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みずみずしく熱すればほのかな甘みも感じられる白菜は、病害虫の防除に気をつければ、意外と簡単に育てられることができます。種まきからでも苗の植え付けからでも育てられますよ。
今回は冬の鍋の定番野菜、白菜の育て方についてご紹介します。
白菜はほどよい日当たりと風通しの良い環境で栽培しましょう。生育適温は20℃前後、結球期には15℃ほどの冷涼な気温を好みます。
白菜の栽培期間は早生種なら60日ほど、中生種なら90日、晩生種なら100〜120日ほどになります。育てる品種にもよりますが、2ヶ月から最長では4ヶ月も育てることになるので、太陽の動きによって栽培後期に日陰になってしまったということがないよう、太陽の動きも計算して栽培場所を選ぶといいです。
白菜は育苗ポットなどに種まきをして苗を植え付けて栽培する方法がおすすめです。
プランター栽培の場合は、下記で説明する手順とほぼ同じやり方で直まき(直接プランターに種まきして移植せずに育てる方法)でも育てられます。
白菜の種まきは8月から遅くとも9月中旬までにおこないましょう。発芽温度は20〜25℃前後ですが、早すぎても遅すぎても、結球しにくくなったりと後々影響がでてきますので、しっかりと時期を逃さないようにしましょう。
白菜の種まき後は明るい日陰に置いて、土が完全に乾ききる前に水やりをして育ててください。適正温度であれば、2〜3日ほどで発芽します。発芽後は日当たりの良い暖かい場所で管理するといいでしょう。
プランター栽培の場合は株間20cmほどをとって同じように種まき、間引きしましょう。
白菜は根を細いですが、広範囲に広げていくので、深めに耕しておくのがポイントです。また、排水性・保水性・通気性のバランスの取れた土づくりを行いましょう。適正な土壌pHは6.0〜6.5が目安です。
白菜をプランターで栽培するときは、用土の配合を赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト1の比率で用意するといいでしょう。用土1Lにあたり緩効性化成肥料を20〜30g加えて1週間寝かせ、そのあと用土1Lあたり苦土石灰を2〜5gを混ぜてさらに1週間寝かせてから使います。
初心者は市販の野菜培養土を使うと簡単です。草花培養土や観葉植物培養土を使いたい場合は、苦土石灰での酸度調整を忘れないようにしましょう。
畑で白菜を栽培するときは、植え付け2〜3週間前から準備するようにしてください。畑1㎡あたり、苦土石灰を100gまいて、全体によくすきこみます。その1週間後、畑1㎡あたり、堆肥2kg、緩効性化成肥料100gをまいて耕し、植え付けはその1週間後におこないます。
白菜の苗は9月上旬〜10月上旬を目処に植え付けるようにしてください。直まきしたプランター栽培の場合は、植え付けせず、種まき・育苗したプランターでそのまま育てて構いません。
苗から育てる場合は下記を参考にしてください。
スペースに余裕がある場合は、畝の幅を80cmほどにして、40cmの間隔をあけて2条(列)つくることもできます。
白菜をプランターで栽培しているときは、表面の土が完全に乾いたら水やりをするようにしてください。あまり多湿状態が続くと軟腐病にかかりやすくなるので注意してください。
地植えの白菜の水やりは、植え付けからしっかりと根付く間はたっぷりと水をあげるようにします。植え付けから2週間ほどして、葉が急激に伸び出したら根付いた証拠ですので、その後は1回の水やりの量を減らしながら育ててください。
白菜の苗を植え付けたあとは、本葉が6〜7枚になったら、一本立ちになるように間引きしましょう。それと同時に1回目の追肥をします。その後は2週間おき1回といったペースで定期的に追肥してください。
プランターであれば2週に1回の化成肥料の代わりに、週に1回液肥を与えるのもおすすめの方法です。
肥料の量は、畑栽培であれば1㎡あたり50g(一握り程度)、プランター栽培であれば1株あたり8gほどの化成肥料を、株周りにドーナツ状にまきます。
地表の土をほぐしながら肥料と混ぜ合わせ、株元に土寄せをして安定させましょう。ただし、結球して収穫間近になってくると、白菜は地表に近いところまで根を張っているので、無理に土寄せをすると根を傷つける可能性があるので注意しましょう。
白菜が結球する条件は次の2つです。
この2つの条件を同時に満たすと、芯に近い内部の葉は光が当たらなくなり生長が緩慢になります。反対に外葉はよく光合成して育つようになるので、内部の葉が芯部分につまっていきやがて結球していくので、このような仕組みで白菜ができます。
つまり白菜が結球しない、葉が巻かない原因の多くは「外葉の成長不足」か、「種まきもしくは植え付けが遅い」ことにあります。
種まきや植え付けのタイミングが遅くなると、気温が15度前後のときに外葉の枚数が足らず、うまく結球しません。白菜は気温が12度ほどを下回る10月中旬以降になると、葉の分化が終わって新しい葉は生まれにくくなるので、この時期までに必要枚数の葉を生長させる必要があるのです。
また、適切な時期に種まきや植え付けをしていても、肥料が足らず外葉の生長が遅かったり、病害虫の被害にあっていてきちんと光合成できる状態でないと結球しません。
種まきや植え付けの時期は早すぎると軟腐病にかかったり、遅すぎると外葉の生長が間に合わず結球しないので、かなり限定的です。
正しい種まき時期を見極めるには、育てる品種の結球する時期と、その地域の気温を逆算して考えるといいでしょう。
たとえば60日採りの早生種はおよそ25〜30日程度で結球しはじめる時期になります。そのため、25〜30日後に気温が15度程度になるタイミングで種まきする必要があるので、関東の10月下旬の平均気温が15度ですから、9月下旬に種まきをします。
また、90日採りの中生種であれば、だいたい45〜50日程度で結球し始めるので、逆算すると9月の上旬までに種まきしなければいけません。同じ考え方で100日採りの晩生種であれば8月下旬が目安ですね。
白菜は「肥料食い」とも言われるほど、他の野菜の2〜3倍は追肥が必要な野菜です。
肥料の項目をよく確認して、定期的に追肥していきましょう。こうすることで葉がよく生長して結球期までの必要枚数に達します。
市販には葉菜専用の化成肥料もありますし、なかなか生長が遅いというときには速効性のある液肥に切り替えてみるのもおすすめです。
外葉がきちんと生長していても、害虫が原因で虫食いだらけになっていたり、病気を起こして光合成する力がなくなると、結球するときのエネルギーを生み出せず、まとまっていきません。
アブラナ科の白菜は比較的害虫がわきやすく、とくにアオムシやダイコンハムシに気をつけたいところです。これらは成虫が卵を生みつけて繁殖するので、種まき後の早い段階で寒冷紗や防虫ネットをかけておくと、成虫が入り込めないので予防になります。
またとくにアブラナ科の野菜を連作することで起きやすくなる根こぶ病や、土壌の窒素が多すぎると発生しやすくなる軟腐病にも気をつけましょう。
株間をきちんとあけて植え付けをすると、外葉が生長してのびたときにまんべんなく光があたって光合成しやすくなったり、風通しがよくなるので病害虫の予防にもなります。
たくさん収穫しようとして株間をつめすぎると、逆にほとんど枯れてしまったとか、ほとんど結球しなかったということもおきるので、きちんと40〜50cmほどはあけましょう。
白菜の収穫は早生種なら種まきから60日前後、中生種・晩生種なら種まきから100〜120日前後で収穫できます。
時期でいうと11月下旬〜翌年の1月下旬ごろです。収穫の目安は結球部分を上から押してみて固くしまっていれば、収穫のサインとなります。
中生種や晩生種の白菜は12月中旬以降の寒い時期までに収穫が伸びることが多いです。その場合は、白菜が寒さで枯れないよう保存して越冬させる必要があります。
しおれた下葉を結球部分の頭に2〜3枚重ねるか、外葉で結球部分を包んで紐で縛るか、不織布を被せておくといいでしょう。
アブラナ科である白菜のコンパニオンプランツはキク科のレタスです。
コンパニオンプランツとは、一緒に育てると害虫の忌避効果に繋がったり、特定の病気を予防する効果がある、いわば相性のいい野菜のことです。
レタスはアブラナ科に発生しやすい、モンシロチョウやコナガを遠ざける効果があるので、プランターなら隣りに並べて育てたり、畑なら混植して育てると効果的です。
白菜によくでる黒い斑点は病気ではなく、生理障害であって、食べても問題ありません。
ゴマ症ともよばれるこの生理障害は、おもに窒素過多によってポリフェノールの色素が合成されておきます。ほかにも気温などの栽培環境が要因となりますが、どの場合でも味などの品質が劣るということはありません。
そもそもポリフェノールは抗酸化作用がある赤ワインなどにもよく含まれている成分であり、とくに人体に影響があるわけでもないので、安心して召し上がってください。
惜しくも結球しなかった白菜、捨てることはありません。比較的葉が硬くはなりますが、結球しなかった白菜も食べられます。
よく煮たり、しなしなになるまで炒めれば美味しくいただけます。一般的な白菜よりもよく火を通して料理するようにするといいですよ。
白菜の栽培のコツは、種まき時期と肥料、そして病害虫に注意することです。プランターであれば小生種などが手軽に育てられるので、ぜひ家庭菜園で白菜の栽培を楽しんでください。
GreenSnap編集部