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豆腐や納豆など日本の食生活に欠かすことのできない大豆。今回はその大豆の栽培方法を紹介していきます。
大豆を育てるときは、日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。また、大豆の生育適温は20~25℃といわれています。
最初に水をたっぷり与えたら、発芽するまでは水やりは控えましょう。水分が多いと大豆の種が腐ることがあるため、その後の水やりは10日ほど雨が降らない場合に行うようにしましょう。
ただし、大豆の花の開花期である7~8月にかけては、土が乾燥しすぎると実入りが悪くなったり、実が落ちてしまったりすることがあります。そのときは、土の表面が白く乾いていたら、たっぷりと水やりしてください。鉢植えの場合は表土が乾いたらたっぷり与えます。
大豆などマメ科の植物は、もともと根粒菌を保有しているため、窒素分を吸収して固定できます。土作りの際に苦土石灰と堆肥は入れますが、元肥は必要ありません。
草丈が20cmほどに生育したら、株元に追肥をして土寄せします。その後、収穫までに2回ほど追肥と土寄せが必要です。追肥の場合でも、窒素分よりもリン酸とカリ分の比率が高いものにしましょう。
大豆は、有機質を多く含む粘土質の弱アルカリ性の土を好みます。保水性があれば、土質はあまり選びません。
大豆をプランターで栽培する場合は、野菜用培養土を用いましょう。家庭菜園の場合は、植え付けの2週間前位には苦土石灰を入れて弱アルカリ性に調整し、その後堆肥を入れてよく耕しておきましょう。
本葉が2~3枚ほどの大豆の苗を植え付けます。
あらかじめ土に育苗ポットと同じサイズの穴を掘っておき、苗のポットの土ごと穴に植えます。大豆の根はとても傷つきやすいのでていねいに取り扱いましょう。上から土を軽くかけてたっぷりと水やりをして完成です。
セルトレイ(またはポット)に種まき用土を入れ、穴に2粒ずつ(ポットの場合は3~4粒)置いて2cmほどの深さに種を植えたら覆土して水をたっぷり与えます。発芽するまで水やりを控え、本葉が3枚に育ったらプランターに植え替えるか畑に定植しましょう。
本葉が出てしまえば、鳥の被害はなくなります。
大豆の増やし方には「種まき」といった方法があります。種まき時期は6月下旬~7月中旬が適期です。
家庭菜園で育てている場合は、幅90cmの畝を立て、黒マルチを敷きましょう。株間は2列、25~30cm間隔で1か所に3粒ずつ種をまきます。覆土を2cmほどしたら水やりをたっぷりしてください。
種をまいたらすぐに防虫ネットや不織布を被せて、トンネルで鳥よけをします。セルトレイやポットで苗を作って本葉になってから植えると対策になりますよ。
大豆の栽培には、剪定や切戻しなどの手入れは特に必要ありません。ただし、収量を増やすためには、本葉が4枚に育ったら摘芯が必要になります。
大豆の栽培時には、白絹病や立枯病、べと病、わい化病、紫斑病、モザイク病、菌核病などの病気に注意しましょう。発生したときは、それぞれ異なる殺菌剤の散布で対応しましょう。
予防策としては、畑の排水性を良くします。土壌pHが低いと病気になりやすいので、苦土石灰でpH6.5程度に酸度を矯正します。連作を避け、株間をあけて通気性をよくすることが大切です。
また、大豆の栽培時にはアブラムシやカメムシ、マメコガネ、、ヨトウムシ、マメシンクイガなどの害虫にも注意が必要です。害虫を未然に防ぐためには、収穫まで防虫ネットをして育てることが大事です。
莢がまだ青く豆が柔らかいうちに、株ごと抜いて収穫すると枝豆です。
大豆を収穫する場合は、そのまま秋の終わりまで栽培を続けます。葉が落ちて茶色く枯れて、莢をふるとカラカラと乾いた音がするようになってきた11月頃に、株ごと抜いて大豆を収穫します。収穫が遅れると、莢がはじけて実が落ちてしまいますので注意しましょう。
収穫した大豆の株をいくつかに束ね、軒下など風通しのよいところに吊るして、莢が完全に乾くまで2週間ほど乾燥させます。乾燥中は莢がはじけて豆が飛び散るので、防虫ネットなどで全体を覆い豆の落下を防ぎます。
豆が完全に乾いたら、防虫ネットに包んだまま棒で叩いて豆を莢から外すか、手で莢から豆をとりだしてください。殻や余分なゴミをより分け、ふるいにかけて細かいゴミをとり、虫食いや傷のある豆をとり除きましょう。
豆は種類ごとに密封できる保存袋に入れましょう。密封包装されたものは風通しの良い冷暗所で保存します。常温でも可能ですが、冷蔵庫の野菜室などを利用すれば最良の状態で保存できますよ。
大豆は、国内だけでも300種類以上もの品種が存在します。大きさや色、極早生から晩生までたくさんのタイプがあるので、栽培場所や種まき時期にあった適切な品種を選びましょう。
初めての方でも育てやすい品種としては、鶴の子大豆、エンレイ、あやこがね、めぐろ王、玉大黒(黒大豆)などがおすすめです。
黄大豆: クリーム色で最も多く栽培されている品種。一般に大豆というとこれを指します。北海道の「ユキホマレ」、東北の「おおすず」、北陸の「エンレイ」、関東の「フクユタカ」、近畿・中国の「サチユタカ」などがあります。
黒豆(黒大豆): おせちの黒豆の材料で、主に煮豆に使われます。「丹波黒」「クロダマル」「のんたぐろ」などの品種があります。黒い皮にはポリフェノールが豊富です。
赤豆(赤大豆):西日本や東北などの一部で栽培され、皮があずきのような赤色で、煮豆の材料になります。
青豆(青大豆):皮が緑色の大豆で、きなこや煮豆に使われます。「青丸くん」「あやみどり」「キヨミドリ」などが有名。青大豆からできたきな粉を「うぐいす粉」と呼び、うぐいす餅を仕上げる材料にもなります。
大豆の栽培を成功させるポイントは、大豆用の品種を吟味して、適期に種をまき、条件のよい時期に生育を合わせることです。
大豆は5月~8月にかけて、紫や白のスイートピーに似た小花を次々と咲かせます。花が咲いたあとには結実し、中に2~3個の豆がはいった莢がつきます。
大豆の花には、「親睦」、「必ず来る幸せ」、「可能性は無限大」といった意味の花言葉がつけられています。
莢の中に大豆の実がなかよく並んで入っていることから「親睦」という花言葉がつけられたのかもしれませんね。
また、節分の豆撒きのように、大豆には昔から病気や邪気を払う効果があるとされてきました。節分に齢の数だけ炒り大豆を食べると、今年1年も健康で過ごせ「必ず幸せ」がやってきそうですね。
いかがでしたか。大豆は栽培が難しそうに思われがちですが、ポイントさえ押さえれば、家庭菜園などで簡単に育てられる野菜のひとつです。夏に若い未熟なものを収穫すると枝豆、秋に収穫すると大豆、として1年に2度の収穫の楽しみがあるのも大豆の特長です。自家製大豆でしか得られない美味しさと収穫の感動をぜひ経験してみてくださいね。
※トップ画像は(´༎ຶོρ༎ຶོ`)さん@GreenSnap
GreenSnap編集部