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サトイモ(里芋)は、ねっとりとした触感の独特な味わいで、芋煮をはじめとした和食の主役になる野菜です。栽培期間はやや長めですが、育て方はかんたんであるため、畑だけでなくプランターで育てることもできるので、初心者の方もぜひ栽培にチャレンジしてみてください。
ここではそんなサトイモの育て方を、栽培する場所、水やり、肥料、土作り、病害虫、植え付け、増やし方、収穫の項目に分けて詳しく解説していきます。
サトイモはサトイモ科サトイモ属の根菜で、東南アジア原産のタロイモの仲間です。
株の中心に親芋と呼ばれる大きめの地下茎がつき、その周りに子芋が複数つきます。種類によって、どこを食すかは異なります。また、サトイモの葉柄はズイキ(芋茎)と呼ばれ、こちらも食用に使われます。
サトイモは日当たりと風通しの良い場所で栽培します。半日陰~日陰でも育ちますが、丈夫な株を育てたいなら日がよく当たるところで育てましょう。
生育に適している気温は25度~30度と高めですが、霜には弱いので注意してください。
サトイモを植え付ける2週間前から土作りを行います。
苦土石灰(くどせっかい)を1平方メートルあたり100グラムまき、よく耕します。
畑全面に追肥を1平方メートルあたり2キログラム、化成肥料を1平方メートルあたり100グラムまき、よく耕します。その後、畝をつくる作業に入ります。
畝の高さは10~15cm、幅は70~80cm程度です。サトイモは45cm間隔で植え付けるので、畝の長さは植える数によって調整しましょう。
里芋の種芋の植え付け時期は、4〜5月頃が適期です。
植え付け方法は、以下の通りです。
ポイントは、種芋はふっくらと形が整っていて、芽が出始めているもの(芽出しイモ)を選ぶことです。
里芋の種芋は、芽が出ていない状態で植え付けても、うまく発芽しないことが多いとされています。そのため、もし種芋の芽が出ていない場合は、芽出しをしておくと良いでしょう。
芽出しの方法は、以下の通りです。
サトイモは乾燥にとても弱く、乾燥してしまうことにより収穫量も減ります。
地植えの場合、普段の水やりはほとんど必要ありませんが、夏の乾燥時期には水やりを欠かさないようにしましょう。プランターで育てる場合は土の表面が乾いたら水をたっぷり与えてください。
サトイモへは、植え付け後に追肥として2回以上与えます。肥料の量と与える手順は、以下を参考にしてください。
1回目の追肥は、5月下旬~6月中旬頃の、本葉が3枚出た時期が目安です。
サトイモの株元から少し離れた場所に、1平方メートルあたり20~30グラムの化成肥料を均一にまきます。少し離れた場所にまくのは、根を傷めないためです。
その後は肥料を埋めるように耕し、株もとにしっかり土寄せをします。土寄せが足りないと子イモの芽が地上に伸び出てしまうため、小さいイモばかりになってしまうので注意してください。
2回目の追肥は、6月下旬~7月中旬頃に行います。
1回目の追肥と同じように、サトイモの株元から少し離れた場所に、1平方メートルあたり20~30グラムの化成肥料を均一にまき、耕して土寄せをします。やはり株もとにしっかり土を寄せてください。
その後は里芋の生育に合わせて、1か月に1〜2回ほど、追肥と土寄せを繰り返しましょう。
サトイモは害虫予防や駆除、乾燥防止、追肥と土寄せなどの手入れが必要です。
害虫予防のため、株元に敷きわらをするかマルチシートを張り、害虫は発見次第駆除します。マルチシートに水たまりができないように畝はしっかりとつくりましょう。
また、乾燥防止のため、夏の乾燥時期には毎日たっぷりと水を与えましょう。土がカラカラに乾いてしまうと回復しないことがあります。
サトイモの収穫時期は10月上旬~11月中旬、子イモが十分に肥大した頃に行います。葉が枯れ始めたら収穫の適期です。収穫は霜が降りる前に終わらせましょう。
サトイモは病害虫の被害を受けにくい植物ですが、アブラムシやヨトウムシの被害を受けることがあります。害虫は殺虫殺菌剤で駆除できますが、収穫する野菜には使うのを控えたいところです。
手間はかかりますが葉を1枚ずつ調べて見つけ次第粘着テープで駆除する方法が良いでしょう。予防として、株元に敷きわらやマルチシートを張り害虫を寄せ付けない環境をつくっておきましょう。
サトイモは種芋を植えて、種まきで増やします。
種芋は収穫したサトイモから選別しますが、食べきれなくて残ったものを使うという方法もあります。前年に収穫しきれなかったサトイモを掘り起こして使う方法もありますが、土の中で上手に越冬できる場合と、凍って腐る場合があるので必ずしもおすすめはできません。
はじめから種芋として選定する場合は、傷みやキズのないものを選びます。このときに親イモと子イモを切り分けずに株全体を保存しましょう。
畑の中で保存するのなら、水はけの良い場所に植え付け時より深い穴を掘って埋めてください。
サトイモ栽培のポイントを以下にまとめました。これらに注意して丈夫な株を育てましょう。
ここではサトイモの育て方を、栽培する場所、水やり、肥料、土作り、病害虫、植え付け、増やし方、収穫の項目に分けて紹介してきました。土や畝の準備さえ整えば、サトイモ栽培はそう難しいものではありません。秋の収穫で土を掘る感触はとても気持ちの良いものです。ぜひ皆さんも収穫の喜びを味わってみてください。
GreenSnap編集部