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おやすみなさいと、布団をかぶるようにして、カラテアの植物も夜になると眠ります。広げてあった葉っぱを上に立て、きゅっと身を寄せます。これらは休眠運動と呼ばれ、ネムノキなどにも見られる特徴です。
そんなカラテアの育て方を説明します。
カラテアは強い光を苦手としているため、明るい日陰で育ててあげると元気に育ちます。暗すぎる日陰で育ててしまうと成長の勢いがなくなり、葉色が悪くなってしまうので、年間を通して明るい日陰になる場所がベストになります。
カラテアを室外で育てるならば、木陰のそばに置いてあげましょう。春から秋にかけて、木漏れ日がそよぐような日陰が理想的です。庭木がある家なら、広葉樹の木陰になる場所や、木漏れ日が落ちる場所に置きましょう。
家がマンションなどで庭がないなら、直射日光の当たらない日陰を見つけましょう。ベランダならば、遮光板で光線を遮るように工夫をして、直射日光が避けられる場所に置きましょう。
ホームセンターなどで売っている、透明なプラスチック板を遮光板代わりに使用して、ベランダに置いてもいいでしょう。
また、カラテアは強風に弱いので、強風に煽られやすい箇所は避けるか、また風よけの物を置くなどして、風の通りを制限しましょう
カラテアは高温多湿を好むため、年中室内で育ててもよいかもしれません。
カラテアを室内で育てるならば、明るい部屋中を選び、レースのカーテンで光が遮ぎられる窓際に置きましょう。
気温が10℃を切ると生長が著しく低下してしまうので、常に暖房をいれっぱなしにして12℃以上を保地ましょう。真冬の時期ならば保温のため、ダンボールなどで空気の層をつくってあげて下さい。
乾燥にも注意が必要で、暖かな室内であっても、暖房が直接当たる場所は避けます。
カラテアは高温で湿気た環境を好みます。そのため、夏に水切れしないように、土が乾いたらたっぷり水を与えましょう。ただし、土が四六時中湿っていると、根腐れになるので、乾いたらあげてください。
夏場の水やりは朝のほか、夕方になってから土の湿り気具合を様子みて乾いているようであれば、もう一度水やりしてもかまいません。ただしカラテアは吸水力が強い植物なので、土の乾燥具合を確かめつつ、2度目の水やりが必要か判断してください。
カラテアは少しでも気温が下がると、生長が緩慢になってきます。冬に枯れ気味で元気がないようであれば、断水して休眠させましょう。
枯れた部分の葉や花はそのまま放置せずに、早めにむしり取って春を待ちましょう。枯れているようにみえても、春になってから水をあげると、新芽がまた伸びてくることがあります。そうなれば、水やり開始です。
また、カラテアには水やりだけでなく、霧吹きで葉っぱを湿らせてあげることも重要です。定期的に葉っぱには霧吹きを吹きかけましょう。
カラテアを育てるときは、春から秋にかけての生長期に、液体肥料を月3回ほどあたえるか、2ヶ月に1回の割合で、緩効性の肥料を根の近くに置き肥してもよいでしょう。
カラテアを育てるのに適した土は、水はけがよく通気性に優れたものが一番です。
市販されている観葉植物用の培養土だけだと、効果的ではないので、培養土に川砂を少し混ぜ込んでみるとよいです。腐敗質のものを選びましょう。
水苔単用のものも、カラテアの栽培に適しています。ただし水苔の性質上、多湿になりやすいので、表面は乾いていても指を土につっこんでみると内部はまだ湿っている場合が多々あります。
水やりのタイミングが狂ってしまうので、できれば赤玉土にピートモスや川砂を混ぜて、ちょうどよいあんばいの、ミックス用土を自力で作ってみてもいいかもしれません。
カラテアの植え替えのタイミングとしては、鉢が小さくなってきたときや、2年に1回のペースで行います。初夏から梅雨の時期が、もっとも植え替えに適した期間です。
カラテアを水苔で植えている場合、腐った水ごけが出てくるので、それらは植え替えの際に、一緒に取り除きます。それから新しい水苔に移し替えましょう。
カラテアを土で育てている場合は、まず株を抜き、根の腐った部分を切り落として、新しい鉢に移動させたら完了です。
基本的に、カラテアの増やし方は「株分け」になります。しかし、高芽の出る種類のものは、「挿し木(挿し芽)」でも増やすことが可能です。
株分けならば、ハサミで子株を切り取り、新しい鉢に植え付けましょう。
挿し芽であれば、芽を切り取ったら、水苔を直接まいて鉢に植えます。水苔の湿気を保ち、明るい日陰に置いておけば、1ヶ月近くで発根します。親株が育った同じ用土に植え替えると、土に馴染みやすくなります。
カラテアは常に湿った環境を好むので、黒斑病や、斑点病といったカビが原因となる病気にかかることがあります。しかしあまり乾燥させると、今度はカラテア自身が乾いてしまうので、さじ加減が必要です。
また害虫は、時期に関係なくハダニが発生しやすくなります。葉に斑点があったり、異変を感じた場合は、葉の裏にハダニがいないか確認しましょう。霧吹きを定期的にかけることで、ハダニ発生の予防になります。
カラテアが冬を越せるように、常に気温が10℃以上を保てるようにしましょう。
最低気温が20℃から低くなっていくと、徐々に活動が鈍っていくので、高温多湿な熱帯気候に自生している植物なのだと、常に念頭において環境を整えてあげましょう。
厳冬ならば、人間と同じようにカイロや湯たんぽをそばに置いて保温する方法も一つの手になります。
カラテアの花言葉は「飛躍」、「強い思い」、「あたたかい心」です。
夜になると眠るような仕草をする、変わった生態を持ったカラテアの育て方を紹介しました。
カラテアは日陰を好み、強い風と寒さ、乾燥に弱いデリケートな生態なので、置き場所には少し考慮が必要です。環境の変化に耐えられないので、特に四季のある日本では育てにくく、上級者向きの植物かもしれません。
上級者向けのガーデニングになりますが、常日頃から植物に愛情を注いであげることが、上級者への第一歩かもしれません。
※トップ画像はPhoto by しのんさん@GreenSnap
松本光男