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アロマティカスは多肉植物のような葉を持った、シソ科プレクトランサス属のハーブです。厚みのある小さな丸っこい葉っぱがかわいらしく、葉の表面が白い軟毛でおおわれているのが特徴。草丈は20cm程度で、大きく伸びても50cmほどなので、ベランダなどでも育てやすいです。ここでは、そんなアロマティカスの育て方のほか、香りの特徴などについてご紹介します。
アロマティカスは日当たりのよい場所を好みますが、過湿になるとてきめんに枯れるので、雨の当たらない場所で育てましょう。
屋外のよく日の当たるところで育てると、徒長することなくかわいらしい形を保ってすくすく育ちますが、明るい窓辺であれば通年室内栽培も可能です。
また、アロマティカスは夏の高温多湿に弱いので、真夏は半日陰に置き場所を変えましょう。
さらに冬の寒さにも弱く、寒くなってくると葉色がだんだん黄色くなって、やがて茶色くなってしまいます。霜が降りる前に室内の明るい窓辺に置き場所を変えて、10℃以上を維持するようにしましょう。
春~秋にかけてアロマティカスを屋外で栽培したい場合は、遅霜の心配がなくなる八重桜が咲くころに、外に出してあげましょう。
アロマティカスは多肉質のあるハーブなので、葉っぱに水をためこむ性質があり、乾燥を好みます。
水のやりすぎは根腐れの原因となるので、できるだけ控えましょう。表面の土がしっかり乾いてくるまで待ち、たっぷりと水やりをします。鉢皿に水をためておくのは、過湿の原因になるので、こまめにあふれた水は捨てましょう。
また、葉にほこりがたまったり、汚れたりしているときは、葉にも水をかけてもかまいません。ただし、頻繁に葉水しすぎると蒸れやすくなるので注意しましょう。
さらに、冬の寒さに耐えるためには、冬、春~秋にかけての生育期よりも乾燥気味に管理する必要があります。
からからに乾いてくると、葉っぱがしおれてくることもありますが、気温が上がってきて水やりを再開するとすぐに元気になるので、寒いところで育てる場合は特に乾燥気味に管理して育てましょう。
アロマティカスは、基本的には肥料を与えたほうが生育がよくなります。
ただし、肥料を与えすぎると最大の魅力の香りがなくなってしまうので、香りを楽しみたい場合は肥料は控えめにしましょう。春ごろに芽出し肥として、少量の緩効性化成肥料を株元にまくだけで十分です。
とはいえ、肥料があまりに少ないと、葉っぱの色が全体的に薄くなってきます。葉色が悪くなり、元気がないときは、薄めた液体肥料を水やりのときに水代わりに与えるとよいでしょう。
アロマティカスは乾燥を好むので、サボテンや多肉植物用の土を使いましょう。水はけを改良するために、川砂やバーミキュライト・パーライトなどをブレンドしておくのもおすすめです。
アロマティカスの植え付けは、真夏を除いた春~秋にいつでも可能です。できれば本格的な夏がくる前に終わらせておくのがおすすめです。
アロマティカスは繁殖力が強いので、地上部分もよく茂りますが、根もよく茂ります。すぐに鉢の中が根でいっぱいになってしまうので、毎年一回り大きな鉢に植え替えるようにしましょう。植え替え時期も、植え付け時期と同様です。
暑くも寒くもないのに、丈夫なはずのアロマティカスがなんとなく元気がないときは、鉢底から根が飛び出していないか確認しましょう。根が飛び出していたら、植え替えのサインです。
植え替えの適期ではないときは、根鉢を崩さないようにして、そのまま一回り大きな鉢に植え替えるようにしましょう。
また、鉢を大きくしたくないときは、植え替え時にアロマティカスの株を手で割って株分けし、株を小さくして植えつけましょう。
アロマティカスの増やし方には、「挿し木」と「株分け」などの方法があります。
アロマティカスを挿し木するときは、5cmくらいの長さの枝を切り取り、下の方の葉っぱを取り除いてから挿します。
湿らせておいた土に棒で穴をあけて、そこに枝を挿しておくと簡単に根付きます。その後、1~2週間で根が伸びてくるので、その間は土が乾いてしまわないように管理します。
100%着根するわけではありませんが、アロマティカスの鉢植えの開いているところに棒を挿し、その穴に差し込んでおいてもいつの間にかついています。水に挿しておくと、数日で根が出てくるので、土に植え替えて育てることもできます。
アロマティカスを株分けして増やすときは、大きくなった株を手で割って、それぞれを新しい土がゆったり入るくらいの鉢で育てます。
アロマティカスには、カイガラムシやナメクジが付くことがあります。
カイガラムシは薬剤が非常に効きにくいので、付いたときは水で湿らしたティッシュなどでふき取りましょう。こすりすぎると葉が傷んでしまうので、あまりにひどいところは剪定して取り除きましょう。
カイガラムシは再発しやすいので、時々葉の裏表をチェックして見つけたら繰り返し取り除いていきます。
また、ナメクジがつくと、葉っぱがあっという間に食べつくされてしまいます。鉢の縁のほうにぐるりと石灰をまいておくとナメクジ除けになります。あまりに被害が大きいときは、ナメクジ駆除用の薬剤を散布しましょう。
飲み残しの缶ビールを置いておくと、ナメクジが集まってその中で溺死するので駆除できますが、後で缶の中の死骸を取り除く作業が必要になってきます。
アロマティカスは非常に増えやすく、もしゃもしゃ茂りやすい植物ですが、蒸れを嫌うので、茂りすぎたときは剪定して風通しがよくなるようにします。
また、アロマティカスはミント代わりに食べたり、ハーブティーに使うこともできるので、伸びすぎた枝は収穫して活用するなどしましょう。この収穫作業がそのまま混み枝の剪定にもなるので、一石二鳥です。
梅雨になる前に混み枝を剪定して、株全体の枝数を減らし、風通しを良くしておくと、蒸れて枯れこむ心配がなくなります。このとき切り取った剪定枝は、挿し木に使用することもできます。
冬にアロマティカスを寒さに当ててしまうと枯れてしまうことがありますが、関東以西の温かい地域であれば、地下で根が越冬することがあります。
春になるとアロマティカスが芽吹いてくることがあるので、枯れてしまったと即処分しないで、春まで待ってみましょう。
アロマティカスの花言葉は、「友情」「鎮静」です。
アロマティカスは、名前に「アロマ」が入っていることからもわかるように、とてもよい香りがします。このことから、育てる芳香剤とも呼ばれています。
アロマティカスの香りをかぐと、さわやかで奥深い芳醇な香りがしますよ。また、その香りから虫除けにも使われることがあります。
アロマティカスは日当たりと乾燥を好み、夏の高温多湿・冬の寒さが苦手なので、同じような性質を持つ植物と寄せ植えにするのがおすすめです。ローズゼラニウムや葉色や形が違う多肉植物などと寄せ植えにしてみましょう。
ミントのような甘い香りのするアロマティカスは、丸い肉厚の葉っぱがかわいらしい「育てる芳香剤」とも呼ばれます。
日当たりのよい場所で、乾燥気味に管理して、茂りすぎたときは剪定をしながら育てましょう。また、食べることもできるので、ミント代わりに使ったり、ハーブティーを楽しむことができます。
※トップ画像はチーヤンさん@GreenSnap
GreenSnap編集部