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元気な観葉植物を育てるのに大切な土選び。100均などの市販の培養土も便利ですが、観葉植物の種類や栽培する環境によって、土の配合を変えることで、より健康に育てることができます。
また、観葉植物には定期的な土の入れ替え作業も必要となりますので、好ましい土質を理解しておくことも大切です。
今回は、そんな観葉植物の土の作り方や配合例などのほか、カビや虫への対策についてもご紹介していきます。
観葉植物を元気に育てるためには、ほとんどの場合、2〜3年に1度のペースで土を入れ替えてあげる必要があります。
それは、ずっと同じ土を使い続けていると土の粒が細かくなり、水はけが悪くなってしまうからです。水はけが悪くなると、根腐れなどを引き起こす原因となります。
土の性質を保つためにも、定期的に土は入れ替えてあげるようにしましょう。
植物が成長する上で欠かせないのは、「水」と「日光」と「栄養(肥料分)」です。ただしほとんどの観葉植物においては、多くの栄養を必要としません。
その代わり、以下のような性質をもった土を使い、効率よく栄養を吸収する必要があります。
前述にもある通り、特に排水性は、観葉植物を元気に育てる上でとても重要となります。
市販の土を購入する場合は、観葉植物専用につくられた「観葉植物の土」を選ぶと良いでしょう。なお、市販の土の選び方については後述(こちら)をご参照ください。
もしご自分で土を配合する場合は、上記の条件を満たした「団粒構造をもつ土」をつくるのがおすすめです。
団粒構造とは、大きさの違う大小の粒が団子状に集合体(団粒)を形成して、集まっている状態の土のことをいいます。
団粒の中にはわずかなすき間があり、そこで必要な分の水分や肥料を保つ一方で、団粒と団粒の間から余分な水を排出し、そこから空気も通る、という構造です。
観葉植物が好む「団粒構造をもつ土」は、「基礎用土(主体となる土)」と「改良用土(植物の特性や環境に合わせて補う土)」と呼ばれる、いくつかの種類の土を配合してつくります。
観葉植物の土に使われる、代表的な用土の種類をご紹介します。
おもに関東ローム層で採取される赤土を、乾燥させて大粒、中粒、小粒などに振り分けたものです。栄養分は含みませんが、無菌で清潔。保水性、排水性、保肥性にも優れています。
栃木県の鹿沼市で採取される、赤城山が噴火したときできた軽石が風化したものです。赤玉土と同じような性質ですが、崩れにくいので水やりで土が減りません。
混ぜすぎると土壌がアルカリ性に傾くので、少量を調整して使います。
おもに広葉樹の落ち葉を腐熟させたものです。栄養分を含み、腐葉土に含まれる微生物が、土壌の団粒構造化をうなしてくれます。
ミズコケを泥炭化したピートモスと置き換えができます。
苦土蛭石(くどひるいし)という鉱物を、700度以上の高温で焼いて膨張させたものです。栄養分は含まないので、無菌で清潔。排水性や保肥力を向上させます。
似た性質の資材にパーライトがありますが、こちらのほうがやや保水性を高めます。
観葉植物の土は、だいたい「基礎用土:改良用土=6:4(7:3)」の割合で土を配合するのが好ましいとされています。
基本の観葉植物の土づくりは、下記の配合で行われます。
ちなみに、室内で育てる観葉植物なら、腐葉土を無菌のピートモスに置き換えると、虫が発生しにくい土づくりができますよ。
また、育てている観葉植物の種類や性質によっても、おすすめの土の配合比率は異なります。
サンセベリアなどの乾燥地帯出身の観葉植物は、排水性と通気性の高い土を好みます。その場合は、下記の土の配合を参考にしてください。
クワズイモなどのサトイモ科や、アジアンタムなどのシダ類の観葉植物は、保水性と通気性の高い土を好みます。次の土の配合を参考にしてください。
吊り鉢やハンギングバスケットなどで観葉植物を育てる場合は、軽い用土にする必要があるので、下記の配合を参考にしてください。
観葉植物用に基礎用土と改良用土がすでに配合された、市販の「培養土」もたくさんあり、初心者の方はこれらを選ぶのもおすすめです。
市販の培養土を選ぶときは、いくつか下記の点に注意しておきましょう。
観葉植物にも、好む土壌のタイプが変わるので、品質表示を確認して配合原料の確認や、適用植物の確認をしておきましょう。また、メーカー名や連絡先の記載がある信頼性の高いものを選ぶと、トラブルも少ないです。
観葉植物の市販の培養土を選ぶときは、肥料の配合の有無を確認しておきましょう。元肥が配合されていない場合は足したり、育苗に使うのであれば赤玉土を混ぜて、栄養を薄めて使いましょう。
土の粒は大きいほど水はけがよく、小さいほど保水性が高いです。観葉植物を植えるときは、粒の大きさは大型の観葉植物なら中粒、ミドルサイズやテーブルサイズの観葉植物なら小粒がおすすめです。
観葉植物の土には「evoみどりが鮮やかになる土」がおすすめです。木質堆肥、ココナツファイバー、パーライト、バーミキュライトなどの無菌資材を使っているので、カビにも虫にも強く、室内で観葉植物を育てる土には最適です。
最近ではダイソーやセリア、キャンドゥといった100均などにも、観葉植物の土として培養土が販売されています。
商品やメーカーによって異なりますが、肥料が含まれていなかったり、赤玉土と腐葉土だけで構成された単純なものもあるようです。
心配な場合は、パーライトやバーミキュライトを追加で混ぜたり、緩効性肥料を元肥として加えて使いましょう。
観葉植物にあった土を準備したら、いよいよ入れ替え作業に取りかかります。観葉植物が成長期を迎える前の時期、もしくは植え替えのタイミングと同時に行いましょう。
土の入れ替え手順については、以下の通りです。
観葉植物を育てる場合は土を使用するので、どうしても虫など病気や害虫が発生することがあります。観葉植物の土の病害虫対策についてご紹介します。
観葉植物の土には白いふわふわしたカビがつくことがあります。カビは目に見えない大きさの胞子を飛ばして増えます。カビそのものを根絶することは難しいので、観葉植物の土で増やさないようにすることが重要です。
カビが好む環境は暗くてジメジメした場所です。観葉植物の土の通気性が悪いとカビやすいですので気を付けましょう。水のやりすぎ、肥料の与えすぎでもカビが生えます。
一部の土では加熱処理済みでカビが繁殖しにくいようにできているもありますが、気になる場合はカビ対策がされている加熱済みの土を選んでください。
観葉植物の土にはコバエがわくことがあります。こちらもカビ同様、ジメジメして水分が多いと増えてしまいます。また、栄養価の高い土(とくに腐葉土)の場合も虫が増えやすいです。
腐葉土は量が多いと虫が出ることもあるので、気になる場合は鉢の置き場所を変えるか、腐葉土を使わずにピートモスに置き換えるようにしてください。また加熱処理された土であれば、虫がでにくくなるのでおすすめです。
観葉植物や多肉植物、野菜など、植物の種類によって好む土は異なります。何も考えずに庭の土に植えれば良いわけではありません。適した保水性、水はけの良さ、栄養分の土を選ぶことが大切です。
迷ったら観葉植物用の土を園芸店で購入してみましょう。慣れてきたら自分でブレンドした土で観葉植物を育ててみてくださいね。
GreenSnap編集部