warning
error
success
information
花色が豊富なクリスマスローズは、冬の時期に見頃を迎える多年草の草花です。正しく植え替えをすれば毎年の開花が楽しめ、一緒に株分けもすれば増やすこともできますよ。
今回はクリスマスローズの植え替えや株分けの方法について、失敗しないコツをふまえながらご紹介します。
クリスマスローズはある程度成長すると植え替えが必要となります。そもそも植え替えはなぜ必要なのかというと、鉢植えなど限られたスペースで育てていると、根が窮屈になってしまうからです。
根が伸びるスペースがなくなると、根詰まりしたり、根腐れしやすくなり、枯れてしまうこともあり得ます。
また、同じ鉢で育てているということは土も同じということになりますが、その土はもともとあったはずの栄養分や、水はけの良さが失われた状態になってしまいます。
とくにクリスマスローズは水はけのいい土を好むので、そのまま育てると花が咲かなくなる可能性もあります。根の成長や土が古くなったタイミングで鉢や土を新しくする必要があるため、植え替えをしなければいけないのです。
クリスマスローズの植え替えの頻度は、だいたい1〜2年に1回です。とはいえこれは目安ですので、次のような状態であれば植え替えのサインだと思いましょう。
クリスマスローズは多年草のため毎年花を咲かせ、何年も育てていると徐々に株が大きくなっていきます。
植え替えをすれば枯れることはありませんが、大株のまま育てていると株の中心部が蒸れてしまい、中心部だけがはげたように枯れ込むことがあります。
そのような状態にさせないためにも、8号サイズより大株になったクリスマスローズの場合は、植え替えと一緒に株分けもするといいです。株を半分にわけて別の株として育てるので増やす意味合いでもおすすめです。
クリスマスローズの株分けは、10月~11月頃に行うのが適しています。もしくは気温が上がり徐々に暖かくなる3月~4月の春頃に植え替え・株分けを行ってもいいでしょう。
とくに北海道や東北地方などの寒い地域では春先の作業がおすすめです。植え替えや株分けした後に土が凍ってしまうと生育に影響が出る恐れがあるため、育てる地域によって時期を変えましょう。
クリスマスローズは毒があり触るとかぶれることもありますので、手袋を着用してください。このほか、園芸シートなどがあると後片付けが楽になります。
クリスマスローズは草花の中でもとくに水はけのいい土を好む性質があります。植え替えのときには市販にクリスマスローズ専用の培養土があるので、そちらを使うのがおすすめです。
もしすでに持っている草花用の培養土を使いたい場合は、水はけをよくするために、2割ほど川砂か軽石小粒、もしくは日向土小粒を混ぜるようにしましょう。
最初から配合したい、微調整したいという場合は、元肥も含めて下記のような比率で混ぜましょう。
Photo by shigeさん@GreenSnap
新しい鉢に鉢底ネットを敷いて、底が見えなくなるまで鉢底石を敷き詰めましょう。水はけをよくする効果があります。なお、スリット鉢の場合は土は必要ありません。
土を鉢の中に1/3ほど入れたら、株を取り出す前にそのまま株を鉢に入れてみて土の高さを確認しましょう。
株の根鉢(土と根のかたまり)の肩が鉢のフチ下2〜3cmの位置にくるように、土をいれて高さを調整してください。
Photo by shigeさん@GreenSnap
鉢から株を取り出して、根鉢の下の方を千枚通しを刺しながら1/3ほどほぐしましょう。白い根は新しい根なのでなるべく傷つけないように作業してください。黒い根は古い根ですが、自然と取れるので無理に切り落とさなくても大丈夫です。
Photo by テセウスさん@GreenSnap
また、ポット苗を植え替えるときや株分けをしたい場合は、育苗用の肥料や雑草の種が混入していることがあるので、水を張ったバケツに根ごと沈めて土を全て洗い落とす方法もおすすめです。
根を整理したら、大株の場合はこの時点で株分けをしましょう。詳しい方法は次の項目を確認してください。
Photo by テセウスさん@GreenSnap
鉢の真ん中に株をいれたら、隙間に土をいれていきます。ときおり鉢の側面を叩いたり、菜ばしを挿して中でぐるぐると回すようにして、土が詰まるようにしてください。
土の量は鉢のフチ下2〜3cmまでを目安にいれると、水やりしたときに上から水があふれなくなります。深植えすぎても浅植えすぎてもよくないので、茎が分岐している部分がぎりぎり土に埋まるイメージで植えましょう。
苗を植えたら明るい日陰において、翌日になったら仕上げに鉢の底から流れ出るまで水やりをしてください。
クリスマスローズを株分けするときは、土をできるだけ落として芽から伸びた根を見極めながら作業しましょう。一株につき5芽を目安にして、自然と分岐した部分を探してください。
芽の付け根より1cmくらい下を目安に、芽と芽の間の分けられそうな部分にカッターかナイフを差し込んで分割します。場所を間違えてしまったら差す場所を変え、無理なく分かれたところで分割するのがポイントです。
あまり小分けに株分けしすぎると回復が遅れることがあるので、5芽以上、すくなくとも3芽以上でわけるといいですよ。
分けた後は植え替えと同じように新しい鉢に植えましょう。地植えにしたい場合はこちらの記事を参考にしてください。
どうしても失敗したくない、植え替えや株分け作業が不安!という方には、根にハイフレッシュなどの粉末状ケイ酸塩白土をまぶして植えるといいですよ。
ケイ酸塩白土には根や植物全体の抵抗力をあげて病気にかかりにくくするほか、発根促進の効果もあります。
植え替えや株分けでは、根の傷から病原菌が入らないこと、発根して根付くことが大切なので、ケイ酸塩白土があると格段に失敗しにくくなります。
クリスマスローズの植え替え・株分け直後は、まだ根がしっかりと安定していません。風が当たる屋外には置かず、室内の明るい日陰で様子を見てください。
また、市販の培養土には元から、自分で配合する場合も緩効性肥料を元肥として与えているので、追肥は1〜2ヶ月後から始めれば問題ありません。
クリスマスローズを増やすためには株分けがとても大切な作業です。木が充分に生長し、最適な時期になれば株分けしてどんどん増やしていきましょう!
GreenSnap編集部