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ユーラシア大陸を中心に、世界各地で栽培されているリンドウは、約500種あるといわれています。日本では、切り花として北海道原産のエゾリンドウ、鉢花としては矮性種のシンキリシマリンドウが多く栽培されています。また、リンドウのなかには、古代より根っこに薬膳効果があるものもあり、漢方薬としても重宝されています。
ここでは、そんなリンドウの育て方についてご紹介します。
リンドウは、日当たりのよい場所を好むため、1年を通してよく日の当たる風通しの良い場所に置きましょう。日照不足になると、花の色が薄くなってしまいますので注意してください。
ただし、夏場の直射日光は苦手ですので、西日の当たらない半日陰を選び、なるべく涼しい場所に置きます。
冬の時期は戸外のよく日に当たる場所で、なおかつ霜のつかない場所を選んで置きましょう。寒いからといって、室内に入れる必要はありません。
リンドウは乾燥が苦手なので、年間を通して1日1回、鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるだけで大丈夫です。冬の時期も、特別水を控える必要はありません。乾燥にだけ注意して、水やりを続けましょう。
リンドウを育てるときは、1000倍に薄めtw液肥を月2回から3回程度与えます。春と秋に1回ずつ緩効性肥料を置き肥しておいてもいいでしょう。肥料が足りないと、葉っぱが黄色っぽく変色してきますので、よく観察しながら管理してください。
リンドウを育てるには、水持ちも水はけもよい土が適しています。例えば、赤玉土5:腐葉土3:ピートモス2の混合土などがおすすめです。なお、市販の山野草用培養土を使用しても大丈夫です。
リンドウは、鉢植えだとどうしても根詰まりを起こしやすいので、毎年植え替えをすることをおすすめします。リンドウの植え替え時期は、5月から6月頃が適期です。
鉢から抜いたら、古土を3分の2くらい落として、ひと回り大きな鉢に植え替えてください。植え替え後1週間程度は日陰で管理をし、徐々に日に当たるところへ出していきましょう。
リンドウの増やし方には、植え替えのタイミングで行う株分けや、挿し木、種まきで増やす方法などがあります。
リンドウの植え替え時に古土を落としたら、根っこを手で裂いて数株に分けて新しい鉢に植えます。1株が小さくなりすぎないように注意しましょう。
植え替え後のお手入れで摘芯した枝の、上から2節ほどを摘み取り、鹿沼土など挿し木用の土に挿してください。リンドウが発根して5節程度になったら、4号鉢に3本くらい植え付けます。
リンドウの花が終わったら、花がらを採らずに置いておくと種ができますので、採取した種をまきます。
種まきをすると1か月ほどで発芽しますので、本葉が5枚ほどになったら植え替えてOKです。ただし、花が咲くまでは、そこから2年ほどかかります。
種まきでの増やし方は、あまり発芽率がよくないので、お勧めはできません。
リンドウの主なお手入れは、摘芯と花がら摘みです。
丈を低めに育てたい場合は、7節ほど伸びたところで、いったん上から2節を摘芯します。花が終わったあとは、種ができると株が弱ってしまうため、種を採らない場合は早めに花がらを摘み取ってください。
リンドウにはアブラムシが付きやすいです。アブラムシは新芽や葉茎から汁を吸い取ってしまいますので、見つけたらすぐに殺虫剤で駆除してください。テープで貼り付けて取る方法もあります。
また、ナメクジによる食害にも注意してください。ナメクジにはナメクジ専用の殺虫剤があります。もちろん手で捕獲して取り除いてもOKです。
また、茎や葉が委縮したり曲がってしまうようなら病気の可能性があります。病気の株は治りませんので、残念ですが処分しましょう。
リンドウは9~11月頃に、涼しげな青紫色の花を咲かせます。品種によっては、白やピンク色の花を咲かせるものもあります。
リンドウの花は、日の光 に当たって咲かせるので、雨や曇りの日だと花は閉じたままなのも特徴です。
リンドウの花言葉には、「勝利」「正義感」といった意味があります。これは、リンドウの根っこが漢方薬に使われていることから、病気に打ち勝つという意味を含んだものです。
イギリスの花言葉では「あなたが悲しんでいるときあなたをもっと愛する」「寂しい愛情」ともいわれています。また、色によってもさまざまで、例えば白いリンドウには「貞節」という花言葉があります。
ここでは、世界各地で栽培され、秋になると色鮮やかな花を咲かせる、リンドウの育て方についてご紹介しました。
リンドウには、花の美しさだけでなく、根っこに薬膳効果もあり、今も漢方薬として使われています。
リンドウは、日照不足になると、本来鮮やかな花の色が薄くなってしまいますので、日当たりのよいところでたっぷりと水を与えながら育てましょう。やや手はかかりますが、初心者にも充分育てられますよ。
※トップ画像は凛子さん@GreenSnap
GreenSnap編集部