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胡蝶蘭のような美しい姿の花を咲かせるデンファレは、お手頃価格で手に入れやすい花です。今回はデンファレの特徴のほか、デンファレの育て方・管理方法などについてご紹介します。
デンファレを育てる際に用意する用土や肥料のほか、水やりや植え替え、株分けの方法などをまとめました。害虫や病気などの予防や薬剤散布なども知っておくと育てる際に役立ちますよ。
デンファレは、ラン科デンドロビウム属の植物で、正式名称はデンドロ・ファノプシスといいます。日本では略してデンファレと呼ばれており、その他のデンドロビウムとは異なる分類になっています。
デンファレには草丈が大きくなる切り花用の大輪系のほか、小型の鉢花として楽しめるミニタイプなど、さまざまなタイプがあります。
ニューギニア、ボルネオ、オーストラリア北部などに自生しています。
一年を通して温暖で、日光のよく当たる場所で育てます。日当たりが十分でないと、茎が十分に太くならず花付きも悪くなってしまいます。ただし、強い直射日光に当てると葉が焼けてしまうこともあるので、注意しましょう。
夏場は明るい日陰となる場所があればそこに置くか、見つからなければ日陰を作って管理します。寒さには非常に弱いので、冬は10℃以下にならないようにし、屋外でそだてているものは、室内に取り込むなどして、生育温度が12℃~15℃程度に保てるように注意します。
デンファレに適した用土ですが、ポイントは水はけのよい土を用意することです。最も簡単な方法は市販の洋ラン用用土を使うと植え付けもスムーズです。
もし自分で配合して作る場合は、デンファレ専用の配合ではありませんが、シンビジウムなど洋ラン類の花全般に適した土の配合として、軽石を単品で使うまたは軽石8:バークチップ2か、日向土6:パーライト4の割合で混ぜたものを作りそこに植え付けるとよいでしょう。
デンファレは生長中と開花時期、冬場など休眠期で水やりの方法が変わります。デンファレの状態に応じて水やりの量や頻度を変えていきましょう。
5月~9月はデンファレの生育期にあたります。この時期はたっぷりと水を与えましょう。デンファレは根よりも葉から水を吸収する力が強いことや、湿度が高い環境で自生することから、霧吹きで葉水をまめに与え、葉を乾燥させないようにします。
花が咲いている時期は、土の表面が乾いたらすぐに水を与えます。
冬場や春先など気温が低い時期は、水を与える回数を減らしますが、葉や茎などは霧吹きなどで湿らせ、植物周辺の湿度を高く保つようにしましょう。
デンファレの施肥時期ですが、4月に1回緩効性(ゆっくりと効くタイプ)の化成肥料を与え、5月~9月の生育期にあたる時期は、液体肥料を週に1回与えます。
真夏で寒さが厳しい時期は、生育期よりも少し薄めた液体肥料を与えます。また生育期最終段階として毎年9月頃に開花促進剤を月に2~3回水で薄めて与え
11月以降の施肥は一切止めるようにします。
購入時は小さなポットに入っていることが多いので、4月半ば~5月に植え替えをします。ポットから根を出して古い水ゴケと傷んだ根を取り除き、水ゴケや洋ラン用土に植え替えます。
植え替えは、鉢植えの場合、しばらくすると根詰まりを起こし、生長が止まってしまったり、花付きが悪くなったりすることが考えられますので、根がいっぱいになっていたら、2~3年に一度、ひと回り大きな鉢に植え替えます。
鉢土を1~2日乾かし、根が鉢から離れやすくなった状態から、鉢の縁をたたいて株を鉢から取り出します。
鉢から株を抜き出したら、古い植え込み材料と傷んだ古い根を取り除き、棒などで株元をつついて、根の隙間にしっかり培養土を入れます。
デンファレの贈答用の鉢は寄せ植えになっていることが多いので、花が終わる6月頃、花茎だけを切り取って1株ずつにします。
鉢から株を抜いて古い植え込み材料と傷んだ古い根を取り除き、傷んで黒くなった根は切り取り、大株はナイフなどで切り分け、ひと回り大きな鉢に植え替えます。
※鉢の号数は3cmずつ大きくなっていきます。例えば5号鉢(15cm)に植えていたものをひと回り大きな鉢に植え替えるなら、6号鉢(18cm)程度が目安です。
大きすぎる鉢は根腐れの原因にもなりますので気を付けましょう。
デンファレの日々の手入れについては、水やりや施肥、温度管理が基本。例えば夜間の気温が15度を下回る場所では新聞紙や段ボールなどで囲いをするなどして保温するとよいでしょう。
またエアコン・ヒーター類の風が直接当たると葉が乾燥してすべて落ちてしまう原因になりますので、冬場、エアコンやヒーター類のそばに近づけないようにしましょう。
デンファレの健全な状態を維持していくには、芽かきという作業も必要です。1~2月に葉芽を1バルブにつき1個を目安にかきとります。
秋に花芽と一緒に葉芽が出た場合もかきとります。また芽だけでなく、花芽も適宜切り落とします。最下部の花がしおれ始めたら、花芽の根元で切ります。花をできるだけ長く咲かせないようにすると、株が長持ちします。
また花芽が伸びてきたら支柱を立てます。なお、下垂性の品種には不要です。
デンファレは株分けをして増やすことができます。茎(バルブ)がふえ、鉢いっぱいになったら株分けします。
新芽のあるところを確かめてハサミで切り分けます。それぞれのバルブ(茎)に3~5本つくように、鋭利な刃物で切り分けます。バルブが増え、鉢いっぱいになったら株分けします。切り分ける際は、新芽のあるところを確かめながら切り分けます。
新しい水ゴケで根を巻き、新芽のある側が鉢の中心部になるように置き、湿った水ゴケを入れて植えこみます。植え付け後、2週間ほどは半日陰で風の当たらない場所で管理しましょう。
デンファレにつきやすい害虫の一例ですが、アブラムシ、アザミウマ、カタツムリ、コナジラム、ナメクジ、ハマキムシなどがあります。
デンファレがかかりやすい病気では、うどんこ病、立ち枯れ病、苗立ち枯れ病、灰色かび病、斑点病などがあります。
デンファレの花言葉には、「お似合いのふたり」「魅惑」「有能」などがあります。
デンファレを育てるのは難しいといわれていますが、植え付け時の土の特徴や、水やり、肥料の与え方のポイントをおさえるとそれほど難しいものではありません。
夏場と冬場の温度管理なども工夫しながら自宅での栽培にも挑戦してみましょう。
GreenSnap編集部