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トウモロコシは荒地でも育つほど丈夫な野菜ですが、家庭菜園で育てる場合は人工授粉や支柱立てなど、少々手間がかかります。ただ、栽培自体は簡単ですので、初心者でも育てることができます。今回は夏にほのかな甘みを楽しませてくれる、トウモロコシの育て方についてご紹介します。
トウモロコシの収穫には受粉が必要です。雌穂と雄穂を数本ずつ育てて、家庭菜園では人工受粉で受粉させます。その際に、異なる品種だと交雑しやすいので、同じ品種のトウモロコシを植えるようにしましょう。
トウモロコシは高温で日光をとても好むので、直射日光が当たるような場所で栽培するようにしましょう。日陰は嫌うので、日の当たりやすい南北の方角で育てるのがおすすめです。栽培適温は25〜30度です。
トウモロコシは根をまっすぐ深く張るので、10号以上の大きめの鉢で一株、もしくは深さ30cm以上の大きめのプランターを使用するといいでしょう。
鉢植えやプランターでトウモロコシを育てる場合、表面の土が乾いたらたっぷりと水をあげます。開花期から収穫までは、水やりの回数を増やすというより、一回の水やりの水量をふやしてあげてください。
地植えでトウモロコシを育てる場合、雨が降らずに土が乾燥している状態が3日ほど続くようなら、水やりをします。開花期以降の収穫までは、1回にあげる水の量を増やして、土が軽く湿った状態を保つようにしましょう。
トウモロコシは直根性で根を深く張るので、耕土は深めにつくります。土壌酸度はpH6.0〜6.5ほどの中性に近い弱酸性を好みます。
鉢植えやプランターでトウモロコシを育てる場合、用土の配合は赤玉土小粒7:腐葉土2:バーミキュライト1に苦土石灰を10Lあたり10g、緩効性化成肥料を20gほど混ぜ合わせておきます。市販の野菜用培養土を使うのもいいでしょう。
地植えでトウモロコシを育てる場合も、種まきの2週間前までに弱酸性の土壌にしておきましょう。苦土石灰を1㎡につき100gほどまいてよく耕します。その1週間後、1㎡につき堆肥を2kg、緩効性化成肥料を100gまいて、よく耕しておきましょう。
トウモロコシの種まき時期は、早生種なら4月下旬〜5月上旬に行います。発芽温度は25〜30度ですので、暖かさが安定したら種まきをしましょう。根が弱いので、直まきのほうがおすすめです。
鉢植えでトウモロコシの種をまくときは、鉢の中心に深さ2cmほどのくぼみをつくり、そこ重ならないように3粒ほど種をまいて、土をかぶせます。プランターの場合は間隔を20cmほどあけて種まきしましょう。
トウモロコシ栽培の畝づくりは、高さ15cm、幅90cmで2条植えが基本です。まず、黒マルチを畝に張り、30cmの間隔をとって植え穴をあけていきます。植え穴は350mlの空き缶をギザギザに切ったものを使って開けていくといいでしょう。
マルチに穴をあけたら、それぞれの穴から土を2cmほど掘り取り、そこへ3粒ほどの種を重ならないようにまいて、土をかぶせます。
トウモロコシの種まき後は水やりをして、土を乾燥させないように管理します。発芽までの日数は7日〜10日ほどです。発芽したあとすぐは鳥の被害にあいやすいので、寒冷紗をかけるなどして予防しておきましょう。寒冷紗は2回目の間引きまでつけておくといいです。
また、トウモロコシを植えてから収穫までの間に2回ほど間引きを行いましょう。間引きの際は、生育のいい方を残して、間引きしたい株を根元からハサミで切り取ります。
1回目の間引きは草丈10〜15cmほど、本葉が1〜2枚がでた、5月上旬〜中旬ごろの時期に2本立ちにします。2回目の間引きは草丈が30cmほど、本葉が4〜5枚でた、5月中旬〜下旬ごろの時期に1本立ちにします。
トウモロコシの肥料は、植え付け時の元肥のほか、追肥として2〜3回施肥します。トウモロコシは野菜のなかでも1、2を争う肥料食いとも言われているので、しっかり施肥をして、良作につなげましょう。
1回目の追肥は、5月中旬〜下旬の2回目の間引きが終わった直後に施肥をします。畝の脇側のマルチを少し外して持ち上げ、畝の両脇に1㎡あたり20〜30gほどの化成肥料を均一に巻いていきます。指先で土をほぐしながら混ぜ合わせ、株元に土を寄せて、マルチをもとに戻します。
2回目の追肥は5月下旬〜6月上旬です。同じようにマルチを少しめくり、畝の両側に化成肥料をまいていきます。株の育成を見ながら、その1ヶ月後の6月下旬〜7月上旬に3回目の追肥をしてもいいでしょう。
黒マルチは草丈50cmを目安に、2回目、もしくは3回目の追肥のタイミングで剥がしましょう。
トウモロコシは成長にしたがって、不定根と呼ばれる株を倒れにくくする根が、茎の根元部分から生えます。二回目の追肥の際に、株元に小高く土を盛って土寄せをすることで不定根が増え、株がより安定します。
また、トウモロコシは一株につき一つのしか収穫できないため、6月下旬〜7月中旬に生えてくる余分な脇芽(雌穂)を整理ておくと良いでしょう。
基本的には一番上についた雌穂を残し、下の部分の雌穂は、根元から折り取るかハサミで剪定します。もし一番上の雌穂の生育が悪い場合は、一番大きい雌穂を残しましょう。取り除いた雌穂はヤングコーンとして、サラダなどに利用できます。
家庭菜園でトウモロコシ数株のみを栽培している場合、自然には授粉しにくいので、人工授粉が必要です。人工授粉を行う時期は6月下旬〜7月中旬です。
人工授粉は、株頂部にできる雄穂を切り取り、雌穂のヒゲに擦り付けて行います。花粉をしっかりヒゲに付着させて授粉させないと、部分的に粒が抜けたり、不揃いのトウモロコシになってしまうので、注意してください。
トウモロコシはアブラムシやアワノメイガの幼虫の被害にあいやすいです。アブラムシ対策には、銀ライン色のマルチが有効です。アワノメイガは雄穂がで始めた時期から7日間間隔で散布することで、防除につながります。
トウモロコシの収穫は7月中旬〜8月中旬です。雌穂のヒゲが茶色く枯れてきたら、それが収穫のサインです。手でつかんで、折り取るように収穫してください。
トウモロコシは収穫してから、すぐに鮮度、甘さが落ちていきます。保存する場合は、枯れたヒゲ部分を切り落として、皮は剝がずに1本ずつラップに包んで冷凍してください。一ヶ月ほど保存可能です。
トウモロコシはイネ科の野菜で、炭水化物のほか、ビタミンB1、B2、Eや各種ミネラルが豊富にあることから、栄養バランスの良い食材といえます。
トウモロコシにはいくつかの品種がありますが、特にスイートコーンは甘みが強いため人気です。
トウモロコシの花言葉は「財産」「豊富」などです。ぎっしりと並んだ黄色に輝く、粒から連想された花言葉とされています。
家庭菜園でのトウモロコシ栽培のコツは、人工授粉と、雌穂の整理です。その他、害虫や鳥害対策も行いながら育てるといいですよ。トウモロコシの影に陰性の小松菜などの野菜を混植するのもいいかもしれません。トウモロコシ栽培のコツを覚えて、家庭菜園を楽しみましょう!
GreenSnap編集部