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サツマイモ(さつま芋)は秋に旬を迎える、甘くて栄養豊富な野菜のひとつです。意外にも育て方はとても簡単で、家庭菜園の初心者にもおすすめです。収穫したあとは、正しい方法で保存すれば、長期間にわたって料理に楽しめます。今回は、サツマイモの育て方と収穫方法、種芋からの苗づくり方法などについて詳しくご紹介します。
サツマイモは強い日光を好み、高温を好む野菜です。日当たりがよく風通しの良い場所で育てましょう。生育適温は25〜35℃で、生育期間中にしっかりと高温下で育てることで、サツマイモが肥大化します。
なお、サツマイモをプランターで栽培するときは、深さ30cm以上の深型タイプのプランターを使いましょう。幅650mmの大型タイプや土嚢袋などを使うと、イモ自体も肥大化しやすいですよ。
サツマイモを育てるときは、購入した苗を植え付けて栽培するのが一般的ですが、苗を自分でつくることもできます。サツマイモの苗づくりは3月上旬から始めましょう。だいたい25℃程度が発芽適温で、苗ができるまでは40〜50日ほどかかります。
種芋は、スーパーや八百屋などで売っているサツマイモで大丈夫です。200〜300gほどの陥没(芽)の多いものを選びましょう。
本葉が7〜8枚になったら、地面に近い葉を2枚残して、清潔なナイフで切り取りましょう。日の当たらないところに置いておくと、白く細い根が数本生えてくるので、これで苗の完成です。
サツマイモは水はけがよく、やや砂質の乾燥した土壌を好みます。また、肥沃ではないやせ地のほうが栽培に向いているとも言われています。適正pHは5.5〜6.0の弱酸性が目安です。
プランターでサツマイモを育てる場合、用土の配合は、赤玉土(小粒)4:堆肥3.5:腐葉土1.5:バーミキュライト1の割合で混ぜ合わせたものに、用土10Lに対して苦土石灰を10g、化成肥料を20gをいれ、2週間ほど寝かせておくといいでしょう。
市販の野菜培養土を使う場合は、少しバーミキュライトを混ぜて使うなどするのがおすすめです。
地植えでサツマイモを育てるときは、前作の肥料栄養分が残っていない場所を選ぶようにしましょう。耕すときは深さ40cm以上まで掘りかえすようにするといいでしょう。
畑1㎡あたり苦土石灰100gをまいてよく耕し、その1週間後に畑1㎡あたり堆肥2kg、窒素分の少ない化成肥料100gを全体にまきます。土をよく耕したら、幅70〜80cm、高さ30cmほどの高畝をつくり、黒マルチで覆っておきましょう。植え付けができるのは、その1週間後です。
サツマイモは窒素分を多く与えると、茎葉だけがよく伸びる、つるボケの状態になってしまいます。一般的な肥料だとよく生育しないのせ気をつけましょう。サツマイモの栽培には、元肥・追肥ともに、栄養分の配合比率が、5-8-10などのカリウムが豊富な肥料がおすすめです。
サツマイモの追肥は、5月下旬〜6月下旬に行いましょう。茎葉をかき分けて畝の肩を出して、畝に沿って1㎡あたり20gほどのサツマイモ専用肥料をまきます。周囲の土を軽く耕しながら混ぜ合わせ、土とつるを戻して追肥完了です。
サツマイモの苗の植え付けは、5月中旬〜6月中旬くらいの地温が18℃以上あるときにおこないましょう。購入した苗(挿し芽)の場合は、切り口側を水に挿して吸わせておくと良いでしょう。
プランターでサツマイモを育てるときは、土の表面が完全に乾いてから2〜3日後に、たっぷりと水やりをしましょう。多湿を嫌うので、乾燥気味に育てるようにしてください。
地植えでサツマイモを育てるときは、基本的に水やりの必要はありません。ただし、梅雨が明けて、夏場に1週間以上雨が降らないときは、たっぷりと水を与えるといいでしょう。
サツマイモのつるはどんどんと節から白く細い不定根を伸ばしますが、これが土にはいるとつるボケを起こし、イモが大きく育たなくなってしまいます。
これを防ぐため、7月中旬〜8月中旬に株元以外の根を土から離すように全体を裏返して、つる返しをします。不定根に日光が当たるようにして、成長を止めてあげましょう。
サツマイモの生育期間は病害虫が発生しやすい時期なので、あらかじめ防虫剤をまいておくなど工夫しましょう。とくにうどんこ病、つる割れ病、アブラムシ、コガネムシ、ハリガネムシなどに注意してください。
サツマイモの収穫は、9月下旬〜11月中旬の時期に、茎や葉っぱが黄色くなり始めた頃を目安にしましょう。
株元を残して余分なつるを刈り取り、株の周囲をていねいに掘って、サツマイモを収穫してください。傷がつくとそこからいたみ始めてしまうので、長期保存したい場合は、やさしく扱いましょう。
サツマイモを収穫したあとは、乾燥をふせぐために土は軽く落とす程度にとどめ、新聞紙などに一つずつ包んで、ダンボール箱にいれ、暗く暖かい場所で保管しましょう。
10℃以下になると低温障害で腐り始めてしまうので注意してください。保存できる期間はだいたい一ヶ月ほどです。
サツマイモには多くの品種がありますが、その中でも育てやすい種類と味わいの特徴をご紹介します。
サツマイモにはビタミンBやビタミンC、カリウム、食物繊維などの栄養が豊富に含まれていて、美肌に効果が期待できるといわれています。
サツマイモは本来、薄ピンク色をしたアサガオに似た小さな花を咲かせます。ただし、サツマイモは短日性の植物であるため、日本の環境下ではあまり花が咲きません。花が咲かなくてもサツマイモは収穫できるので、この点についてあまり心配はいらないでしょう。
サツマイモの育て方のコツは、窒素分を与え過ぎないことです。サツマイモ専用の肥料を使うほか、前作の肥料残りにも気を配りましょう。
そのほかはあまり手もかからず育てることができるので、ぜひ春夏の家庭菜園で育ててみてください。
GreenSnap編集部