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オリーブの育て方|鉢植えを室内で栽培するコツは?花が咲かない原因はなに?

  • モクセイ科
  • オリーブ属

オリーブは地中海地域では盛んに栽培されている植物です。オリーブの実はオリーブオイルやオイル漬けなどとして盛んに用いられていますが、花の観賞価値も高い植物で、室内の観葉植物や地植えにして庭木として楽しめます。

今回は人気の庭木、オリーブの育て方・栽培方法について、詳しくご紹介します。

オリーブを育てる前のチェックポイント!

オリーブの苗の選び方

オリーブの苗には接ぎ木苗と挿し木苗があります。初心者におすすめなのは接ぎ木苗のほうです。

接ぎ木苗とは別々の株のオリーブを繋ぎ合わせて増やしたもので、病気などにも強いという特徴があります。一方、挿し木苗はオリーブの枝の切れ端から発根させて増やした苗のことで、安価ではありますが接ぎ木苗ほど強くはありません。

見分け方は株下の幹・茎の色味を見れば簡単です。接ぎ木苗の場合は色が途中で変わっているはずなので慣れると見ただけでどちらかわかりますが、最初のうちは店員に聞いてみるのもいいでしょう。

実を収穫したいなら品種違いの苗を2本育てて!

じつはオリーブはほとんどの品種が一株だけでは結実しません。結実には品種の異なる別の株を近くで育てる必要があるので注意しましょう。

受粉のための株、受粉樹の品種にはネバディロ・ブロンコという品種が花粉の量が多くて最適です。

鉢植えオリーブを室内で栽培するときの育て方のコツ

オリーブを育てたいけれど、庭がなくて庭木にはできないし、屋外で育てるスペースもないという方は、鉢植えにして室内で育てられるか不安に思うことでしょう。

ですがオリーブは次のポイントを抑えれば、鉢植えにして室内で育てることもできます。

  • 南向きの窓辺に置いて、1日6時間以上の日光に当てる。
  • サーキュレーターを回したり換気をよくして置き場所の通気性をよくする。
  • 1〜2年に1度は必ず植え替えをして育てる。

中でもオリーブを鉢植えにして室内で育てるときに、とくに大切になるのが日当たりです。

たとえばモンステラなどの多くの人気観葉植物は、鬱蒼とした薄暗いジャングル熱帯に自生していて多少の日陰にも耐性があるのですが、オリーブは地中海の乾燥地帯に点在しているので、強い日差しを好む植物なのです。

できれば南向きの窓辺が好ましいですが、なかなか日当たりを確保できないときは植物栽培王のLEDライトなども併用して育てるといいですよ。

地植え(庭植え)オリーブの育て方のコツ

オリーブを地植えで育てる場合、植える場所支柱を立てることが栽培のコツです。

日当たりがよく風通しがいいところが適しているので、6時間以上日向になるような建物の日陰にならない場所で育てましょう。直射日光があたっても問題ありません。

また、日本では台風やゲリラ豪雨など、自然災害が最近増してきています。このような過酷な環境に耐えられるよう、しっかりと支柱を立てておくのがおすすめです。

なお、オリーブは寒さにはある程度強く、品種によっては-10℃くらいまでは耐えることができます。むしろ寒さにしっかり当てることによって、花もよくつくようになるのであまり防寒対策も必要ありませんよ。

-10℃より寒くなる寒冷地で育てる場合、地植えにするなら株下に10cmほど腐葉土をのせてマルチングという防寒対策をしておくと安心です。春になったらそのまま土にすき込むだけでOKなので後処理も楽ですよ。

オリーブの育て方・お手入れ

水やり

オリーブの水やりは、基本的にかなり控えめで乾燥させて育てます。

鉢植えなら生育期の春から夏の間は土が乾いたらたっぷり水を与えて、冬の間は10日に1回くらいの水やりで問題ありません。地植えなら雨の水分で十分なので水やりの必要はありません。

水やりの頻度や正しい水やりの仕方は、こちらの記事を参考にしてくださいね。

肥料

オリーブを育てるときは、植え付けや植え替えのときに土に腐葉土や緩効性化成肥料を元肥に施すほか、追肥も必要です。追肥は6月と9月に固形の緩効性化成肥料を置き肥して施しましょう。

どんな肥料がいいのか、肥料の与え方などは、こちらの記事を参考にしてください。

剪定

オリーブは定期的に剪定をすることで、株自体も健康に育ちますし、樹形も美しく仕立てられます。剪定時期は2月頃。基本的には混み合う原因となる不要な枝を間引きしたり、枝を切り戻して樹形を作っていきます。

オリーブの木の栽培年数によっても剪定の仕方は異なるので、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

害虫対策

オリーブにはオリーブアナアキゾウムシという、オリーブ特有の害虫がよく発生します。オリーブアナアキゾウムシの幼虫が発生すると幹の内部を食害されます。もしも幹に穴が空いているようならば、オリーブアナアキゾウムシが発生している可能性が高いです。

もしも発生したら、棒などを使ってほじくりだしましょう。また、薬剤散布も効果があります。

鉢植えのオリーブを植え替える方法

植え替えをする時期

鉢植えのオリーブを植え替える時期は4〜5月頃が適期です。とはいえ、真夏と真冬をのぞいけばいつでも植え替えできます。

オリーブは生育旺盛なので、植え替えをしないと根詰まりを起こしたり、根腐れをして枯れることもあります。鉢植えで育てるなら1〜2年に1回の植え替えが必要になるのですが、下記のような状態を目安にしてもいいでしょう。

  • 水やりをしてもすぐに水が染み込まない
  • 底穴や表土から根が見えている
  • 鉢に対して樹形が大きすぎて不安定
  • 葉の色が薄く、元気がない
  • 葉が突然たくさん落ちた

植え替えのときに使う土

オリーブを育てるときは、市販のオリーブ専用土がおすすめです。専用土はオリーブが育ちやすいように酸度調整がしてあり、通気性や水はけも最適化されています。

もし専用土がなければ、果樹用の培養土か野菜用の培養土を使いましょう。実の収穫を目的とするなら必ず食用前提の土を使ってください。収穫せず観葉植物としてのみ育てる場合は、市販の観葉植物の培養土でもかまいません。

自分で配合する場合は、赤玉土小粒6:腐葉土3:バーミキュライト(もしくは川砂)1の割合で混ぜたものに、緩効性化成肥料を元肥に施して寝かせます。1週間馴染ませたら、用土1ℓに対して2〜3gの苦土石灰を施して酸度を調整してください。植え付けはそのさらに1週間後です。

植え替えで用意するもの

  • 一回り大きい植木鉢(テラコッタなど通気性のいいものがおすすめ)
  • 新しい土
  • 鉢底ネット、鉢底石(排水溝ネットや竹炭・大粒の軽石などで代用可)
  • 移植ゴテ、スコップ、シャベル
  • 長細い棒(菜ばしなど)
  • 園芸シート、マルチトレー(あると後片付けが楽)

植え替えのやり方

  1. 数日前から水やりは控えて、鉢の中の土を乾燥させておく。
  2. 新しい植木鉢に鉢底ネットをしいて、鉢底石を敷き詰める。
  3. 新しい土を植木鉢の3分の1か、2分の1ほどまでいれる。
  4. オリーブを鉢から取り出しトレーや園芸シートの上などで根の土をほぐす。
  5. 根の土があらかた落としたら、新しい植木鉢の真ん中に据え置く。
  6. 隙間に土を入れていき、菜ばしなどでぐりぐりとかき回しながら土を詰めていく。
  7. 植木鉢のフチの下3cmまで土をいれたら、たっぷりと水やりをする。

植え替え後の管理方法

植え替えしたばかりのオリーブは、1週間ほどは明るい日陰ほどの場所で管理しましょう。また、この間水やりは土が乾ききる前に与え、肥料はやらずに育てましょう。

1〜2週間もすると根付くので、徐々に日当たりのいい場所に移動させて、その後は通常の育て方で管理します。

オリーブを植え付けして地植えにする方法

植え付けする時期

オリーブを庭に植え付けする時期は、4〜5月頃がおすすめです。9月に植え付けを推奨する人もいますが、9月以降は台風で強風・豪雨にあおられることが多いため避けた方が無難です。

植え付けで必要なもの

  • スコップ
  • 腐葉土もしくは堆肥
  • 有機肥料
  • 苦土石灰
  • 支柱
  • オリーブの苗木

植え付け前の土づくり

オリーブを庭に地植えするときは、酸性土壌を嫌うので最低でも2週間前から土づくりをはじめておきます。

オリーブの根鉢よりも1〜2まわり大きい植え穴を掘ります。庭土に4割ほど腐葉土を混ぜて、元肥として有機肥料を施しましょう。1週間土をなじませたら、土1ℓに対し2〜3gほどの苦土石灰をよく混ぜて、さらに1週間なじませてから植え付けに使ってください。

植え付けのやり方

  1. 植え穴に支柱をぐらつかないようになるまで挿し込む。
  2. 植え穴に土づくりをすませた土を半分ほど埋め戻す。
  3. オリーブの苗を取り出して根鉢をほぐす。
  4. 支柱と隣り合うように苗を植え穴に入れ込む。
  5. 根鉢の肩と地面の高さが同じくらいになるように高さを調整する。
  6. 隙間に土をいれて、軽く踏み固める。
  7. 支柱と枝を麻紐などで八の字に巻いて固定する。
  8. 10〜15ℓほどたっぷりと水やりをする。

植え付け後の管理方法

オリーブを植え付けした後は、1〜2週間ほどは土が乾いたら水やりをするようにしてください。しっかりと根付いた後は基本的に水やりの必要はありません。

また肥料は元肥となる有機肥料の効果が切れる、1〜2ヶ月後から追肥し始めます。植え付け後すぐに肥料をやると肥料やけを起こして弱ってしまうので注意しましょう。

オリーブの実つきをよくするお手入れ

オリーブは成木の場合なら、春に開花してから5ヶ月後くらいに実がつくので、だいたい9〜10月ごろに収穫できます。ただしオリーブは結実させるのにちょっとしたコツが必要なので、実つきをよくするために下記のお手入れをしておきましょう。

ちなみにオリーブは苗の植え付けから実がつくまでには、約3〜5年ほどかかるので、もしも初年度から収穫したいならば、実がついているオリーブを購入することをおすすめします。

① 2品種を近くで育てる

先述の通り、オリーブを実らせるには2品種以上の株が必要です。1品種でも実がなる場合もありますが、確実に収穫したいなら2品種育てましょう。

鉢植えの場合は別々の鉢で育ててください。同じ鉢に2株植えるとその後弱ってしまうので注意。隣同士で育てればOKです。

地植えの場合はできれば5mほど離して植えるといいです。とはいえ、そこまでスペースが取れないという場合は1〜2m離して植えて、ゆくゆくは株立ち樹形のような形で合体させるように育てていきます。

② 日当たりと寒さに当てる

オリーブは冬の寒さに当てることによって花芽分化が進んで、ゆくゆくはそこに実がなります。

地植えであれば冬の寒さで十分ですが、室内で育てる場合にはたまにベランダなどに出して、寒さにしっかり当てるようにするといいですよ。目安は10℃以下の気温で10日間ほど。しっかりと寒さに当てるようにしましょう。

③ 人工授粉する

オリーブは5〜6月ごろに開花しますが、このころに人工授粉をしておくと、より確実に実をつけることができます。ちょうどこの時期は日本では梅雨にあたるので、花粉が流れ落ちてしまい自然に受粉するのが難しいのです。

人工授粉のやり方は簡単です。まず開花後なるべく早めの段階で、花の下にコップを添えて筆などを使ってコップ内に花粉を落とします。コップに花粉が溜まったら、別の品種のオリーブの花に筆を使って花粉を付着させれば完了です。

④ 摘果する

摘果とはたくさんついた実の一部を取り除いて、残した実のほうを充実させるお手入れのことです。

オリーブに摘果はそれほど必要ありませんが、もしもたくさん実がつきすぎたときは摘果することで大きい実を収穫できるようになります。

7〜8月あたりに結実したのを確認できたら、葉10枚あたり実1個になるように摘果するといいですよ。

オリーブの育て方でよくある質問

オリーブの花が咲かないのはなぜ?

オリーブの開花時期は初夏、5〜6月ごろのはずですが、一向に花が咲きません。購入して以来数年育てて一度も花が咲かないのですが、なにか育て方に問題があるのでしょうか。
オリーブの花が咲かない原因のほとんどは、栽培年数が若すぎることにあります。オリーブはだいたい5年以上の栽培しないと株が未熟で体力がないので花を咲かせられないのです。品種によってもことなりますが、栽培してから数年は鑑賞目的で育てるくらいの心構えでいたほうがいいですね。

ほかにも以下のような原因が考えられるので、心当たりがあれば改善しましょう。

  • 寒さが足りない→10℃以下の気温で10日間を目安に寒さに当てましょう。
  • 剪定で花芽を切ってしまっている→葉色の薄い新しい枝は残して剪定しましょう。
  • 鉢が小さい→8号以上のサイズになるまで鉢上げしながら育てましょう。

オリーブの葉が落ちる

オリーブの葉が初夏ごろにかなり葉が落ちてしまいました。この時期に落葉するのはなにかの病気ですか?常緑樹だと思っていましたが、落葉樹の品種があるのでしょうか。
オリーブは常緑樹ですが、だからといって葉を落とさないわけではありません。オリーブは5〜6月ごろがもっとも葉が落ちる時期と言われており、この時期は新芽が伸びる代わりに古い葉がぱらぱらと落ちていきます。

新芽が伸びているようなら葉が生え変わっているだけなので、病気ではないでしょう。

オリーブの増やし方は?

オリーブをうまく育てられるようになったので、もっとたくさん育てたいのですが、どんな増やし方ができますか?種まきからでも増やせるのでしょうか?
基本的にはオリーブは挿し木で増やします。挿し木用に30cmほどの元気な枝を切り落としましょう。これを用土に埋めていきます。あとは新芽が出てくるので、通常通りに育ててください。

ただしこうした挿し木による増やし方は、オリーブの気に負荷を与えるので、剪定などの際に生じた枝などを有効活用して行うのがおすすめです。

また種まきからでも増やすことはできるのですが、かなり発芽率が低い上に成長も遅いのであまりおすすめはしません。

オリーブでおしゃれな寄せ植えを作りたい

オリーブと別の植物が寄せ植えされている鉢植えを見かけました。自宅のオリーブでもおしゃれな寄せ植えを作りたいのですが、おすすめの植物はありますか?
オリーブを寄せ植えするときは、株下にオレガノ・ケントビューティー、ローズマリー、レモンタイムなどのハーブを合わせるのがおすすめです。

ハーブは他の草花よりも丈夫なので、オリーブが好むような寒さや日当たりの環境でも丈夫に育ってくれます。とくにオレガノ・ケントビューティーなどは花も可愛らしいですし、収穫して料理に使うこともできますよ。

ただし、ツバキやサザンカ、サツキなどは相性が悪いので、地植えにするときも近くに植えないように気をつけましょう。

オリーブの育て方は日当たりがポイント!鉢植えや地植えで育ててみよう!

オリーブを育てるときの一番のポイントはやはり日当たりです。ほかの観葉植物や庭木よりも日当たりを好むので、育てる前に置き場所のチェックをしておくといいですよ。

日当たりさえよければ鉢植えでも地植えでも丈夫に育ちます。なかには樹齢2000年を超えるオリーブもあるくらいなので、正しい育て方でお手入れをして長く育ててくださいね。

※トップ画像はrupuさん@GreenSnap

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オリーブの基本情報

ジャンル
果樹
形態
高木
学名
Olea europaea
別名
原産地
小アジア

オリーブの性質

栽培難易度
易しい
耐寒性
普通
耐暑性
強い
耐陰性

時期

植え付け・植え替え
3月 、4月
肥料
2月 、6月、10月
開花
6月
収穫
10月 、11月
剪定
3月 、4月、9月、10月

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