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エンドウ豆は食卓で見かける緑黄色野菜で、家庭菜園でも親しまれています。エンドウ豆にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、食卓を緑に彩ってくれます。今回は、そんなエンドウ豆の育て方を見ていきましょう。
エンドウは寒い場所を好む一方、暑さには弱い植物です。そのため、気温が15~20度のときが一番栽培しやすい時期といえます。
エンドウを栽培する場所は、水はけがよく日当たりがよい場所が適しています。株元が風通しが悪く、水はけが悪いと根腐れを起こします。
また、エンドウは、同じ場所に植えると連作障害を起こし、生育が悪くなるので、3~4年以上はマメ科植物を育てていない場所で育てましょう。
エンドウは過湿になると根腐れを起こすため、エンドウを地植えしている場合は、根付くまでは水をたっぷりと与えますが、根付いてからは雨水だけにしましょう。ただ、冬や花が咲いたあとに土がかなり乾燥している場合は、暖かい日の午前中に水を与えます。
エンドウをプランターや鉢で栽培している場合は、土の表面が乾いたら水をやります。
エンドウを含むマメ科の植物は、根に根粒菌があるためチッソをつくります。そのため、実を育てるには追肥は多くは必要ありません。追肥をやりすぎると、枝葉が大きくなり実がつきにくくなります。
基本的に追肥は1回目は春につるが伸びて支柱を立てる時期、2回目は、花が咲き始めたころで、3回目はエンドウ豆を収穫が始まるころの3回与えます。
エンドウ豆は、酸性土を嫌い、酸性だと生育不良を起こします。エンドウを畑で植える場合は、2週間までに土壌のPHを整えるために石灰を入れます。目安としては、2週間前には1㎡あたり堆肥を2~3kg、苦土石灰120~150gを混ぜて土を耕します。
1週間前には、完全堆肥を1㎡あたり約1.5kg、化成肥料を約50g、過リン石灰を約30gを施肥してよく耕します。プランターや鉢の場合は、小粒の赤玉土を7割、腐葉土を2割、バーミキュライトを1割に、中性からアルカリ性にするために苦土石灰10gほど混ぜます。
市販の野菜用土は調整されているので、それを使うと手間がいりません。
エンドウを畑に植え付ける場合は、あらかじめ土壌をつくったところに、幅60~120cm・高さ10~20cmの畝をつくります。株間は30cmほど開けましょう。
2列にする際は、列の間も30cmほど開けます。30cmほどの穴を掘って苗を置き、用土を周りに入れて棒で軽くつついてならします。根付くまでは水をたっぷり与えます。
プランターや鉢に植え付ける場合は、深さが20cm以上、幅が60cm以上のプランターか8号以上の鉢を使います。プランターや鉢に軽石を敷き詰め、苗よりひとまわり大きな穴を掘って、そこへ苗を置きます。
土を周りに入れて棒でつついて土と根株をならします。プランターは2、3株植えられます。
エンドウは「種まき」で増やします。暑さに弱いので、種を10月中旬~11月上旬にまいて春に収穫することが適しますが、2月上旬~3月中旬の春まきもされています。
エンドウの種は、ポットで苗になるまで育てる方がうまく育ちます。ポットに種まき培養土を入れ、2~3cmの小さい穴をあけましょう。
種は水に一晩つけて、芽を出しやすくします。その種を穴に数粒ずついれて土を軽くかぶせます。たっぷりと水を与えて本葉がでてきたら畑やプランターなどに植え替えます。
エンドウ豆の葉に白い粉をまぶしたような斑点模様ができたら白いカビのうどんこ病です。低温が続き、乾燥しているときにできる病気で、そのままにしておくとカビが広がり、ほかのエンドウ豆にも移りので、早めに薬剤散布をしましょう。
褐斑病は3~6月の雨が続く時期に発生しやすく、褐色で凹凸の模様が葉や茎、さや、種にできます。これもカビの一種で、早めに薬剤散布をして広がらないように食い止めます。
株の上の方が黄色く枯れていたら立ち枯れ病です。土壌の中にあるカビが原因で、4年以内の連作や酸性土壌のときに起こりやすい病気です。他の株に移る前に薬剤散布します。
葉に白い線を描いたような模様が見られたら、線の先にハモグリバエ(エカキムシ)がいる可能性があります。天敵なので、見つけたら指でつぶします。葉全体に広がっているなら、その葉も処分します。収穫が始まるころに発生するので見つけ次第駆除しましょう。
エンドウは越冬するので、冬には防寒が必要です。防寒対策には株元にもみ殻パークやわらを置くか不織布で覆います。ただ、わらからつるが出てくると、寒さで枯れるので2月には、株元に堆肥などを敷くか、あぜにわらを立てます。
エンドウのつるが伸びる前に2mほどの支柱を垂直にたて、ネットを張ります。つるが伸びてきたら、つるをネットに絡ませます。そして、追肥を施し、土寄せをします。
エンドウ豆の種類によって、収穫日が少々異なります。
スナップエンドウは花が咲いてから30日ほど、絹さやは20日ほど、グリーンピースは30日ほどで実が生ります。収穫の目安は、スナップエンドウがさやが大きく膨らんで緑のとき、絹さやは少しふくらんで柔らかいとき、グリーンピースはさやにしわができてきたときです。
さやの上の部分をハサミで切り、収穫したエンドウはさやのままポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管します。
エンドウ豆には、さやのみ食べる絹さや、さやも実も食べるスナップエンドウ、実のみ食べる実エンドウなどの種類があります。
絹さやは若い時期の実が小さくさやが柔らかいうちに食べます。「絹さや」は主に関東の呼び方で、関西では「さやえんどう」と呼ばれています。代表品種には成駒三十日、美笹、ニムラ赤花絹さや2号があります。
実を大きくして、さやがパンパンになったときが採り時です。実もさやもゆでてマヨネーズや辛し和えなどであえて食べます。代表品種には、グルメ、スナック、ホルンスナックがあります。
実が大きくなり、丸くなったらさやから実を取り出して豆ごはんやカレーや肉じゃがなどに入れて食べます。実エンドウの中で、和歌山でほとんど生産されているウスイエンドウは、豆ごはんによく使われる品種です。成分により品種が分けられています。
ほかに実に糖質が多い南海緑、久留米豊や実にでんぷん質が多い滋賀改良白花1号があります。ウスイエンドウや白竜は中間品種です。
冬越しして適切な管理をすれば、高さが2mにもなり、春にはエンドウ豆が収穫できます。3種類のエンドウ豆を育てて、実が収穫できるのは楽しみですね。プランターや鉢でもできるので、庭がない方でも日当たりがいいベランダなら育てられますよ。
※トップ画像はdp106さん@GreenSnap
GreenSnap編集部