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フジバカマは秋の七草でよく知られ、夏の終わりから秋のはじめに花を咲かせる多年草です。自然環境が減ったために自生のフジバカマは減っています。そんなフジバカマを、家庭ではどのように育てれば良いのか、育て方などをまとめてみました。
フジバカマはできるだけ日当たりの良いところで育てます。半日向で育てることも可能ですが、花の色や数が悪くなるので、できれば日向に置くようにした方がいいでしょう。
また、フジバカマは極端な土の乾燥を嫌うため、地植えの場合は西日が当たる場所を避けてください。
耐寒性や耐暑性を持ち合わせているフジバカマですが、その置き場所には少しだけ気を使ったほうがいいでしょう。
フジバカマは茎が細く丈夫ではないので、茎をまっすぐに育てるために風が強すぎるところを避けて置きます。
また、植え付ける場所は地下茎が土の中で繁殖するので、予め土の中を板などで仕切っておき、広がりすぎないようにします。フジバカマの繁殖力が原因で、ほかの植物の生長の邪魔になることもあります。
フジバカマを地植えする場合は、水やりを気にする必要はありません。ただし3日以上日照りが続くようであれば、朝と夕方に水を与えます。
鉢植えの場合は、成長期の春から秋にかけてたっぷりと水を与えます。一度水切れを起こすとひどく傷みます。水を張った容器に直接鉢を置き灌水させる、腰水を行うと、底穴から十分に水を吸収させることができますよ。
ただし、長期間この方法を行うと根腐れの原因にもなるので、時々水をはった容器から出すなどして様子をみましょう。夏の暑さで水が高温になったり、冬には水が凍ってしまうこともありますので注意しましょう。
冬はフジバカマの休眠期に当たるので、水をあまり必要としません。冬の水やりは乾かし気味で大丈夫です。
指で土が乾いていることを確認し、5日から1週間に一回程度にします。ただし、地中では地下茎が生きているので極端に乾かすことのないように注意しましょう。
フジバカマを地植えする場合は、苗の植え付け時に肥料をあらかじめ施しておきます。長期間にわたって効果が持続するように緩効性肥料や、腐葉土を混ぜ込んでおくことが多いです。これで追肥は不要です。
鉢植えの場合は、植え付け用の土に粒状肥料を混ぜ込んでおき、春に芽が出たら初夏まで液体肥料を与えます。土に混ぜ込む肥料はチッ素、リン酸、カリウムが等量配合の化成肥料にします。
ただし、肥料が多いと株が軟弱に育つので花つきも悪くなります。液体肥料も、普通の草花に与える濃さの2分の1で構いません。
フジバカマを育てるときは、元肥に水はけと水もちのバランスのよい土を混ぜ込み使います。
自作するのであれば赤玉土(小粒)6:腐葉土4か、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂土2の割合で混ぜた土がおすすめです。地植えの場合は、植え穴を掘った土に腐葉土を2割程度混ぜたものを使いましょう。
フジバカマの苗の本葉が5、6枚になったら鉢や地面に植え付けます。植え付け時期は3月が最適ですが、丈夫なので時期がずれてもさほど気にする必要はありません。
鉢植えなら、5号サイズの鉢に1株植えるのが目安です。地植えは日当たりの良い土地を選び、地表から下に根がある位置に植え付けます。
ほかの植物と同じ場所に植えるときは、20〜30センチほどの板を間に入れて仕切っておきます。
鉢植えは根詰まりを防ぐために、毎年3月ころになったら1回り大きな鉢に植え替えます。最終的には大きくて2メートルくらいになるので、ある程度鉢植えを楽しんだら地植えに切り替えるのも方法です。
地植えの場合は、3年に一度、植え替えがてらに株分けをすると生育が良くなります。
株を掘り上げて、古い土や根をきれいに落としたらそれぞれの株に根が均等につくよう切り分けていきます。1株に芽が2〜3個つくように分けます。このとき長い地下茎は1/3〜1/2に切って植えます。
ほとんど栽培の手間がかからないフジバカマですが、晩秋になり茎葉が枯れてきたら見苦しいので取り除きましょう。地植えの場合はどんどん根を広げて芽数が増え、鉢植えの場合も根づまりを起こしやすいくらい繁殖力があります。
フジバカマは草丈が1.5メートルほどまで生長するので、7月頃に一度切り戻しをしておくと、花が咲く秋にほどほどの草丈にまとまります。切った枝は挿し芽に利用できますよ。
フジバカマの増やし方には「種まき」や「株分け」、「挿し木(挿し芽)」などの方法があります。
種まきは9月〜10月に行います。育苗箱に赤玉土など種まき用の土を入れたものに種をまき薄く土をかぶせます。
土が乾かないように水やりをして管理します。発芽して本葉が2、3枚になったら育苗ポットに移します。本葉が5、6枚になったら鉢や地面に植え替えます。この時期としては3月くらいです。
株分けは植え替えをかねて3月頃に行います。
掘り上げた(鉢から抜いた)株は古い土をすべて落とし、地下茎2-3本で一株になるように切り分け、根を1/3ほどに切り詰めてから植え付けます。
挿し木は5月から6月、茎を先端から2から3節のあたりで切ったものを使用します。
下の方の葉は取り除いておきます。切り口を30分ほど水につけておいたものを、赤玉土など挿し木用の土に挿し木します。根が出始めるまで明るい日陰で管理しましょう。
フジバカマの病気として挙げられるのは「うどんこ病」です。うどんの粉をふいたような症状が葉に出て、光合成ができず枯れてしまうという病気です。病気にかかった部分は切り捨て、薬剤を散布して拡大を防ぎます。
また、フジバカマはアブラムシやハダニがつきやすい植物です。見つけたらすぐに薬剤を散布して駆除していきましょう。ハダニは乾燥した環境が続いたときに、葉っぱの裏に寄生する害虫です。
水が苦手なので、水やりのときに葉っぱにも霧吹きで水を吹きかけると予防につながります。
暑さや寒さに強く丈夫な草花なのでこれといった対策は必要ありません。根本が乾燥したら痛みますので、西日が当たりすぎないところで管理します。
フジバカマは毎年8〜10月までの間に、直径5mmほどの小さな花を茎の先端につけます。花の集まりは長さ10cm前後の房状になります。花色は赤や紫色をしており、糸のように突き出した雄しべが特徴です。
フジバカマ同様に絶滅危惧種の長距離移動で有名な蝶、アサギマダラがこの花を好んで蜜を吸います。この花の蜜には有毒成分ピロリジジンアルカイドが含まれています。
フジバカマの花言葉は「ためらい」です。
フジバカマは暑さ寒さにも耐える丈夫さと、大きくなると1.5メートルにもなる草丈が珍しく、ガーデニングに取り入れられています。もともと川沿いの湿った土地で自生していました。水場の近くでの環境を好むため、水切れに気をつけることが重要です。
もともと日本に自生してきた野草であるがゆえに、肥料を控えめにします。肥料が多くなると葉が増え花数が減ります。
地植えの場合は追肥も特に必要なく、地下茎を横にぐんぐん伸ばして毎年芽の数を増やして茂っていきます。
ほかの植物の邪魔をしてはびこってしまうので、他のものを植えないか、地下茎が伸びていかないように仕切りを埋めるなどの工夫が必要です。強い野草であるフジバカマは手間のかからないガーデニング材料として最適です。
GreenSnap編集部