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ミニトマト(プチトマト)といえば、家庭菜園で挑戦したい定番の人気野菜です。栽培自体はとてもかんたんですが、味や実つきを追求するには、水やり頻度や肥料など、いろんな工夫がいる、奥深い野菜ともいえます。
今回は、そんな家庭菜園の定番であるミニトマトの育て方について、プランター栽培、地植え栽培にわけて詳しくご紹介します。苗植えのほか、種まきから育てる場合の手順についても記載しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ミニトマトはビタミンA、タンパク質、カルシウム、食物繊維など豊富にふくまれており、大玉のトマトよりも栄養豊富な野菜です。
家庭菜園で人気なのは「アイコ」という品種のミニトマトで、病気や裂果に強く、実つきもよいため、初心者にはおすすめです。
ミニトマトは、地植えはもちろん、鉢植え・プランターなどでも栽培ができます。
鉢のサイズの目安は、苗一株に対して10号程度で、丸型の深鉢がおすすめです。プランターの場合でも、ミニトマトの根は深く伸びていくので、高さが30cm以上ある深型のものを選びましょう。
ミニトマトは日当たりがよく、風通しのよいところを好みます。直射日光が当たるような場所でも育ち、日当たりの加減によって赤いハリのあるトマトができるかどうかが決まるほど重要です。
ミニトマトはもともと高原地帯で自生している野菜です。したがって、基本的には乾燥気味に育てることで、甘みの強いおいしいミニトマトへの収穫に繋がります。水やりは午前中のなるべく早い時間までに、泥はねしないように低い位置から株元に水をあげてください。
ミニトマトをプランターや鉢植えで育てる場合、成長段階によってあげる頻度を調整するといいでしょう。最初の果実がなるまでは、鉢内の土全体が乾いてから、底穴から水がもれ出すくらいたっぷりとあげてください。
最初のうちは割り箸などを土にさして抜き、割り箸のしめり具合で土の乾燥を確かめるといいでしょう。果実が大きくなってきたら、土が乾燥していても気にせず、葉先が少ししおれてから水をあげるようにしてください。
ミニトマトを地植えで育てる場合は、結実の有無に関係なく、葉先がすこし萎れてから水をあげるようにします。表面の土は乾いているように見えても、地中深くに張った根が水分を吸収しているので、葉のしおれを目安にしてください。
ミニトマトを鉢植えやプランターで育てる場合、用土の配合は赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト1の比率で用意するといいでしょう。
酸度調整のため、植え付けの2週間前には苦土石灰を1㎡あたり100gほどまぜて、なじませておきましょう。市販の野菜培養土でも問題ありません。
ミニトマトを地植えで育てる場合、植え付け2週間前に、苦土石灰を1㎡あたり100gまいて耕してください。その1週間後に1㎡あたり堆肥2kg、化成肥料100gを畑全体にまいて、よく耕したら畝を作ります。
畝は高さ10〜15cmほど、幅は80cmほどになるように作るといいでしょう。ふたたび1週間時間をおいて、土をよくなじませてから植え付けをしてください。
ミニトマトの種まきは、3月ごろに行うといいでしょう。発芽適温は25度程度ですので、保温装置などで温度を保つ必要があります。種まきから育てるのは少し難しいので、初心者は苗から育てるのがおすすめです。
培養土をいれたセルトレイに、指先で1cmほどくぼみをつけて種を1粒ずつ巻いていきます。ポットの場合は、直径3cm、深さ1cm程度のくぼみに3〜4粒まいてください。
種がかくれるくらい土をかぶせて、軽く手で押さえたら、たっぷりの水を優しくあげてください。
種まきから育てて、1枚目の本葉がでたら、生育の悪い苗は間引いていきます。2枚目の本葉がではじめたらセルトレイから3号ほどの育苗ポットに移植します。さらに本葉が5枚以上になったら、4〜5号のポットに鉢上げして、植え付け適期まで育苗します。
いずれの場合も根鉢は崩さないように植え替えしましょう。
ミニトマトの場合、初心者は種まきから育てるよりも、苗を購入して栽培する方が無難です。下記の良い苗の特徴を参考に選ぶといいでしょう。
また、ミニトマトは接ぎ木苗と実生苗が販売されていますが、接ぎ木苗のほうがおすすめです。実生苗は接ぎ木苗に比べて安価ですが、収穫量が少なく、比較的病害虫の被害を受けやすいので注意してください。
ミニトマトの植え付けの適期は4月下旬〜5月中旬ごろです。適温は昼間の気温が20〜30度くらいです。苗の本葉が6〜7枚でたら植え付けましょう。
前述の用土を準備したら、植え穴をあけて水をたっぷりあげます。ミニトマトを地植えしている場合、植え穴の間隔は50cmとってください。
ミニトマトの苗はわき芽(主枝と葉の間から出る芽)をすべて摘み取り、苗ごとバケツなどに浸してたっぷり水を含ませておきましょう。根鉢を崩さないように植え付けたら、株元に土寄せして軽く手で押さえます。
ミニトマトの苗を植え付けたのち、その後1週間は鉢植え・地植えともに、表面の土が軽く乾いたら水をたっぷりあげてください。
ミニトマトを地植えしている場合、植え付け後の水やりがすんだら、株元にわらを敷いていきます。こうすることで過度な温度変化に対応でき、雑草の繁殖や雨水の跳ね返りによる病気も防げます。
なおマルチシートを使う場合は植え付け前に、支柱立てとともに行いましょう。
ミニトマトは植え付けと同時に支柱を立てます。ミニトマトへの敷きわらやマルチシート張りが終わったら、支柱を立てていきましょう。
支柱は180cmほどのものを2本用意し、株から10cmほど離れたところに、深めに挿してください。目ほどの高さで交差させて紐でしっかり固定します。
なお、ミニトマトをプランターや鉢植えで栽培している場合は、支柱をたて、上から鉢全体に防虫対策で寒冷紗をかけるといいでしょう。
ミニトマトは5月下旬〜7月下旬に追肥を行ってください。一番花の果実がふくらみ始めたころが目安です。リン酸が多く含まれた化成肥料、液体肥料が望ましく、生育の様子を見ながら1〜2週間に1回程度のペースで施すといいでしょう。
ミニトマトの栽培方法は基本的にトマトと同じですが、摘果だけは行わないので、手入れの際は注意しましょう。
ミニトマトの誘引と芽かきは、植え付け1週間後から、週に1回繰り返し行いましょう。ひとつの節に茎が2本生えている場合は、細い方のわき芽を手でかき取って芽かきをしてください。
次に、花がついた部分の上下の節に、紐をかけて誘引していきます。その際、支柱と茎はぴったりくっつけずにゆとりを持たせて、八の字に縛りましょう。
ミニトマトの結実をたしかなものにするため、人工授粉を行うと安心です。5月上旬〜中旬の時期に、支柱を軽く叩いて株全体を振動させて受粉をうながします。日照不足などの場合には、着果ホルモン剤を霧吹きで花だけにかけてあげるといいです。
ミニトマトの果実を充実させるために、株が手の届かないほどの高さになったら、一番上の茎を切り取って「摘心」します。上に伸びようとするのに使っていた栄養が、実にまわるので、味のクオリティが上がります。
ミニトマトの収穫時期は、開花から50日程度といわれています。実がヘタの周辺まで赤く熟して、簡単に手で取れるようであれば、収穫してしまいましょう。
このとき、房ごと取らずに、一粒ずつ収穫するといいですよ。また、ヘタの部分をなるべく短めに切って収穫するのもおすすめです。
ミニトマトは比較的、病害虫の被害を受けやすいです。連作障害からくる青枯れ病、加湿が誘発する灰色かび病、カルシウム不足からくる尻枯れ病など、さまざまな病害が発生するので、日頃からしっかり管理しましょう。
また害虫には、タバココナジラミ、アブラムシなどが発生しやすく、発生したら素早く薬剤などで駆除するようにしてください。
ミニトマトの開花時期は、6〜8月頃です。トマトと同様、黄色の花を咲かせます。
ミニトマト単体での花言葉はありませんが、トマト全般の花言葉は「完成美」「感謝」です。どちらも赤く熟れたツヤのあるトマトから連想するような花言葉ですね。
ミニトマト(プチトマト)は今や、家庭菜園キットとしても販売されているので、初めて家庭菜園を始めたい方にとっては、ぴったりの野菜ですね。初心者のかたは種からではなく、苗から栽培を始めるといいでしょう。
GreenSnap編集部