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地中海沿岸原産のルッコラは、ゴマに似た風味とピリッとした辛さがおいしい食用ハーブです。育てやすく身体にもいいことから、古代より数多くの人々が愛用してきたそうです。
今回はそんな家庭菜園でも人気のルッコラについて、育て方を中心に簡単にご紹介します。
ルッコラは地中海沿岸部原産のハーブということで、日当たりのいい場所を好みます。ただし、強すぎる日差しに当たってしまうと葉が硬化してしまうこともあります。
真夏の間は出来る限り、特に午後からは、明るい日陰に置くか、地植えの場合には遮光ネットやヨシズなどで、直射日光を少なくとも30%ほどは遮光してください。
こうした防御策に取り組むことで、葉が食べやすい柔らかさを保ったままになってくれます。
ルッコラは基本的に丈夫でとても育てやすいのが特徴です。寒地もしくは寒冷地を除けば、周年の栽培が可能となっています。
こうした点から、ルッコラの栽培場所としてはプランターや鉢、地植えのいずれでも問題ないでしょう。ただし、強すぎる日差しを当てると食用にはしづらくなるため、可能な限りプランターの方が移動させるだけで済むのでおすすめです。
ルッコラはあまりに乾燥させすぎると葉の苦味が強くなってしまい、食べられなくなる可能性があります。香りや風味をしっかりと味わいたい場合には、土の表面が乾くたびに、必ず適量の水を与えてあげましょう。
ただし、多湿は大の苦手なので、乾いてから与える程度の頻度に抑えてください。土やルッコラの様子を随時しっかりとチェックしてあげることが重要となります。
初夏は多湿なので水やりは控えめに、夏場は乾燥しがちなので様子を見て春・秋・冬よりは多い頻度で水を与えることになるでしょう。
ルッコラは冬の気候に適した植物ではありませんが、育つことはできます。通常通り、土の表面が乾くたびに水を与えましょう。
ただし、霜に当ててはいけないので、様子をみつつ少し控えめに与えるのがコツです。
ルッコラの栽培では、草丈が5cmほどに成長し、本葉が4、5枚になった頃から肥料を与えます。頻度としては週に1度ほど、水で薄めた肥料を与えるだけで生育がよくなります。
もしも液体肥料を使用する場合には、株元に軽くでいいので土寄せをし、土が流れ株が倒れる可能性を防ぎましょう。
化学肥料の場合は、株間を少しだけ耕してから大さじ2、3杯の肥料を撒いて、それを根元に寄せるようにすること。窒素肥料が多くなると、ゴマの風味が悪くなってしまうので注意してください。
なお双葉の間引きを行い、その次に間引きをした後に必ず追肥をしたうえで、週1の頻度で追肥をするのも重要なポイントとなります。
ルッコラの栽培に適しているのは、水はけがよく、肥沃なアルカリ性の土壌です。酸性の土を嫌うので、庭植えの場合は植える2週間前までに苦土石灰を混ぜ込んで中和状態にしておきましょう。
一方プランターなどに鉢植えする場合には、必ず新鮮な培養土で植え付けを行ってください。
もしも配合土を使う場合は、赤玉土6・腐葉土3・バーミキュライト1の割合で混ぜたものに、石灰&化成肥料を10リットルにつき10〜20g程度混ぜて使いましょう。なお、プランターに入れる分量としては、容量の8分目ほどとなります。
プランターで種まきを行う場合には、まず下準備が必要となります。
底石用の軽石をネットに詰めて軽く水で流した上で、プランターの底に敷いておきます。そして、その上に容器の8分目ほどだけの用土を入れて、タネを蒔く前に水でしっかり潤しておきましょう。
そして、一箇所に固まらないようにバラ撒きにするか、一直線上に等間隔で溝に蒔いていくスジ蒔きをしましょう。なお、一度種まきをしてしまえば、一通り収穫が終わって枯れるまで植え替えを行う必要は原則ありません。
ルッコラの増やし方は、種まきが主流です。ルッコラの種は強くて丈夫なため、適切な環境にありさえすれば基本発芽しやすくなります。
特にポイントとなるのが、種まきの時期です。真夏と真冬というルッコラが苦手とする時期以外で、種まきをしてください。もし真夏に撒けば、生育が衰えて収穫しにくくなり、真冬ならば苗が寒さに耐えきれず枯れてしまいます。
したがって、種まき時期の適期である春の3~7月、秋の9~11月頃に蒔いてあげましょう。
種を蒔いたあとは、土をかぶせることで発芽まで乾かさないようにしてください。発芽した後は、葉や茎が混み合ってきた部分を適宜間引して育てていきます。間引いた部分も、サラダとして利用ができます。最終段階では、株間が20センチ間隔となるくらいに間引くのがコツです。
ルッコラの生育適温は、マイナス5℃〜40℃と、比較的どのような環境でも育てられる植物となっています。
ただし極度の暑さや寒さに触れると、生育が衰えてしまうので要注意。種まきの時期をずらして数回行うと、年中ルッコラを収穫することもできますが、真夏や真冬の季節は避けましょう。
可能な限り、涼しいといえる時期を生育時期に選ぶのが無難です。
ルッコラの栽培で注意すべき問題は虫です。その代表格としては、アブラムシがあげられます。
アブラムシは梅雨時期から初夏にかけて群れになって植物に発生する習性があるので、事前に特定防予資材の中でも酢を原料したものを散布しておくとよってこなくなります。
また、発生してしまった場合には、ガムテープなどの粘着性のある物質で取り除いていきましょう。数が多い際には薬剤を使ってください。
なおアブラムシが植物についたままになると、植物は汁を吸われて枯れてしまうほか、排泄物によって菌が繁殖し葉が黒くなる場合もありますのでご注意ください。
ルッコラを収穫するタイミングは種まきの時期によって異なります。だいたい、種まきから1〜2ヶ月くらいで順次収穫可能です。大きさとしては、葉が10センチほどか、草丈が20〜25センチほどに生長した時点が適期でしょう。
収穫する際には、下の方にある葉から一枚ずつハサミで刈り取っていくのがベストです。なおルッコラは収穫中もぐんぐんと生長するので、株を抜かずに置いておきましょう。
続けて収穫をするためにも、葉を刈り取る前と同様に水やり等をしてあげてください。
ルッコラの花言葉は「競争」、「私に振り向いて」です。
今回はゴマ風味のぴりっと辛いハーブであるルッコラの育て方について簡単にご紹介しました。
カルパッチョやパスタ料理にも向いている優れものハーブなので、興味のある方はぜひ育ててみてください。
GreenSnap編集部