warning
error
success
information
アデニウムは砂漠のバラと呼ばれる植物です。株元がぷっくりと肥大し、女性がガードルを履いた姿に見えるものや、八方へ伸びた根元など、ユーモラスあるフォルムから、盆栽のように仕立てる方も増えています。
そんな個性的なアデニウムの育て方をご説明します。
アデニウム(和名 砂漠のバラ)は、東アフリカからナミビア、そして紅海を越したアラビア半島の砂漠地帯を中心に多く自生する植物です。そのため、日本で育てるならば、日光を多く浴びせる必要があります。
できるだけ日当たりのいい屋外で育て、なるべく乾燥した環境をつくってあげることがベストです。梅雨の時期は雨が当たらないように、雨除けをシートを被せるなり、室内に避難させたりしましょう。
また、アデニウムは寒さに弱いため、冬の時期は気温の低下に注意しましょう。室内でも温かく日当たりのよい場所で越冬させてあげるか、自宅で使えるコンパクトサイズの園芸用の保温シートを使ってあげると良いでしょう。
常に一定の温度を保ってあげると、日照時間の少ない冬であっても屋外で育てることができますよ。
アデニウムは、日当たりのよさと風通しの良い場所を好みます。風通しをよくすることで、土が乾燥気味になるため、アデニウムが過ごしやすい環境となります。4月から10月頃までは、屋外に置いて、日光を十分に浴びさせましょう。
寒くなり始める11月から本腰の冬場にかけては、室内でも日が当たる温かい窓辺に避難させるか、屋外ならば鉢が並んだラックごと、園芸用の保温シートに包み、温度を一定に保つことが重要になります。
保温シートで包んで野外に出しておけば、冬の日照不足は解消されます。
アデニウムは気温が8℃を切ると落葉し、休眠状態に入ります。5℃ぐらいの気温であれば、なんとか越冬できますが、連日の0℃を切る気温になれば、休眠状態であっても再び春に返り咲くことは難しくなります。
来年も花を咲かせたいのであれば、冬の管理場所には十分に注意しましょう。
アデニウムは、体内に水を蓄えられる柔組織を持つ、乾燥に強い多肉植物なので、夏場の水のやりすぎには逆に注意が必要です。乾燥気味で大丈夫です。
春から秋の生長期は、土が乾いたらたっぷりあげる、乾いたらたっぷりあげるを繰り返しましょう。
晩秋から冬にかけて徐々に水やりの回数を減らしていき、寒い冬に備えさせます。
アデニウムは寒さが苦手なため、11月から3月下旬頃の冬の時期は活動がだんだんと緩慢になっていきます。アデニウムの吸水量も減っていくため、土の乾き具合が遅くなります。
さらに、気温が8℃を切ると、落葉して休眠状態に入ります。休眠状態になったら、一切水やりはせずに断水しましょう。
根腐れやカビの繁殖の原因となりますので、冬の時期の水やりは控えましょう。気温が上がり、春に近いたら水やりを再開させましょう。
ただし、15℃以上が保たれる室内に避難させているのであれば、冬であっても、夏場と同じように乾燥しら水をたっぷり与えてください。美しいあでやかな花が冬でも見られますよ。
アデニウムを育てるときは、年間を通して、肥料をあまり過度に与える必要はありません。
アデニウムの生長期になる春から秋にかけて、緩効性の化成肥料を少量あたえるか、液体肥料ならば、月1、2回の頻度で、稀釈したものを定期的に与えてください。
植え替え後であれば、肥料を多めに与えてかまいません。植え替え用の土があらかじめ、肥料が含まれている用土であればよいですが、そうでない場合は、元肥として、緩効性の肥料を混ぜ込んでおきます。
冬は養分が吸収できずに枯れる原因となり得ますので、肥料は不要です。
アデニウムは水はけのよい土を好みます。
ネット、ホームセンター、植木屋で売っている、一般の観葉植物用の培養土や、またはサボテンや多肉植物専用の培養土を使用します。オリジナルでつくるならば、赤玉土に腐葉土、プラス鹿沼土を混ぜたものを使用しましょう。
赤玉土(中粒)と腐葉土のみならば、7:3の割合で、鹿沼土を足すならば、3:4:3の割合でつくってみましょう。水はけをよくするために、鉢底石をあらかじめ仕込んでおくと、さらに水はけがよくなります。鉢底ネットを仕込んでから、鉢底石を入れましょう。
アデニウムの種まき時期は、厳しい暑さが始まる前の、爽やかな初夏の時期です。この時期に種をまいておくことで、本格的な冬を迎える前に株を大きくさせ、越冬に負担がかからないよう少しでも生長を促しておきます。
まず、土の粒子が細かい用土を準備します。土に人差し指をうずめ、第一関節ほどの深さの穴を開けます。一定の間隔に穴を開けたら、そこに種をまきます。
発芽するまでは、乾燥を防ぐためにラップをかけたり、ビニールで覆ったりして、蒸発をなるべく防ぎます。発芽したら、今度は覆いに穴を開けて、植物が呼吸できるように空気の通り道をつくってあげましょう。
ある程度の大きさまで育ってくれたら、定植します。生長の度合いによって、鉢の大きさはその都度変えていくのがよいです。
膨らんだ株元が窮屈そうだったり、鉢の底から根が出ていたりしたら、植え替えのタイミングになります。
アデニウムが環境の変化に少しでも耐えうるよう、植え替えは、できるだけ4月〜8月の間に済ませます。
アデニウムの増やし方には、「種まき」と「挿し木」の2つの方法があります。種まきよりも挿し木の方が手間がかからないので、初心者の方には挿し木での増やし方がおすすめです。
まず元株の生長した枝を剪定し、下葉を取り除きます。枝をカットする際は、消毒したハサミを使いましょう。切り口から細菌が侵入する確率が格段に減ります。
切口を3日ほど乾かし、挿し木用の土に挿します。水やりはすぐにせず、一週間ほど経った後にしましょう。挿し木は春から夏に行うと、根の生えるスピードが早いです。秋や冬に行うことは控えてください。根が生えたら、新しい鉢に植えましょう。
挿し木の注意点は、アデニウムの個性とも呼ばれる株元があまり膨らまないことです。株元がぷっくり膨らんだ、ユニークな姿に育生するには、種まきでの増やし方がいいようです。
アデニウムがかかりやすい病気は特にありません。
気を付けるべきは害虫です。アブラムシ、カイガラムシ、ハダニ、赤ダニなど、放っておくと養分が奪われて、生命力が低下していきます。
特にハダニは弱った植物につきやすく、光合成ができなくなり、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。アブラムシは春の時期に多く発生し、新芽や新葉にくっついて弱らせます。
カイガラムシは約400種類以上も存在が確認されている害虫で、葉の裏にひっつき養分を奪います。ダニ類も葉の裏から吸汁すると植物を弱らせていきます。見つけ次第駆除しましょう。
「粘着くん」と呼ばれる天然由来薬剤は、でんぷんが主成分になる駆除剤です。アブラムシ、ダニ類の両方の害虫を窒息死させ、駆除することができます。
厄介なカイガラムシは薬剤を散布するよりも、歯ブラシで発生箇所をこすり落と方が早いです。一番植物に良い駆除方法は、天敵であるてんとう虫を放ち、護衛役であるアリを退治することです。これなら薬剤を使わずに、自然淘汰で駆除できますよ。
春から秋までの温かい気候がアデニウムに適しています。
耐寒温度は、最低でも5℃なるので、常に日当たりのよく、乾燥気味の温かい場所で管理してあげてください。
アデニウムの花言葉は「一目惚れ」です。
砂漠のバラと呼ばれ、ユニークな形状をさせるアデニウムの育て方を紹介しました。
冬の時期は気温管理が難しいかもしれませんが、大事に育ててあげると、周年で花を咲かせてくれるので、育てがいのある植物かもしれません。
数多く育てて、個々にどんな株元の形状に生長するか、コレクションしてみると面白くなりますね。
※トップ画像はPhoto by まだがすかるさん@GreenSnap
GreenSnap編集部