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食べることもでき、薬としても使うことができるキンカンは、ミカン科キンカン属に分類される植物です。ビタミンCやカルシウムたっぷりのキンカンについて、今回は育て方をご紹介します。
黄色の小さな実を結ぶ果樹「キンカン(金柑、金冠)」は、ガーデニング初心者でも簡単に栽培できるおすすめの植物です。
キンカンは、鉢植えでも、庭で簡単に育てることができます。キンカンに適した環境は、年間の平均気温が16度前後のところです。
地植えでキンカンを育てるなら、暖かい地域が良いでしょう。寒い地域でキンカンを育てたいならば、鉢植えでの栽培となります。鉢植えの場合は、気温に応じて、置く場所を考えながら育てていきます。
ただしマイナス5度を下回るような気温になったら、注意が必要です。気温が低いのが続くと、枝が枯れはじめます。
地植えの場合は、雨水でそれ以上に水をあげる必要はありません。鉢植えの場合は、表土が白く乾いた時に、たっぷりあげましょう。もちろん、地植えでもあまりにも日照りが続いた時は、水を与えます。
キンカンは肥料を必要とする植物で、成長に影響します。肥料を与える時期は、2月と7月~9月頃です。
地植えの場合は、肥料をあげることで、年間の健康維持にも役立ちます。有機肥料を与えてあげましょう。
鉢植えの場合は、緩効性肥料を2月に与えます。2月は新芽のために栄養になるように与えます。7~9月は、有機肥料を与えます。この時期の肥料は果実のためです。
肥料はメーカーごとのパッケージをよく読み、与えすぎに気をつけましょう。
肥料は果樹専用のものが市販で販売されていますので、それを与えても問題ありません。与えすぎが心配な場合は少量から試していきましょう。
キンカンは、水はけの良い土を好みます。
鉢植えで育てる場合は、水はけを良くするために底に石を敷きます。土は、赤土(小粒)5:腐葉土3:鹿沼土2に粒状肥料を少量混ぜてあげると良いでしょう。
庭で育てる地植えの場合は、用土を気にすることなく日当たりの良い場所を選んで上げると良いでしょう。
病気に関しては気にすることはありません。
害虫は、すす病の原因となるカイガラムシに気をつけましょう。たまに果実が黒くなっていたり、葉に黒点が付いているのを見ることがあります。あれが、すす病です。このすす病の原因となるのがカイガラムシといわれています。
予防は、風通しをよくすることです。葉が密集したりするとカイガラムシが多発する環境は風通しが悪い場所です。予防対策以外の対処方法は、カイガラムシを見つけたらすぐに駆除することです。
キンカンの植え付け・植え替えの最も適した時期は、3月下旬から5月上旬です。気温が暑くなりすぎる前に行うのが良いでしょう。
キンカンは暑さに強く、寒さにも比較的強いといわれているため、秋にも植え付け・植え替えはできます。しかし春植えが一般的です。
植え付けのときは、直径40㎝から50㎝前後の穴をつくり、そこに苗を植えます。水はけが良く、風の強く当たらない、日当たりの良い場所で地植えをします。鉢の場合は、置く場所を気をつけます。浅く植えてあげるのがポイントです。支柱を指してあげるのを忘れないようにします。
鉢植えでの植え替え目的は、育った苗が根詰まりを防ぐためということと、葉が密集して、風通しが悪くなることを防ぐためです。キンカンの成長にもよりますが、2年に一度を目安に、鉢を大きいものへと交換します。
地植えの場合は、植え替えはなくて問題ありません。
キンカンの増やし方は「接ぎ木」が一般的です。
種からの発芽率は悪くないので、果実から種をとって育てることもできますが、品種的に親株より劣ったキンカンができてしまいます。そのため、キンカンの種まきはあまりお勧めしません。
接ぎ木は「休眠枝接ぎ」あるいは「芽接ぎ」で増やしていきます。
春先に行う接ぎ木のことを休眠枝接ぎと呼びます。キンカン以外にこの方法で増やして行く樹木にはぶどう、キウイ、ブルベリー、いちじくなどがあります。芽接ぎは夏の終わり、8月下旬に行う接ぎ木の一種です。
キンカンの木を傷つけないよう、できれば剪定ばさみを使うのがおすすめです。植え替えのときや接ぎ木をつくるときにも役立ちます。
地植えの場合は、剪定を頻繁に行うことはないでしょう。
鉢植えは成長が早いので、剪定をする機会が多くなります。一般的に剪定の時期は、3月から5月の間に行われます。この時期は、キンカンに果実が実っている時期と重なります。
キンカンは世話を頻繁にしないといけない樹木ではありませんが、葉が生い茂ると病気になりやすくなります。庭でキンカンを育てている場合は、枝や葉が生い茂らないよう、キンカンの木を整え、風通しを良くしてあげましょう。
手入れをする時期は、新しい木が出てくる活動期前です。古い木をきって、整えましょう。太い木を切ったときは、切り口から病気になる場合があります。それを防ぐために、殺菌剤などを塗布しておきます。
キンカンは、比較的にたわわに実がなりやすい樹木です。放置しておくとたくさんの実がなりますが、サイズが小さくなりがちです。もしも、適度な大きさのキンカンを収穫したい場合は、9月頃に傷のついたキンカンや、サイズの小さなものを摘果しておきます。
キンカンは2月から5月頃にかけてが収穫時期です。甘さが出てくるのは、3月ごろのキンカンです。鉢植えの場合は、室内の温かいところに置くと甘さを増します。
キンカンは実ったら剪定ばさみやキッチンばさみなどで収穫しましょう。手でも摘み取れないわけではありませんが、実に傷が付きやすくなってしまうので注意してください。
キンカンの実を放置すると、木が傷んでしまうので、なるべく塾仕切る前に収穫しましょう。
キンカンは、夏の暑さにも強いだけでなく、寒さにも比較的強い柑橘系の樹木です。
地植えの場合は、関西以南や東北でも日当たりなどがよい場所で、鉢植えで育てる時は、水はけのよい土にうえてあげ、夏に乾燥させないことで、簡単に育てることができます。
また、肥料を好む樹木なので、特に成長期には肥料を絶やさないように注意して育てると良いでしょう。
キンカンは四季咲きのため、春・夏・秋の時期に、小さな白くい花を咲かせます。開花時間は数日程度と短めです。
金柑は、鑑賞用として栽培するだけでなく、食用、薬用としても利用ができる樹木です。実がなったら、そのままもぎ取って生のまま食べでも柑橘系特有の爽やかな味わいを愉しむことができます。
たくさん実った場合は、蜂蜜に漬けたり、甘露煮にしたりして保存します。金柑には他の柑橘類同様に多くのビタミンCが含まれています。また、皮ごと食べることができる金柑には、皮の部分に含まれている栄養素に、発がんを抑制する効果や、血流改善効果ががあると言われています。
春先に黄色の実をつけ、季節を感じることができるキンカンを、ぜひ地植えや鉢植えで楽しまれてはいかがでしょう。
※トップ画像はtrekkさん@GreenSnap
GreenSnap編集部