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パッションフルーツはブラジル原産の熱帯植物のひとつで、日本でよくみられる品種は濃い緑色、楕円形の実が成り、熟すと濃いめの紫に変わります。皮が紫色になるまで熟したものが食べごろですが、甘いほうが好きな人は皮にしわが入るまで追熟させるといいでしょう。今回はパッションフルーツを気候の異なる日本でどのように育てていけばいいのか、みていきます。
パッションフルーツは日光を好みます。なので鉢植えをするにしても地植えをするにしても、日中を通してよく日が当たり、風通しもよい場所を選んであげましょう。地植えする場合は、水はけがよい場所を選びます。
パッションフルーツを育てるとき、土は水はけのよい状態にする必要があります。土は火山灰の一種である鹿沼土と腐葉土を7対3くらいの割合で混ぜたものか、市販の園芸用の土と川砂を8対2くらいの割合で混ぜたものがおすすめです。
表面の土が乾いたタイミングで水やりをしましょう。実が成っている間は特にこまめな水やりが必要です。ただし水を与えすぎると根腐れを起こしてしまいます。水はけがよい状態を確認しながら水を与えましょう。
パッションフルーツを植えたら、肥料を根から離れたところに緩効性肥料や油かすを土に埋めるかたちで与えます。あらかじめ用土に肥料を混ぜるやり方はパッションフルーツには向いていません。肥料入りの用土を使わないようにしましょう。
パッションフルーツは、種から育てることもできます。実を割るとゼリー状の果肉に包まれた種が無数に出てきますよね。果肉をきれいに洗い落としてから植えましょう。種から育てる場合は、用土にまだ肥料はいりません。ただし種から育てるにはかなり時間がかかります。じっくりパッションフルーツと向き合いたいかたに、おすすめの方法です。
パッションフルーツの苗を植える時期は、春が終わる4月下旬から初夏の5月はじめにかけてです。お店で苗を選ぶときにポイントは「葉が大きく育っているかどうか」。葉が大きく育っている苗を選んで、適切にお世話をし、育ててあげれば植えた年が明けないうちに開花させることができるでしょう。
パッションフルーツを鉢植えするときは、可能な限り大きい鉢を用意しましょう。目安は7号から10号くらいの鉢に1株、プランターなら80cmを超える横幅のあるものに1株から2株です。
パッションフルーツは根張りのよい植物です。よく生長させるためには、根が育つスペースが必要になります。鉢選びは慎重に行いましょう。
パッションフルーツは根がよく生長する植物のひとつです。そのため、鉢植えした場合は1年から2年で植え替えが必要になります。鉢植えを続ける場合は、これまで植えていた鉢よりも一回り以上大きな鉢を用意します。地植えに移行する場合は、水はけと日当り、風通しの良い場所を選びましょう。
地植えしたとき、地面と株の境目あたり(地際)から腐ることがあります。そのため深植えしないように注意が必要です。
パッションフルーツは、アサガオなどのようにつるを伸ばしながら生長します。鉢植え、地植えに関係なく「あんどん仕立て」(上画像参照)で生長をサポートしてあげましょう。「あんどん仕立て」とは株の周囲に複数の支柱を立てて、紐や支柱用の輪がついたフレームを設置し、伸びたつるが支柱に巻き付くように誘導する方法です。
生長してきたつるは、横方向(地面と平行)に誘引してあげましょう。株全体が「扇」の形になるようなイメージです。横に伸びたつるは「あんどん仕立て」のフレームに優しく固定しましょう。
パッションフルーツの増やし方は「挿し穂」です。挿し穂とは挿し木、挿し芽と同じやり方で若い芽や枝を切り取って、新しい土に挿すことで新たな株を作ります。穂か、木か、芽かで呼び方が変わるんですね。
どの「穂」を選ぶのかは、挿し穂の重要なポイントです。パッションフルーツの挿し穂は、出たばかりの脇芽のうち、葉の色が濃い緑色をしたものを選びましょう。挿し穂をする日当日に摘み取り、新しい土に植えましょう。植えたあとはたっぷりと水を与えます。
パッションフルーツにつきやすい虫のひとつは、アブラムシです。新芽が出るころには特に注意しましょう。パッションフルーツの風通しが悪くなってしまったら、カイガラムシが付くことがあります。カイガラムシが発生したら、風通しが良くないサインです。風通しがよくなるように、環境を整えてあげましょう。
パッションフルーツの収穫時期は、8〜11月頃です。パッションフルーツは、夏〜秋にかけて花を咲かせます。この花が咲いてから、2〜3ヶ月ほど経過し、果実が紫色になってきた頃が、収穫の目安となります。
パッションフルーツは南米はブラジル原産のつる植物の一種です。日本でよくみられる品種の実の皮の色は、きれいな濃い緑から熟していくにしたがって、濃い紫になります。
実を割ると、トロリとしたオレンジ色の柔らかい果肉に包まれた種がぎっしりつまっています。
パッションフルーツの食べ方としては、柔らかい果肉をスプーンなどですくって種ごと食べるほか、果肉を裏ごしして種と果汁に分けてピューレとして味わう、もしくはピューレを煮つめてシロップにするなどの方法があります。
パッションフルーツの花言葉は「受難」です。パッションフルーツは、クダモノトケイソウ(果物時計草)の果実であるため、花言葉はトケイソウの花言葉と同じです。
パッションという名前があることから「情熱」などの花言葉があるかと思いきや、そうではありません。英語でトケイソウの花が「受難の花」と呼ばれることから、「受難」という花言葉がつきました。
パッションフルーツを贈り物にするときは、花言葉には少し注意した方が良いかもしれませんね。
熱帯が原産の植物ながら、気温が20度を超えればじゅうぶんに生長してくれるのがパッションフルーツの特長です。時間はかかるものの、種から育てることができます。スーパーなどの店頭にパッションフルーツを見かけたら、ひと粒、種をとっておいて育ててみませんか?
GreenSnap編集部