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バーミキュライトといえば、育て方を調べるとよく用土の欄で書かれていたり、ホームセンターでは、用土・肥料コーナーでよく見る、園芸資材の一つです。さまざまな使い方ができるので、持っておくと重宝します。
今回は、バーミキュライトとはどんな土か、どのような効果があり、どのように使うのかについてご紹介します。
バーミキュライトとは苦土蛭石(くどひるいし)という鉱物を、700度以上の高温で焼いて、アコーディオン状に膨張させたものを、細かく砕いたものです。原産地によって異なりますが、ゴールド、シルバー、ホワイトなど、キラキラと光沢のある見た目をしています。
バーミキュライトは園芸資材の分類のうち、赤玉土や腐葉土などのベースとなる基本用土に対して、その性質を補う改良用土(無機物)・調整用土に分類されます。
なお、バーミキュライトはマグネシウムやカリウム、鉄分などの植物の成長によいとされる成分を持っていますが、ごく微量である上に、水分や土に溶け出すことはないので、肥料効果はありません。
バーミキュライトには保温性と保肥性をよくする効果があります。これはバーミキュライトの構造が多孔質の多層構造であり、そこへ空気や水分、肥料を溜め込むためです。基本用土に混ぜると、保水性と排水性のバランスのとれた、保肥性の高い用土がつくれます。
バーミキュライトはその多孔質の空洞のなかに空気を溜め込むので、熱を伝えにくい、熱を逃しにくいという特徴をもちます。四季の気温差が激しい日本での栽培において、夏は熱くなりすぎず、冬は冷えづらいという、植物にとって良い環境を保たせてくれます。
バーミキュライトは多孔質で多層構造であるので、体積に対しての重さは、一般的な土と比べても10分の1ほどにしかなりません。バーミキュライトを用土に配合することによって、用土を軽くできるので、ハンギングなどで育てる場合に便利です。
バーミキュライトは高温で熱処理されているため、無菌状態になっている人口用土です。無菌状態だと病害虫の発生率が低くなるので、種まきでの育苗用培養土として、挿し木を育てる培養土として使用することが可能です。
バーミキュライトと特徴が似ていてる園芸資材に、パーライトがあります。
パーライトには黒曜石系と真珠岩系の2種類ありますが、バーミキュライトと比べて黒曜石パーライトのほうが「排水性」がよく、バーミキュライトに比べて真珠岩パーライトのほうが「保水性」がよいという違いがあるので、育てる野菜や、日頃の管理によって使い分けるようにしましょう。
例えば、保水性を好む多くの野菜や、こまめに水やりできない管理方法のときには、保水・保肥性をあげるバーミキュライトか真珠岩パーライトを使い、排水性を好むトマトや、こまめに水やりをする管理方法の場合は黒曜石パーライトを混ぜるようにしましょう。
とはいえ、バーミキュライトは土質をバランスよく整えてくれてパーライトより扱いやすいため、一般的に培養土に使われるのはバーミキュライトのほうが多いです。
バーミキュライトを畑や庭の土・花壇の土壌改良を目的として使う場合、その配合は、掘り起こし畑の土6:腐葉土2:バーミキュライト2の割合を目安に混ぜ合わせて使うといいでしょう。
なお、このとき基本用土と土の粒の大きさを合わせることにより、バーミキュライトの特性を十分に発揮できます。
バーミキュライトを野菜や草花のプランター栽培に使う場合、その配合は赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト1の割合を目安に混ぜあわせ、規定量の緩効性化成肥料、もしくは有機質肥料を加えてください。
また、排水性を求めるサボテンや多肉植物の土にも使えます。こちらも赤玉土の粒のサイズとバーミキュライトの粒の大きさは揃えるといいでしょう。
バーミキュライトは無菌かつ、適度な保水力をもつので、種まき・育苗・挿し木の用土に向いています。用土は全て新しい清潔なものを使用し、配合は赤玉土(小粒)4:バーミキュライト4:ピートモス2の割合で用意しましょう。
水耕栽培をするとき、バーミキュライトを培地として活用して、苗を支えてあげるといいでしょう。保水性がよく、無菌かつ粒が細かめなバーミキュライトは、とくに種が小さい植物・野菜などの水耕栽培の培地に向いています。
バーミキュライトは無菌であり、適度に外気を遮断するので、球根の保存に向いています。とくにユリやダリアなど、掘り上げてから植え付けまでに、一定の期間を要する球根を保存を要する球根や、単に次期まで保存したい球根は、バーミキュライトに埋めて暗所で保存するといいでしょう。
バーミキュライトは園芸店やホームセンター、100円ショップ、ネット販売などで購入ができます。
バーミキュライトの価格相場としては、ホームセンターなら20Lで600〜1000円、5Lが200〜300円を参考にしてください。さらに100円ショップでは2L入りの小さいサイズも販売されているので、使ったことがない場合でも、気軽にお試し感覚で入手できます。
バーミキュライトの特性は、やはり保水性や保肥性、恒温性をあげる点にあります。改良用土の代表的な用土であり、使い勝手もよいので、バーミキュライトをうまく活用して、日々の園芸や家庭菜園にいかしてみてください!
GreenSnap編集部