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サツマイモの栽培・育て方|収穫や保存の仕方は?種芋から苗をつくるコツは?

  • ヒルガオ科

サツマイモ(さつま芋)は秋に旬を迎える、甘くて栄養豊富な野菜のひとつです。意外にも育て方はとても簡単で、家庭菜園の初心者にもおすすめです。収穫したあとは、正しい方法で保存すれば、長期間にわたって料理に楽しめます。今回は、サツマイモの育て方と収穫方法、種芋からの苗づくり方法などについて詳しくご紹介します。

サツマイモの栽培:育てる場所

サツマイモは強い日光を好み、高温を好む野菜です。日当たりがよく風通しの良い場所で育てましょう。生育適温は25〜35℃で、生育期間中にしっかりと高温下で育てることで、サツマイモが肥大化します。

なお、サツマイモをプランターで栽培するときは、深さ30cm以上の深型タイプのプランターを使いましょう。幅650mmの大型タイプや土嚢袋などを使うと、イモ自体も肥大化しやすいですよ。

サツマイモの栽培:種芋からの苗づくり

サツマイモを育てるときは、購入した苗を植え付けて栽培するのが一般的ですが、苗を自分でつくることもできます。サツマイモの苗づくりは3月上旬から始めましょう。だいたい25℃程度が発芽適温で、苗ができるまでは40〜50日ほどかかります。

種芋は、スーパーや八百屋などで売っているサツマイモで大丈夫です。200〜300gほどの陥没(芽)の多いものを選びましょう。

苗の作り方① 水耕栽培での芽出し

  1. 種芋となるサツマイモは48℃ほどのお湯につけて40分おき、殺菌処理をする。
    (ヨーグルトメーカーなどの低温調理機などでも大丈夫です)
  2. 殺菌した種芋を斜めにして、1〜2cm水にひたるように器に置く。
  3. 水は毎日交換するか、ゼオライトなどを使って清潔な状態を保つ。

苗の作り方② 温床栽培での芽出し

  1. 発泡スチロールに、敷きわらを敷いて、落ち葉5;未発酵油かす(もしくは米ぬか)1の割合で混ぜ合わせた用土を30cm以上いれる。
  2. 水をたっぷりかけたら、フタを少しずらして日当たりの良い場所で5日前後保管する。
  3. 温床が発酵熱によって30℃くらいに温まったら種芋の準備をする。
  4. 種芋となるサツマイモは48℃ほどのお湯につけて40分おき、殺菌処理をする。
    (ヨーグルトメーカーなどの低温調理機などでも大丈夫です)
  5. 殺菌処理した種芋を、頭が少し出るくらいの深さに伏せ込みする。
    (複数の種芋を伏せ込みするときは、10cmほど間隔を開けてください)
  6. 発砲スチロールにビニールをかぶせて保温する。
    (ビニールには穴を数カ所あけて、空気の入れ替えが少しできるようにしましょう)
  7. 芽がでるまでは水をやらずに、発芽してから表土が乾いたタイミングで水やりする。

本葉が7〜8枚になったら、地面に近い葉を2枚残して、清潔なナイフで切り取りましょう。日の当たらないところに置いておくと、白く細い根が数本生えてくるので、これで苗の完成です。

サツマイモの栽培:土づくり

サツマイモは水はけがよく、やや砂質の乾燥した土壌を好みます。また、肥沃ではないやせ地のほうが栽培に向いているとも言われています。適正pHは5.5〜6.0の弱酸性が目安です。

プランター栽培の場合

プランターでサツマイモを育てる場合、用土の配合は、赤玉土(小粒)4:堆肥3.5:腐葉土1.5:バーミキュライト1の割合で混ぜ合わせたものに、用土10Lに対して苦土石灰を10g、化成肥料を20gをいれ、2週間ほど寝かせておくといいでしょう。

市販の野菜培養土を使う場合は、少しバーミキュライトを混ぜて使うなどするのがおすすめです。

地植え栽培の場合

地植えでサツマイモを育てるときは、前作の肥料栄養分が残っていない場所を選ぶようにしましょう。耕すときは深さ40cm以上まで掘りかえすようにするといいでしょう。

畑1㎡あたり苦土石灰100gをまいてよく耕し、その1週間後に畑1㎡あたり堆肥2kg、窒素分の少ない化成肥料100gを全体にまきます。土をよく耕したら、幅70〜80cm、高さ30cmほどの高畝をつくり、黒マルチで覆っておきましょう。植え付けができるのは、その1週間後です。

サツマイモの栽培:肥料・追肥

サツマイモは窒素分を多く与えると、茎葉だけがよく伸びる、つるボケの状態になってしまいます。一般的な肥料だとよく生育しないのせ気をつけましょう。サツマイモの栽培には、元肥・追肥ともに、栄養分の配合比率が、5-8-10などのカリウムが豊富な肥料がおすすめです。

サツマイモの追肥は、5月下旬〜6月下旬に行いましょう。茎葉をかき分けて畝の肩を出して、畝に沿って1㎡あたり20gほどのサツマイモ専用肥料をまきます。周囲の土を軽く耕しながら混ぜ合わせ、土とつるを戻して追肥完了です。

サツマイモの栽培:苗の植え付け

植え付け時期

サツマイモの苗の植え付けは、5月中旬〜6月中旬くらいの地温が18℃以上あるときにおこないましょう。購入した苗(挿し芽)の場合は、切り口側を水に挿して吸わせておくと良いでしょう。

植え付け方法

  1. 土に対し斜め45になるように、長さ30cmほどの棒を挿して、植え穴をあける。
  2. 植え穴に苗を3〜4節ほど挿して植え込み、上から手で軽く押さえる。
  3. 地植えの場合は株間は30cmで植え付けていく。

サツマイモの栽培:水やり

プランター栽培の場合

プランターでサツマイモを育てるときは、土の表面が完全に乾いてから2〜3日後に、たっぷりと水やりをしましょう。多湿を嫌うので、乾燥気味に育てるようにしてください。

地植え栽培の場合

地植えでサツマイモを育てるときは、基本的に水やりの必要はありません。ただし、梅雨が明けて、夏場に1週間以上雨が降らないときは、たっぷりと水を与えるといいでしょう。

サツマイモの栽培:つる返し

サツマイモのつるはどんどんと節から白く細い不定根を伸ばしますが、これが土にはいるとつるボケを起こし、イモが大きく育たなくなってしまいます。

これを防ぐため、7月中旬〜8月中旬に株元以外の根を土から離すように全体を裏返して、つる返しをします。不定根に日光が当たるようにして、成長を止めてあげましょう。

サツマイモの栽培:注意する害虫・病気

サツマイモの生育期間は病害虫が発生しやすい時期なので、あらかじめ防虫剤をまいておくなど工夫しましょう。とくにうどんこ病、つる割れ病、アブラムシ、コガネムシ、ハリガネムシなどに注意してください。

サツマイモの栽培:収穫

サツマイモの収穫は、9月下旬〜11月中旬の時期に、茎や葉っぱが黄色くなり始めた頃を目安にしましょう。

株元を残して余分なつるを刈り取り、株の周囲をていねいに掘って、サツマイモを収穫してください。傷がつくとそこからいたみ始めてしまうので、長期保存したい場合は、やさしく扱いましょう。

サツマイモの保存方法

サツマイモを収穫したあとは、乾燥をふせぐために土は軽く落とす程度にとどめ、新聞紙などに一つずつ包んで、ダンボール箱にいれ、暗く暖かい場所で保管しましょう。

10℃以下になると低温障害で腐り始めてしまうので注意してください。保存できる期間はだいたい一ヶ月ほどです。

家庭菜園におすすめなサツマイモの種類・品種

サツマイモには多くの品種がありますが、その中でも育てやすい種類と味わいの特徴をご紹介します。

  • 紅アズマ:もっとも育てやすい品種の一つで、収穫量も多い。ホクホクでほのかな甘み。
  • 鳴門金時:育てやすく、収穫量も多い。ホクホクで糖度の高い甘みを楽しめる。
  • 紅はるか:やや育てるのが難しいが、貯蔵することで、しっとりとした甘みも増す。
  • 安納芋:育てるのが難しく、収穫量も少ないが、ねっとりとした食感と強い甘みが人気。

サツマイモの栄養・効果効能

サツマイモにはビタミンBやビタミンC、カリウム、食物繊維などの栄養が豊富に含まれていて、美肌に効果が期待できるといわれています。

サツマイモの花

サツマイモは本来、薄ピンク色をしたアサガオに似た小さな花を咲かせます。ただし、サツマイモは短日性の植物であるため、日本の環境下ではあまり花が咲きません。花が咲かなくてもサツマイモは収穫できるので、この点についてあまり心配はいらないでしょう。

サツマイモ栽培のコツを抑えよう!

サツマイモの育て方のコツは、窒素分を与え過ぎないことです。サツマイモ専用の肥料を使うほか、前作の肥料残りにも気を配りましょう。

そのほかはあまり手もかからず育てることができるので、ぜひ春夏の家庭菜園で育ててみてください。

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サツマイモの基本情報

ジャンル
野菜
形態
一年草
学名
Ipomoea batatas
別名
薩摩芋
原産地
熱帯アメリカ

サツマイモの性質

栽培難易度
易しい
耐寒性
弱い
耐暑性
強い
耐陰性

時期

植え付け・植え替え
5月 、6月
肥料
5月 、6月
開花
8月 、9月
収穫
9月 、10月、11月

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