ、岩場が生息地。全国に分布しているものから、一部地域にのみ自生する種類もあります。
現在日本列島に自生しているホトトギスの仲間は、日本固有種も含め、なんと約10種類も。9月から10月の開花シーズンになったら、野生のホトトギスを探してみてください。運が良ければ珍しい種類に出会えるかもしれません。
さまざまな種類があるホトトギスですが、どれも花色や花姿がさまざまでユニーク。種類によって個性があって、面白いですよね。異なる品種の栽培にチャレンジしてみるのも楽しいですよ。
耐陰性がある、秋に咲く花をお探しの方はぜひホトトギスを育ててみてくださいね。夏の暑さと直射日光には気を付けましょう!
※トップ画像は花と虫と風と空とさん@GreenSnap
GreenSnap編集部