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冬の鉢植えとして代表的なシクラメン。シクラメンは多年性球根植物なので、うまく夏越しできれば毎年のように開花を楽しむことができますよ♪シクラメンの花は赤色や白色、ピンクが定番ですが、それ以外にも紫色や黄色といった新しい花色が生まれています。
今回はシクラメンの品種についてご紹介します!
シクラメンはサクラソウ科シクラメン属の球根植物です。中近東から地中海など比較的乾燥した地域が原産で、日本のように高温多湿の気候下は苦手な植物です。
シクラメンは青々としたハート形の葉を茂らせ、葉の中央に細い茎を伸ばしてその頂点に花を咲かせます。シクラメンの花は花びらが丸く反り返るようにして咲きます。花の形や花びらの付き方、大きさにもたくさんの種類があり、八重咲きや「ロココ咲き」と呼ばれるウェーブがかったものなど、毎年のように新しい品種が発表されています。
その他にも、シルバーリーフや、プラチナリーフと呼ばれ銀色の葉をつけるものや斑入りの葉をつける品種ががあり、花だけでなく葉も楽しめる植物となっています。葉色の変わったものは花のコントラストが美しく、よりエレガントな印象を与えます。
シクラメンの種類は、地中海沿岸地方やヨーロッパ中部に約20種~30種ほどが分布しています。現在販売されているほとんどは園芸品種で、花色や花びらの形に様々なバリエーションがあります。シクラメンは元々は小さな花でしたが、19世紀後半に入ってから品種改良により大型の品種が登場するようになりました。この頃の大型種は現存しておらず、現在では見ることができません。
20世紀に入ると、それまでなかった赤色のシクラメンや、ロココ咲きと呼ばれる縁が波打った花を咲かせるヴィクトリアという品種が生まれました。ヴィクトリアは現存している品種で、このヴィクトリアから八重咲きの品種が誕生しています。
1960年代には音楽家の名が冠されたパステルカラーの花を咲かせる「シューベルト」「バッハ」などが登場し、これらも世界に広く普及しています。
シクラメンには、一般的なシクラメンのほか、花形の小さいミニシクラメンや、寒さに比較的強く庭植えも可能なガーデンシクラメンといった種類のシクラメンがあります。それぞれに栽培の方法や適した温度が異なります。
こちらは花径4.5センチ前後の、一般的なシクラメンです。
暑さに強いシクラメンの品種です。軸が太く、丸く肉厚な花びらが特徴で、株の真ん中に花がたまりやすい品種です。
真綿色といわれるクリーム色がかった白の花びらが特徴的なシクラメンです。
縁取りのある花びらと上品なフリルのフリンジ咲きが特徴的なシクラメンです。シクラメンの数ある品種の中でも特に人気の高い品種です。ビクトリアには、スタンダードからミニシクラメンまでさまざまな品種があるため、好みの色や大きさを選んで育てることができます。
シクラメンの原種といわれ、耐寒性・耐暑性ともに優れておりとても育てやすい品種です。ヘデリフォリウムとは「ヘデラ(アイビー)」の意味ですが、その名前が付けられている通り、ヘデラの葉とよく似ています。年数の若い株は全体的に丸い形をしていますが、生育が10年を超えると徐々に楕円形に変わり、中央部分がやや凹むようになります。
日本国内でも育てやすい原種のシクラメンとして高い人気があり、入手もしやすいです。とても長生きする品種で、過去には150年も生きた株があったという記述が残っています。また成長とともに直径も大きくなり、40年かけて直径が40cmにもなる株が存在するそうです。
トルコやレバノン、イスラエルを中心に分布している品種です。栽培が容易なので、日本の蒸し暑さやマイナス20℃にも耐え、種まきからでも3年ほど年月がかかりますが、花をつけることが可能です。角がなく丸みを帯びた葉が特徴的で、開花期の2~3月には葉もついています。花色は赤紫から白まで幅広いです。
ミニシクラメンは、花径4センチ以下の小さな花をつける丈夫なシクラメンです。
フェアリーピコは妖精のような可愛らしさのある半八重咲きのミニシクラメンです。花径3センチ程度の花が咲き、丸びらの小輪の花は内側が濃ピンク、表側がソフトピンクで、花がたくさん上がってこんもりと咲きます。
花持ちがよく、切り花としても楽しめます。真冬も次々に花が咲き、春まで長くお楽しみいただけます。
爽やかな白の八重咲きの花を株一面に咲かせるシクラメンです。霜にあたらなければ、冬でも外で楽しめます。
フランス・モレルディフュージョン社で生み出されたミニシクラメンの品種です。最も強健なミニシリーズといわれており、早咲きで、丈夫で育てやすい品種です。寒さにも強く、花付きもよく、開花期間が長いです。屋外で育てても持ちがよいので、シクラメンを初めて育てる方にもおすすめです。
大人気の八重咲きタイプのミニシクラメンです。花びらが非常に多く、丸みを帯びた花びらがしっかりと詰まり、何枚も重なって咲く姿はまるで丸いポンポンのようです。他の品種に比べて蕾が開ききるまでに少し時間がかかりますが、咲ききってからの花もちがとてもよく、花老けしにくいので、一つの花で1か月は十分に鑑賞できます。
咲き進むにつれて花色が淡いピンク色から濃いピンク色へと変化していきます。
ウインクシリーズは八重咲きのミニシクラメンの品種で、ビクトリア系とともに人気のある品種です。このシリーズにはピンク以外の色も生み出されています。特徴はなんといっても小ぶりなサイズの花。そして花弁の先が丸くなっており、やや開き気味に咲くので、ふわふわとした印象があるので、かわいらしい印象です。
花びら自体は小さいのですが、10枚もの花びらが重なっているため、ボリュームもあります。また雄しべが弁化するので花粉が出ず、花粉アレルギーの方も安心して育てられます。
ネオ・ゴールデン・ガールは世界初の黄色いシクラメンとして人気を得た「ゴールデン・ガール」がさらに美しく進化を遂げた品種です。爽やかなクリームイエローの花びらに、花と茎の付け根部分(口元)にピンク色が入ってアクセントになっています。繊細な色加減が人気の秘密です。
ミニシクラメンの中でも、耐寒性に優れていて丈夫なため、庭で育てることができるというのがガーデンシクラメンです。
丸みのある花が特徴的で、耐寒性があり病害虫にも強くて丈夫なシクラメンです。花壇、テラス、バルコニーに最適です。植え込み後は花が光を求めて上を向いていますが、次第にバスケットの丸みに合わせてきれいなカーブを描くように咲きます。
落ち着いた深紅の花色が特徴的で、寒くなれば寒くなるほど深い深紅色になります。大人っぽくシックなシクラメンです。
ピアスはタス系その他の品種から改良したパステル系シクラメンです。咲き始めの花色は白色ですが、徐々に花色の赤みが濃くなっていくのがが特徴です。コンパクトでまとまった草姿、白っぽい銀葉をしています。
花色は、日光によく当てるとピンク色がきれいに発色し、室温が高すぎると色が変わらないこともあります。
ビクトリア系から生まれた品種で花弁や葉の周囲に入る細い色の帯が入る「覆輪花」と呼ばれる花を咲かせるのが特徴です。本来の花色とは異なる色が花びらを縁取るようにして入っているので、パッと見ると花の形がくっきりと浮き上がるように見え、色のコントラストも楽しむことができます。
室内でも長期間株が崩れず、晩生品種、高温にも強く夏越ししやすい丈夫さも比較的育てやすいのが特徴です。
葉全体が銀色の品種です。光が当たると葉がキラキラと輝き、花だけでなく葉も観賞できる美しい品種です。美しい光沢のある葉をもつこの品種は、クリスマスシーズンの寄せ植えにもピッタリで、環境変化にも対応できる強さもあります。花色は白やピンク色などが一般的です。
今回紹介したシクラメンのほかにも11~12月になると更にたくさんの品種が出回ります。咲き方も、花弁の形も、色の種類も色の付き方もそれぞれちがい、選び甲斐があります。
耐寒性の強い原種は長く育てると、どんどん株を大きくすることもできます。切り花や寄せ植えもできるので、クリスマスやお正月に合わせて赤や白のシクラメンで玄関を飾ってみるのもおすすめです。
GreenSnap編集部