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モンステラは丈夫で育てやすく、インテリアとしても人気が高い観葉植物です。成長すると、葉に切れ込みや穴が空くのが入るのが特徴で、存在感も抜群。
今回は、そんなモンステラの育て方を詳しくご紹介します。よくある質問や、室内や屋外で育てるときの注意点などもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
モンステラを育てる前に、まずはモンステラの基本的な性質についておさらいしておきましょう。
モンステラは熱帯アメリカのジャングルなどに自生する多年草です。観葉植物として親しまれていますが、じつは植物分類上では草花と同じ多年草であり、パキラやガジュマルと違って幹を持たずに、茎を伸ばして成長していきます。
また、モンステラは「気根」という茎とは別の根っこのような器官を空中に伸ばして樹木やヤシの木に着生する、つる性の植物でもあります。大きさは自生地だと8mにもなるそうで、葉の大きさも1mを超えるようです。日本でも大きい品種では3〜5m、小さい矮性品種だと1〜2mほどに伸びますよ。
生育温度は15~30℃ほど。そのため日本では春から秋がよく成長する生育期、冬の時期は成長が緩慢になる休眠期となります。最近では斑入り品種の人気も高まっていて、おしゃれな葉の形も人気の観葉植物です。
モンステラの置き場所には、直射日光を避けた日当たりと風通しのよさが大切です。
本来はうっそうとした熱帯ジャングルに自生する植物なので耐陰性が高く日陰にも強いですが、基本的には日当たりのいい場所に置くことで、美しく成長していきます。
また、日本には四季があり、それぞれの時期で日差しの強さや気温もかなり異なるので、季節に合わせた置き場所に移動して育てましょう。
モンステラを室内で育てる場合は、冬の間はガラス越しに日光がよく当たる場所、夏の間はレースカーテン越しに日光が当たる場所に置きましょう。
また、急激な温度変化には対応できないため、冷房や暖房の風が直接当たらない場所を選ぶことも大切です。
モンステラを屋外で育てる場合は、春〜夏の間は直射日光の当たらない半日陰、秋〜冬の間は明るい日向に置きましょう。
最低気温5℃を保てる地域であれば、モンステラを屋外で育てることもできます。
ただし、霜が降りるような寒さの中では株が弱ってしまう可能性があるため、冬だけ室内に取り入れることをおすすめします。
モンステラの春・夏は生育期にあたるので、この時期は表面の土が乾いたら、鉢底から水が出てくるくらいたっぷりと水をあげてください。
根から多くの水分を吸い上げるため、真夏の間はとくに土が乾きやすいです。毎日土の様子をチェックしてあげましょう。
ただし、水やりのしすぎは根腐れの原因となりますので、土が湿っているときは無理に水を与えなくて大丈夫です。また、鉢底に水を溜めたままにするのも避けましょう。
支柱にヘゴなどを使っている場合は、ヘゴにも水やりをして内部に水分が浸透するようにしてあげるといいですよ。
秋になったら、だんだんと水やりの回数を減らしてください。気温15度以下が目安です。
冬になると、モンステラの生長速度や活動が鈍って休眠期に入ります。根から水を吸い上げる力も弱くなるため、冬はかなり乾燥気味に管理してあげましょう。
土の表面が乾いていてから、5〜10日ほどあけて水をあげるくらいで大丈夫です。むしろ断水することによって寒さにも強くなるので、この時期はかなり水やりを控えめに育てるということを覚えておきましょう。
また、冬の時期はこまめな葉水も大切になります。
葉水とは霧吹きで植物全体に水分を与えることです。水やりを控える代わりに葉や気根にも葉水をしてあげましょう。
とくにモンステラを室内に置いている場合は、葉にほこりがたまってしまうこともあるので、定期的に霧吹きなどで、葉の表面や気根に水をあげてあげるといいです。
モンステラは丈夫な性質を持つことから、肥料がなくても、日光と水で十分に生長してくれます。
もし肥料を与える場合は、モンステラの生長期にあたる5〜10月の間は、2ヶ月に1回の頻度で、緩効性の固形肥料を根元に与えてあげましょう。
なお、冬は生長が弱まっているため、肥料は不要です。
モンステラを大きくしたいときは、固形肥料に加えて速効性の液体肥料をあげてみてください。液体肥料を使用する場合は、頻度は2週間に1回程度が目安で、水やりの代わりに与えます。
モンステラの元気がないときにも、液体肥料を試してみるといいですよ。
モンステラが大きく育ってくると、鉢がひっくり返ったり、鉢の底から根が出ることがあります。このような状態になったときは、随時植え替えを行ってあげましょう。
モンステラの植え替え時期は、5〜9月が適期です。生育が旺盛な時期に行えば、植え替え中に根に傷をつけてしまった場合でも、すぐに回復してくれるので安心ですよ。
モンステラを植え替えるときは新しい市販の「観葉植物用の培養土」を用意しましょう。
先述したとおり、モンステラはあくまで多年草であり、木立ち性で自立するような樹木ではありません。
そのため定期的に剪定をしてコンパクトにまとめながら、支柱を立てて上へと伸び上がるようにフォローしてあげる必要があります。
剪定をする時期は植え替えと同じく5〜9月です。同時に作業すると手入れの手間もかからないのでおすすめです。
モンステラを育てていたら元気がなくなって葉がうなだれるようになってしまったり、ゆくゆくは枯れてしまったという声をよく聞きます。
モンステラの元気がなくなって枯れてしまう原因はいくつか考えられるので、下記から思い当たるふしがあれば復活方法を試したり改善していきましょう。
モンステラは基本的に日陰でも育つ植物ですが、室内の暗い日陰で育てていると元気がなくなります。あまりにも日光に当たらない環境に置くのはよくないので鉢の置き場所を変えてみましょう。
とはいえ、スペース的に日陰に置かざるをえないという場合は、1週間のうち数日だけでも日向において日光浴をさせるといいですよ。たとえば土日の午前中だけベランダに出すなどすると元気に育ちます。
ただし、強い直射日光にあてたり長時間日光浴をさせすぎると葉焼けしてしまうこともあるので、くれぐれも様子をみながら慎重に日光浴させましょう。
生長期のモンステラは、とくに水をたくさん必要とします。夏場は水切も早いので、土が乾いていれば朝と夕方に水やりするくらいでもいいですよ。
また、水やりは頻度も大切ですが、与え方も大切です。なぜかというと、水やりは水分を与えるだけではなく、土の中の酸素を入れ替える役割もあるからです。
基本的には水は鉢底から流れ出てくるまでたっぷり。土の中の空気が入れ替わるようなイメージで、口の細い水差しかジョウロを使ってゆっくりと与えてくださいね。
基本的には丈夫なモンステラですが、根が窮屈になったままの状態で放置しておくと、根詰まりしたり根腐れが起きて呼吸がうまく行えず、葉が枯れてしまうことがあります。
もし葉っぱが枯れてしまった場合は、一度植え替えをしてみて根の様子を見てみるといいですよ。鉢の中にびっしりと根がつまっていたり、黒い根がたくさんあれば、根を剪定して新しい土に植え替えをしてあげましょう。
モンステラの樹液には毒性(シュウ酸カルシウム)があり、皮膚や粘膜に付着するとかぶれることがあります。とくに剪定をするときは樹液がでやすいので注意しましょう。
また、小さいお子様や犬や猫などのペットがいる家庭では、育てないかハンギングにして手の届かない場所に飾るようにしてください。
とくにモンステラの新芽は柔らかくて赤ちゃんやペットでも噛み砕けてしまうほどです。口にすると口腔内が腫れて、最悪の場合、神経麻痺や呼吸困難を起こすこともあるようなので注意しましょう。
モンステラは基本的に病気や害虫に強い性質を持っていますが、まれにハダニやカイガラムシの被害に遭うことがあります。生育に影響が出ることもあるので、しっかりと対策してあげましょう。
ハダニは夏の時期や暖房のきいた冬など、室内が乾燥していると発生します。主に葉の裏などに住み着きます。
ハダニは水に弱い虫なので、霧吹きで駆除をすることや予防することができます。数が多い場合は園芸用の殺ダニ剤を使用するか、住み着いている部分を切り取りましょう。
カイガラムシは夏に多く発生する虫で、茎や葉にくっつきます。カイガラムシのフンは黒すす病の原因になり、葉枯れにもつながるので、見つけたときはピンセットなどで早めに処置しましょう。
カイガラムシは成虫になると硬い殻で体を覆うため、駆除が難しくなります。このような状態になった場合は、使用済みの歯ブラシなどでこすって落としてあげましょう。
ですが水が出るからといって育て方が間違っているというわけではありません。
モンステラがその日の温度や湿度に合わせて、これ以上の水分は水孔から排出しようと正常に判断しただけなので、今までより水やりを控える必要はありませんよ。水がおさまるまで床に飾り布を敷いたりして対応しましょう。
ちなみにモンステラには毒性があるのですが、この水分には毒性は含まれていません。とはいえ口にしたり目に入れたりはしないでください。
5年で枯れてしまったという場合は寿命ではないので、今までの栽培環境と何が違うのか振り返ってみましょう。
同じ育て方をしていても例年より冷え込んだ、暑さが増した、晴れの日が少なかったなど、気象環境の変化から影響を受けることもあるので、完全に枯れてしまう前に見直しましょう。
ちなみに常緑樹や落葉樹は定期的に葉を落としますが、モンステラは多年草なので葉を自ら落とすことはありません。つまり、1枚の葉の寿命が長いので、なるべく葉を傷つけないように育てるといいですよ。
気根には、空気中の養分や水分を吸収するという役割があります。そのため、なるべく気根は切らずに支柱や株周りに巻きつけ、先っぽを土に埋めてあげるようにするといいですよ。
ただし、伸びすぎた気根を多少切ってしまう分には、とくに問題はありません。
ただし、観葉植物として鉢で育てられたモンステラの場合は、基本的にほとんど花は咲きません。地植えで育てている場合は、花のほか実もつくことがあります。
ちなみにモンステラの花や実は、ウロコ状のトウモロコシに近いかたちをしていて、熟せば食べることもできます。
モンステラは「挿し木」や「株分け」「茎伏せ」などの方法で増やすことができます。
挿し木の時期は、生育が旺盛な5〜7月頃が適期です。気温が20℃前後ほど保てて、湿度が高い環境で行ってあげると成功しやすいですよ。
2〜4枚ほどの葉と気根のついた茎を土にしっかりと植え込み、たっぷりと水やりをしてください。
茎伏せは、葉のついていない短めの茎を土に寝かせる方法です。挿し木より時間がかかりますが、多く繁殖させることができるというメリットがあります。
株分けは、植え替えと同じタイミングで行うのが良いでしょう。古い土を落として、根を広げながら、新しい鉢に植え替えてください。
モンステラの育て方でとくにポイントとなるのは、日当たりのいい場所に置くことと、水切れに注意することです。
これさえ守ればモンステラは丈夫で育てやすく、初心者の方にもおすすめできる代表的な観葉植物のひとつです。
インテリアとして部屋にひとつ置くだけで、雰囲気や気分を大きく変えてくれるのではないでしょうか。
GreenSnap編集部