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歯肉炎や口内炎などの症状を和らげるといった、抗菌作用が高いハーブの一種であるセージは多年草の植物です。私生活でも大いに役立ってくれているハーブで、風水といった観点からも非常に高く評価されています。
今回はそんなセージについて、育て方を中心に簡単にご紹介します。
セージの栽培は、日当たりの良い場所を選びましょう。ただし、真夏の直射日光は大敵です。セージを地植えで育てる場合は、夏の間はヨシズなどを用いて半日陰をつくるようにしましょう。
なお、セージを日当たりの悪い場所で育ててしまうと、茎と葉がヒョロヒョロとし、花つきもよくない脆弱なものになってしまうのでご注意ください。
セージは真夏の直射日光を嫌うとともに、高温多湿も大の苦手としています。そのため、夏場は特に強い直射日光や西日があたらない、風通しの良い場所を選ぶようにしてください。
一方、セージは寒さには比較的強いです。ただし、日本の冬の寒さと寒風に当たると、葉が傷み、出てくる葉が小さくて弱々しくなってしまいます。鉢植えで栽培している場合は、ベランダなどには置かず、霜よけなどを行って、霜対策は徹底してください。
セージは乾燥に強く、多湿に弱い特徴があるため、過剰な水やりは控えましょう。土の表面が乾いたら水を与える程度で大丈夫です。
ただし、夏は根の生育が旺盛となって、根が非常に乾きやすくなるので、水切れに注意してください。毎朝夕のチェックを行いましょう。
セージの冬の生育は緩やかなので、水やりの回数は春夏秋よりは減らすようにします。常に土が湿っているような状態になってしまうと、ほぼ間違いなく根が傷み、株が駄目になってしまいます。土が乾く前に水やりするのは避けてください。
セージの栽培をするときは、生育期にたっぷりと肥料を与えます。特に、夏までに丈夫な状態にしておくことで、暑さにもまけない元気な株が育ってくれます。
肥料を与えるタイミングは、まずは苗や株を植え付ける段階で、植え付ける先の用土にたっぷりと緩効性の肥料を混ぜておきましょう。そのうえで春(4月:芽が出る時期〜6月:花が咲き終わる頃)に固形肥料を1回、育ち具合を判断しつつ秋(9月)には同様の肥料を1回与えましょう。
セージは主に葉を食用等に利用するので、茎はの生長によく効くチッ素の植物は非常に役立つといえるでしょう。
同様に生長期である夏は、高温多湿でバテ気味となることもあるので、肥料は与えない方が無難です。弱っている時期に肥料を与えても無駄となってしまいます。
冬は、そもそもセージの生長時期ではないので、肥料が役に立たないので控えておきましょう。
用土は多湿を嫌う性質から分かるように、水はけのよい、そして少しばかり水持ちもいい土壌が適しています。
もし配合土を使うのならば、赤玉土5・腐葉土3・バーミキュライト2の割合で混ぜた土を使いましょう。
もしも地植えをしている場合は、事前に苦土石灰を混ぜ込んで土の性質を中和状態にしておきましょう。
水はけが悪い場合には、川砂か赤玉土も混ぜて水はけをよくし、さらに腐葉土を混ぜておくと肥沃でセージが育ちやすい場所となるでしょう。
セージは根の生育がとても旺盛なため、鉢植え栽培の場合は、1~2年に1度を目安としてください。
植え替える鉢は、これまで使っていたものよりも一回り大きな鉢を選び、そこに鉢から抜いた株を、まわりの土を1/3程度落として軽く根をほぐしたうえで、新しい用土を敷いて植えます。
植え替え時期は、初夏もしくは秋頃が適期です。
セージの増やし方には、「挿し木」、「取り木」、「種まき」といった方法があります。
セージは年数を重ねるうちに大きな株となると、茎が木の枝のように変化するため折れやすくなっています。結果、徐々に株も生長しにくくなってくるので、長生きさせ続けたい場合には、事前に挿し木などで処理しておきましょう。
特に、挿し木は手っ取り早く増やすことができます。
春秋のうちに茎から15センチくらいの長さで枝を切り取り、下方に付いている葉を取り除いて水の中に付けましょう。
そして1時間ほど水を吸わせた上で用土にさしください。根が出てくるまでは、直射日光は避けてください。成功すれば、約3週間前後で効果が見られるでしょう。
取り木の場合は、適当な茎を地面に寝かせて、半分ほど土で覆いましょう。根が出てきたら1ヶ月ほどその状態を維持しておき、その後切り離して植え付けてください。
種まき時期は、3〜4月、9〜10月頃が適期です。
セージの葉が増えすぎた場合には、適宜剪定して蒸れを防ぎましょう。特に梅雨の時期には、蒸れに注意してください。
セージは、夏の暑さには弱いですが、耐寒性は比較的あり、屋外のマイナス10℃ならば耐え抜くことはできます。とはいえ、生長が一挙に鈍くなり弱々しく育ってしまうので、管理温度としては春秋温度が適切です。
セージの持つ香りによって、害虫は基本的に寄りづらいです。ただ、多湿となることによって株が弱わり、虫がよってくる可能性はあります。
セージの葉の収穫時期は、花の開花直前から直後が適期でしょう。
葉が多く育ち密集しすぎると、全体が蒸れて葉が黒っぽくなります。したがって、風通しを図ることも目的として、葉を適宜間引くように収穫するのがベストです。
料理などでは主に葉が用いられていますが、株全体に独特の香りをまとっているため、セージはその全てを用いることができると考えられます。観賞用やほかの植物のための虫除けなどとしても用いられることもあります。
また、セージの花にミツバチが好んで集まることが多く、セージから鉢がとった蜜は、セルビアやモンテネグロといった東南ヨーロッパでは輸出品の1つとなっています。
セージはドイツの植物学者によって「セージは医者にも、料理人にも、台所や地下室といった場所も、貧富も問わずに役立つハーブだ」と言わしめるほどに薬効に富んだハーブとされてきました。
ローズマリーとともに、ほかのスパイスよりも際立って、抗酸化作用をもつとされています。研究によっては、喉の痛みや毛中コレステロール、気分、記憶などに効果が示されると指摘されています。
ただし、その効果は低いとされ、現代では料理で使われることがほとんどで、薬用に広く用いられていたのは古代エジプトやローマ、ギリシャの医学ででした。
なお料理の材料としては、肉や魚料理の臭みを消しすっきりと仕上げてくれるとして重宝されています。乳製品とも相性がいいため、バターソースやクリームソースなどに用いて、豊かな風味を醸し出します。
生の葉として用いて、オイルやビネガーに漬けて香りを移すなど、香りの楽しみ方はさまざまです。
セージは種類ごとに花の形や色が変化しますが、いずれも鮮やかに見える色調のものばかりです。
例えば、コモンセージはピンク、サルビア・ファリナセアは発色の良いパープル、チェリーセージは曼珠沙華に劣らないほどの鮮烈な赤、パープルセージはラベンダー色など、全ての種をまとめて育てるのも楽しくなりそうなほどです。
セージの花言葉には、「尊敬」「知恵」「幸せな家庭」「家族愛」などの意味があります。また種類ごとにも異なる場合もあり、チェリーセージならば「燃える思い」、パイナップルセージならば「家庭的」です。
独特の香りを残したままのドライフラワーとしてプレゼントするのもいいいでしょう。
今回は世界的に役に立ってきたハーブの1種セージについて簡単にご紹介しました。
割合丈夫な植物なので、料理の材料として頻繁に使おうかとお考えの方は、是非ご自分で育ててみてください。
takenaka