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アネモネは北半球の温帯や亜熱帯を中心に分布する球根植物の多年草です。神話や伝説に登場するほど人との関わりが深く、秋に植え付けて冬の寒い時期にも可憐な花を咲かせてくれる植物としてガーデニングでも人気があります。
そんな初心者でも育てやすいアネモネの育て方をご紹介します。
アネモネは秋植え春咲き球根です。5〜10℃の冬の気温で最も育ちやすく、10〜15℃でゆるやかに生長します。
とはいえ、アネモネの花は5℃以下の寒さにあたらないと咲かないので、冬の間はしっかりと寒さに当てることが大切です。
なお、25℃を超えると生育が止まるので、花が終わってから休眠期として地上部は枯れてしまいます。それでも地下の球根は生きているので、植えていることを忘れずにいましょう。
アネモネは日光を好む植物です。庭植えで育てる場合は、日当たりと風通しの良い場所を選び、日光にたっぷりと当てて育てます。
鉢植えで育てる場合も日当たりのいい場所にし、季節によって室内に取り込んで育てるといいでしょう。
アネモネは早春に花を咲かせ、初夏になると地上部を枯らして休眠期に入ります。鉢植えの場合は夏なら日陰に移して雨が当たらないようにし、秋になって気温が下がったら1ヶ月は室外の日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。しっかり5度以下の寒さにあてて12月〜1月以降になってから室内に取り入れるといいです。
アネモネは球根を植え付けて育てるのが一般的です。球根の植え付けに適した時期は10月下旬〜11月です。
秋の台風シーズンが終わってから、土の水分がすくなったころに植えましょう。気温が下がりきらないタイミングで植えると球根が腐ったり、発芽率がかなり下がるので注意してください。
春頃に出回る開花株のポット苗は、春に植えても問題ありません。その場合、気温が高いと花が育ちにくくなることがあるので、15℃を目安に植え付け作業をして下さい。
アネモネが好むのは、水はけの良い土です。ガーデニング初心者なら、市販の草花用培養土を使いましょう。
自分でブレンドした土を用意するなら、赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜます。腐葉土を少し減らしてバーミキュライトを使うのもおすすめです。
庭植えの場合、アネモネは酸性の土壌を嫌う性質があるので、植え付け・植え替えの2週間前までに、苦土石灰を庭1㎡に対し100g混ぜて中和しておきましょう。
1週間寝かせてから、堆肥または腐葉土を1㎡あたり2kg、緩効性肥料を20〜30gほど加えてよく混ぜ、さらに1週間寝かせてから使います。
球根を植えるときに注意すべきポイントは球根の状態です。完全に乾燥した球根をそのまま植え付けてしまうと、水を与えた時に吸水しすぎてしまい、腐りやすくなってしまうので、事前に吸水処理をしておくと、発芽の成功率が上がりますよ。
それでは詳しい手順をご紹介します。
軽く湿らせたバーミキュライトに球根を埋め、湿らせた新聞紙をかけて冷蔵庫で1週間ほど保管する。バーミキュライトが乾いてるようであれば霧吹きで水をやる。
プランターに植える場合は、鉢底ネット・鉢底石をいれて土を鉢のフチ下3〜4cmほどまでいれる。庭に地植えする場合は、前項を参考に酸度調整などを済ませておく。
植えたい場所に植え穴を指で掘る。深さは地域に合わせて、東北なら深さ7〜8cm、関東以南なら深さ3cmほどにする。
複数植える場合は株間を地植えなら15cm以上、鉢植えなら10cmあけておく。
球根の先端が尖っている方を下に、平らな方を上向きに植え、球根の上に土を被せる。植え付け直後は水やりを控え、土が乾いたら与える。
もし球根の形がいびつで上下が分からない場合は、脱脂綿に置いて日に当てて発芽させて確かめるという方法もあります。
開花株のポット苗を植える場合は、根鉢は崩さずに優しく植え付けしましょう。
水やりのとき、アネモネの花やつぼみに水がかかると枯れる原因となるので、かからないように注意しましょう。
球根を植えた直後は土が乾いたら水やりをします。発芽しないからといって水やりをしすぎないよう注意しましょう。
発芽してきたら、もしくは植えっぱなしの場合は秋の10月頃から水やりを再開します。表土が白っぽく乾いたら水やりをしてください。
受け皿の水は放置すると根腐れにつながるので、毎回捨てて下さい。冬は乾燥しやすい季節なので定期的に土の状態をチェックしましょう。
庭植えの場合は雨水がかかれば十分です。
地上部の葉が枯れたら、休眠期のサインです。休眠期に入ったら水やりは控えて下さい。また雨にも当たらないように気を付けましょう。
庭に地植えしている場合は、できるだけ雨があたらないように雨除けをするか、掘り起こして乾燥させておきましょう。
休眠期に入ったら10月頃までは水を与えず、土を乾かし気味に育てるのがコツです。
庭植えなら植え付けの時の元肥のみでも大丈夫です。緩効性の肥料を土に混ぜ、必要があれば液体肥料を月に1回くらいの頻度で与えます。
鉢植えの場合、花を咲かせる時期に養分が不足しがちになります。10月〜3月の間は2週間に1回くらいのペースで薄めた液体肥料を与えると花つきが良くなります。
肥料の与えすぎも良くないので、様子を見ながら調整して下さい。
アネモネの球根は植えっぱなしで問題ありません。
アネモネは秋植え春咲き球根のひとつで、4〜5月に開花を迎えると、夏頃には地上部を枯らして休眠状態にはいります。
鉢植えやプランターに植えたアネモネは、軒下などに移動させて雨に当たらない場所で管理しましょう。植えっぱなしにしていても、冬ごろになると徐々に芽吹いてきますよ。
地植えしたアネモネもそのまま植えっぱなしで夏越しできますが、あまり雨に当たる場所だと球根が腐ることがあります。できるだけ落葉樹の近くに植えたり、雨除けをするなどするか、掘り起こして乾燥させたほうがいいでしょう。
植えっぱなしでも育つとはいえ、3〜4年に1度は球根を掘り上げてて分球・植え替えをして管理してあげるといいですよ。
アネモネに植え替えは必ずしも必要ではありませんが、3〜4年に一度は掘り起こして、「分球」という球根の整理をしてから植え替えてやると、より元気に花を咲かせてくれます。
アネモネの植え替え・分球は10月頃に行うと良いでしょう。
分球は掘り起こして乾燥させておいた球根を使用します。
まず、親球の周囲に付いた小さな子球を指かカッターナイフで丁寧に取り外します。発芽する部分が1つの球根に1つ以上になるように分けて下さい。
もし発芽する部分が分からなければ、球根に水を吸わせて確認しましょう。風通しの良い日陰で切り口部分を乾燥させるか、園芸用の殺菌剤で保護すると腐敗を予防できます。
その後は植え付けと同じ手順で育てます。
アネモネは水はけ、日当たり、風通しの良い環境で育てれば病気や害虫による被害を受けにくい植物です。しかし日照不足や過湿、風通しの悪い環境では注意しなくてはいけません。
気をつけたい病気は春や秋に発生するうどんこ病、秋から初夏にかけての灰色かび病、春の立枯病です。うどんこ病は名前の通りうどん粉のような白い粉が葉に付きます。灰かび病は灰褐色のかびが覆い、室内で発生しやすい病気です。
病気にかかった葉などは早めに取り除き、花がらや枯れた葉も普段から処理するようにしましょう。
害虫は葉の裏につくアブラムシが特に新芽を狙って発生します。見つけたら専用の殺虫剤などで駆除して下さい。
アネモネの花が終わったら、種をすぐつけようとして無駄に体力を使ってしまうので、花色が褪せてきたり花首がもたげ始めたら早めに花茎ごと根元から引き抜いて、花がら摘みをしてください。
もし種を採取して増やしたい、育てたいという方は、花が終わってもそのままにして結実させて、種を採取しましょう。
ちなみにアネモネの花には花びらがなく、私達が花びらと認識している部分は萼(ガク)になります。そしてガクに見えるのは葉です。
花のタイプは花びらが重ならない一重咲き、幾重にも花びらが重なる八重咲き、八重咲きの一種の菊咲きなどがあります。アネモネは一重咲きの品種が多くありますが、品種改良によってモナークのような八重咲きの品種も登場しています。
アネモネの育て方や花言葉、そして名前にまつわるお話しをご紹介しました。
ギリシャ神話にも登場するアネモネは古くから人を魅了してきました。毎年春の訪れを感じられる、この多年草の花をぜひ育ててみて下さい。
GreenSnap編集部