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芳香剤の香りとしても使われるほど、甘く強い香りを漂わせるキンモクセイ(金木犀)。秋の10月頃になると、小さなかわいいオレンジ色の花をたくさんつけ、目でも香りでも楽しませてくれます。ここでは、そんな庭木としても人気のキンモクセイの育て方をご紹介します。
キンモクセイは暑さにはそれなりに強い一方、寒さには弱いです。そのため、日本では東北地方より南の地域での栽培が好ましいです。
また、キンモクセイは樹高が5〜6mにもなるため、地植えでの栽培が基本となりますが、鉢植えにして小さく育てることも可能です。
ただし、キンモクセイを地植えで大きく育てる場合と、鉢植えで小さく育てる場合では、育て方が少しずつ異なりますので、あらかじめどこで栽培するかを決めておきましょう。
まずは、キンモクセイを地植えで育てる場合の育て方についてご説明します。
キンモクセイは、日当たりをとても好みます。日当たりが良いほど花のつきも良くなるので、できるだけよく日が当たる場所を選んでください。
日陰で育ててしまうと、育ちが悪くなるだけでなく、常緑樹のキンモクセイでも葉が落ちてしまうこともあります。少なくとも一日のうち4〜5時間くらいは日が当たると良いでしょう。
キンモクセイは、水はけのよい肥えた土を好みます。
キンモクセイを地植えで育てる場合には、周辺の土を弱酸性にしておきましょう。もしアルカリ性になっている場合は、ピートモスを少し混ぜて調整してください。
その後、腐葉土や堆肥、培養土などを混ぜて肥やし、少し湿り気のある状態にしておきます。
キンモクセイは、種まきではなく苗木から育てるのが一般的です。
キンモクセイの苗木の植え付け時期は、3〜4月頃か9〜10月頃が適期となっています。秋に植え付ける場合は、気温が寒くなる前に根がしっかりと張れるようにしてください。
なおキンモクセイは地植えにすると、5mほどの大きさにまで成長することがあります。植え付ける場所のスペースは、広く確保しておきましょう。
植え付け方法は、以下の通りです。
キンモクセイを地植えしている場合は、基本的に水やりは不要で、自然に降る雨のみで十分です。
ただし、真夏で降雨がなかったり、乾燥が続く時期で、土がカラカラになっている場合は水を与えてあげましょう。
キンモクセイへ肥料を与える時期は、2月下旬〜3月頃が適期です。地植えの場合は、毎年この時期に1回、株元へ施すだけで十分です。
なお肥料は、カリウムやリン酸が含まれている有機肥料を選ぶようにしましょう。油かすなどの窒素成分が多いものは、花つきが悪くなってしまうので注意してください。
キンモクセイは大きくなってからの植え替えを嫌います。そのため地植えで育てている場合は、基本的に植え替えは行いません。
キンモクセイの樹高を低くしたい、小さく育てたいという場合は、鉢植えでの栽培がおすすめです。
なお鉢植えキンモクセイの詳しい育て方や管理方法については、下記の記事をご参照ください。
キンモクセイは成長が早い樹木です。風通しを良くしたり、好みの高さを保つ、病害虫の発生を防ぐためにも、定期的な剪定が必要です。
剪定時期は、新芽が出る前の2〜3月頃、もしくは花が咲き終わった11月頃が適期です。強剪定を行う場合は2〜3月頃にしましょう。
なお、キンモクセイの花を楽しみたい場合は、春の新芽が伸びたあとの剪定は行わないでください。
キンモクセイの剪定方法については、下記の記事に詳しく記載しています。
キンモクセイがかかりやすい病気には、褐斑病や先葉枯病、うどんこ病、炭そ病などがあります。
いずれもカビが原因となる病気で、主に気温も高く湿度が高い、梅雨の時期にかかりやすいです。様子のおかしな葉っぱを見つけたら、すぐに切り取って、他の葉っぱに伝染しないようにしてあげてください。その後、薬剤を使って被害を押さえましょう。
キンモクセイは比較的強いため、あまり害虫の被害を受けない樹木ですが、風通しが悪いと、カイガラムシやイラガ、ハダニなどが発生することがあります。害虫を見つけたら、農薬をまくなどして、対策してください。
キンモクセイの増やし方は、「挿し木」か「取り木」が一般的です。
挿し木をするときは、その年に伸びた新しい枝を15cmくらいの長さで切り取って使います。
なお、挿し木の方法については、下記の記事に詳しく記載しています。
取り木の方法については、以下の通りです。
秋に甘い香りを振りまきながら、艶やかに咲き誇るキンモクセイ。
汲み取り式のトイレが普通だった時代は、匂い対策としてトイレのそばによく植えられていたことから、トイレの芳香剤というイメージを持つ人も多いようですが、その姿は可憐で、香りにはリラックス効果があるともいわれています。
育てやすい樹木ですし、常緑樹なので、庭木としてもおすすめですよ。
※トップ画像はMマリリン凪翔Mさん@GreenSnap
GreenSnap編集部