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ラナンキュラスは、中近東からヨーロッパの南東部を原産地としており、色数がとっても豊富でお庭をカラフルに彩るのに最適な草花です。
今回は、春の鉢花として大人気のラナンキュラスの育て方についてご紹介します。
ラナンキュラスはしっかりと日に当てて育てましょう。
また、寒冷な地域で室内で育てる場合も窓際の日の当たる場所でしっかりと日に当ててあげます。
直射日光に当ててしまうと葉などが傷んでしまう恐れがあるので、夏場の直射日光は出来るだけ避けて日当たりを確保した場所でラナンキュラスを育てましょう。
日当たりのいい場所に置いて育てるのがまず第一のポイントですが、冬に近づくにつれて北風の当たらない場所に置くなど、防寒対策をする必要があります。
特に1月や2月は特に霜に当たらない様にする為に、軒下へ動かすなどの調整を行います。
凍結したり、霜に当たる心配が無ければ、戸外でも問題無く育てることが出来ます。
冷たく乾燥するような風のある環境は、葉を傷ませたり株を駄目にしてしまうため気をつけましょう。
しかし、室内で育てる場合暖房は花持ちが悪くなってしまうので、暖房の風が当たらない場所に置き、寒い地域でも気温がマイナスになっていなければ昼間は外で日光に当てます。
そして、夜には室内へ取り込むのが理想的です。
また、春先から草丈が高くなり、葉数も増えますが蒸れてしまわない様に風通しを良くしましょう。
開花の時期は出来るだけ雨の当たりにくい場所に置くことで花を長く楽しむことが出来ます。
ラナンキュラスは、乾燥させるとすぐに葉に元気が無くなり、しおれてしまいます。
水やりをする時は必ず土の表面を触って、土の乾き具合を確認して下さい。
土の表面が乾いていたら鉢の底から染み出すくらいたっぷりと水をあげて下さい。
逆に水をあげ過ぎても、暑い時期は根が蒸されて根腐れを起こしてしまう原因になります。
根腐れを起こすとラナンキュラスの葉は黄色に変色してしまうので葉の色もチェックしておきましょう。
特に、夏場は気温が高いため乾燥と根腐れの2つに気をつけて水やりをする必要があります。
冬場の水やりは、大体5日から1週間に1回程度の頻度で行います。
日中の暖かい時間に水やりを行いますが、冬場も根腐れを起こさせないように土の表面をしっかりとチェックして水やりを行います。
また「ラナンキュラスが朝は元気だったのに夕方にはぐったりしている。」という場合は、水切れが原因ということが多いです。
冬場は根腐れを起こすことを心配して乾かし気味に育てている日曜ガーデナーさんが多く居ますが、あまり極端に乾かしすぎると元気が無くなってしまいます。
そのため、一度水をあげて少し暖かい日向に置くなどして様子を見てみましょう。
鉢植えと庭植え、どちらの場合も植え付ける前に、元肥として緩行性の化成肥料を与えましょう。
その後追肥は芽が出てから花が咲き3月の末頃まで、10日から2週間に1回を目安に「花工場」などの液体肥料を薄めて与えます。
追肥は葉が枯れる前までに少なくしておくと球根が腐りにくくなります。
肥料を切らしてしまうと花が小さく育つので、出来るだけ肥料は切らさないように定期的に与えます。
ラナンキュラスを育てる土は、水はけが良く多少水持ちの良さがある土が理想的です。
使用する土は赤玉土と腐葉土、バーミキュライトなどを使いましょう。赤玉土は中粒と小粒のものを、半々で使います。
赤玉土は排水性にも保水性にも優れていますが、粒の大きさによって水はけの具合などが違うため、使用目的が変わってきます。
ふかふかとした触り心地が特徴の腐葉土は、広葉樹のクヌギやケヤキのなどの葉を腐敗熟成させたもので、微生物の力で土を活性化させている保肥性にも優れた土です。
更に軽い触り心地のバーミキュライトは、ハンギングなどにもよく使用されますが無菌であることが一番の特徴です。
これも排水性、保水性に優れていますが、よく似た名前のパーライトは保水性があまり良くないため間違えない様に気をつけましょう。
これらの赤玉土、腐葉土、バーミキュライトを5:3:2で配合します。
土を自分で配合するのが難しいという人は、市販の草花用の培養土を使用しても十分に育ってくれます。
また、庭植えにする場合、ラナンキュラスは酸性の土壌を嫌うためあらかじめ有機石灰を混ぜておく必要もあります。
ラナンキュラスは球根の植物ですが、球根を植える前に十分に水を吸わせてもどしておく必要があります。
市販されている植物の球根は乾燥させてあるため、これをそのまま植えて育てると水やりをした時に急激に水を吸って腐らせてしまうので気をつけましょう。
また、球根をもどす作業を行なう際も、水に球根を浸すような戻し方はしないで、ゆっくりと水を吸わせることを意識して下さい。
そのため、湿らせた水苔を入れた袋に球根を入れたり、少し濡らしたキッチンペーパーにくるんで袋に入れたりして一週間程かけ球根を戻します。
球根をもどす作業を行っている間は冷蔵庫などの涼しい場所で保管しましょう。
植え付けを行なう際は、土が球根に2cmほどかぶるのを目安に浅く植え付けます。
また、球根ではなく苗を買ったりした場合は、根鉢を崩さない様にして植え付けましょう。
分球といって、大きくなった球根を分けて増やすことが出来ます。分球を行なう時期は5月から6月が理想的です。
球根を掘り上げた後、球根を洗って分球を行います。分球したあとは日陰で陰干しします。
球根の根本に白い短毛が生えていますが、ラナンキュラスはここから目を出すため分球する際はそれぞれにこの部分が付くようにして分けましょう。
これらの保管しておいた球根は10月頃に植え付けを行います。
また、生育期に葉にモザイクのような色の濃淡が見られたら、株がウイルス病に侵されている場合があります。
他の株への伝染を避けるために、おかしいと感じた株は掘り起こさずに土ごと廃棄します。
ラナンキュラスはタネからも増やすことが出来ます。タネを撒く時期は10月頃で、発芽温度は15℃が目安です。
2週間から3週間ほど時間をかけて発芽しますが、それまで乾かさないようにしましょう。
20℃を超えてしまうとほとんど発芽しないので、気温にも注意してタネ撒きを行いましょう。
そして、花を大きく育てるために間引きを行なう際に注意しておきたいこととして、ラナンキュラスの茎などの切り口から出た液汁に触れると水疱が出来たりかぶれることがあることです。
特に肌が敏感な人は気をつける必要があります。
春頃になるとアブラムシが発生しやすくなります。
アブラムシは茎や葉に付いて栄養分を吸い取ってしまうので、薬剤などを散布して駆除します。
また、薬剤を使用しないアブラムシの駆除の仕方としては、テープや歯ブラシを使って地道に取る方法や、石鹸水を作りスプレーボトルに入れて吹きかけることで、石鹸水が乾燥する時にアブラムシを窒息させる方法があります。
この石鹸水を使用しての駆除の方法は、吹きかけた後、3時間程放置させて綺麗に洗い流すことです。
他にも薄めたビールを吹きかけておくことで、ビールに酔わせ葉から退散させるという方法もあります。
まだアブラムシがそこまで大量発生していない初期の状態であれば、これらの方法も有効かもしれません。
また、アブラムシの他には灰色カビ病にもかかりやすいです。この病気は多湿な環境で発生しやすいです。
また開花期にも、株の上に落ちた花がらから発病することもあるので、株の上は落ちた葉や花がらをこまめに取り除いて、常に綺麗な状態を心がけておきましょう。
ラナンキュラスは寒さには比較的強めですが、暑さには少し弱く暑くなると休眠に入ります。
また、冬場は霜が当たらなければ基本的に大丈夫です。
冬でも15℃以上を越えると間延びして育ってしまうため、ある程度の寒さで締めて育てるのが理想です。
代表的な品種として、花首が太めで安定したマシェがありますが、最近では切り花にして楽しむのにも最適な草丈の高いサロニカの虹があります。
また、切り花にして楽しみたい場合は花がしっかりと開いてから切り取ります。
このサロニカの虹は複色花で、白とピンクなど1輪で2色が楽しめるのが特徴です。
ラナンキュラスの花は、ひと目見て覚えてしまう程の華やかさを持っています。
薄い花びらを何重にも重ねた豪華な見た目と、ピンクや黄色、赤や白などの豊富な花色から違った印象の可愛さを楽しむことが出来ます。
ボリュームのある花びらはまるでパニエを履いたドレスを思わせる程愛らしいものですが、花びらの数が少ないものも優しい雰囲気を持っています。
ラナンキュラスには金運を上昇させる効果があります。
また、北西に花を飾ることで紹介運や出世運、玉の輿運が上がると言われていますが、北西に飾ると良いラッキーフラワーとしても金運を上昇させるラナンキュラスが効果があると言われています。
黄色には金運を上昇させる力があるため、北西に黄色のラナンキュラスを置くと良いかもしれませんね。
ラナンキュラスは、花色ごとに異なった花言葉があります。
赤は「あなたは魅力に満ちている」黄色は「優しい心遣い」白は「純潔」ピンクは「飾らない美しさ」紫は「幸福」オレンジは「秘密主義」。
ラナンキュラスを贈り物にする際は、送る相手のイメージに合わせたり自分の想いに近いものを選んで、華やかさだけでなく意味のある贈り物にしたいですね。
また、ラナンキュラスはそのポジティブな花言葉から、ウエディングブーケなどにもよく使用されます。
キンポウゲ(ラナンキュラス)属の植物は実は500種類程存在するのですが、「ラナンキュラス」として流通するのは、ミドルイーストからヨーロッパの南東部にかけての地域に分布するラナンキュラス・アシアティクスを主な親として改良された園芸品種です。
ちなみに「ラナンキュラス」はカエルを意味する言葉です。
ラナンキュラス・アシアティクスは多湿にならない水はけが良い場所を好んで育ちますが、実際このキンポウゲ属の多くの種類が、湿った場所に生えることに名前が由来しています。
今回は何枚も重なる花びらがとても可愛らしいラナンキュラスについてご紹介しました。
少し育てるのにコツが必要な草花なので、初心者の人は苗から育て始めることをオススメします。
ラナンキュラスの育て方に慣れてきたら球根から挑戦してみましょう。
takenaka