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ポインセチアは別名クリスマスフラワーとも呼ばれ、クリスマスを彩る花として有名です。時期が終わってもきれいな花を長く楽しむためには剪定が必要になります。
今回は、ポインセチアの剪定についてまとめているので、正しい手入れを覚えてみましょう。
ポインセチアはクリスマスシーズンになると鉢植えでよく出回っていますよね。緑と赤のカラーがきれいで多年草の草花と思われている方も多いようですが、ポインセチアはじつは常緑性低木です。
日本では4〜5号サイズのものでだいたい30〜50cmほどの大きさのものが多いですが、原産国のメキシコでは地植えで3〜4mほどに育つこともあるほど生育旺盛の植物なんですよ。
つまり、ポインセチアは多年草ではないので、ほかの観葉植物や庭木と同じように剪定のお手入れが必要ということ。園芸初心者の方は剪定というとどこで切ればいいのか、いつ切ればいいのか分からなくて放ったらかしにしがちですが、ポインセチアに剪定は必要不可欠なお手入れなのです。
低木なのでしっかりと剪定すれば、また次のシーズンも美しい赤い葉を楽しむことができますよ。
ポインセチアは剪定しないで育てると、上にばかりひょろひょろ伸びて大きくなりすぎたり、風通しが悪くなって夏に病害虫の被害にあいやすくなります。その他にも、日が当たりにくい葉が増えて光合成できずに弱ったり、結果的に節間が間延びして徒長状態になる可能性があります。
つまりポインセチアは剪定しないと枯れたり不恰好な姿なってしまうのです。こういった問題を避けるためにも、ポインセチアは定期的に剪定をする必要があります。
ポインセチアの剪定をする時期は、1〜3月ごろです。赤く色づいた苞が縮れてきたり、色味が褪せ出したころが剪定のタイミングで、見頃が終わったころを目安にするといいですよ。
栽培環境によっては4月ごろまで赤くきれいに色づいていることもあり、剪定のタイミングを見失ってしまうという方もいるようですが、このようなときは遅くとも5月までに剪定しておきましょう。
ちなみにポインセチアは鑑賞期である冬の時期が休眠期であり、気温20度ほどになった春以降に生育期を迎えます。
休眠期中に剪定をするのは少し不安に思うかもしれませんが、ポインセチアはとても丈夫な性質をもっているので、春になれば新芽がぐんぐん伸びていきますよ。逆に生育期を迎える前に剪定をしておかないと病害虫の被害にあうリスクが上がるので、かならず剪定しておきましょう。
ポインセチアの剪定は、枝を短く切ってコンパクトにする「切り戻し」という方法を基本にお手入れをしていきます。株全体をコンパクトにすることで、風通しがよくなったり切った位置から枝が分岐するようになって、よりみごたえのあるポインセチアになりますよ。
剪定の仕方は下記の通りです。
ポインセチアを切り戻しするときは節の上とご紹介しましたが、ポインセチアの節とはこの写真のように枝の途中に横切るように入る、白くぼこっとした部分のことです。
枝をたどってみるとこの節が断続的に何箇所も入っているのがわかるかと思います。
この節の1〜2cm上の部分を剪定すると、節のすぐ上にある成長点から新芽が伸びて、やがて新しい枝となって分岐するように伸びていきます。もちろんポインセチアを大きく育てたい場合は、高い場所の節を切ればいいですよ。のちの樹形をイメージして切る位置を決めていきましょう。
長年育てたポインセチアや元から大株のポインセチアの場合は、すでに枝がかなり分岐していて、そのまま切り戻しをしただけではさらに分岐が増えて混み合う原因になってしまいます。
このようなときは不要な枝を分岐の根元、もしくは土の生え際から切り落としましょう。このような剪定を園芸用語で間引き剪定ともいいます。
節(成長点)を残さないように切れば新芽は生えてこなくなり、すなわちそこから枝が伸びることもなくなります。なんだか混み合っているなというときは、下記のような不要枝を間引きしていきましょう。
ポインセチアを剪定した後、水やりはかなり控えめにするか、完全に断水しても問題ありません。剪定時期である1〜3月はポインセチアはまだ休眠中なので、早く新芽を伸ばそうと思って水やりをすると根腐れして枯れてしまいます。
水やりをしないと心配になるかもしれませんが、この時期はむしろ根が吸水する力が落ちているので乾燥気味に育てましょう。同じ理由で剪定後は肥料も与えないで育てます。
水やりを再開するのは気温が20度以上になって、新芽が動き出した時期です。このころに植え替えもして環境をリセットしてあげるといいでしょう。
また、剪定後はできるだけ日当たりのいい場所に置いて育てましょう。
ポインセチアの剪定をした後、春になると新芽が動き出しますが、それぞれの枝が伸びて新たな節が確認できるようになったら、その頂部を切り落とす「摘心」をしておくのもおすすめです。摘心をすることでより分岐が進んで枝数、葉数を増やすことができます。
ポインセチアの摘心時期は、5月〜7月頃がベストです。枝が伸びたからといって気温が上がりきらない 寒い時期に剪定すると、枯れてしまう可能性があるため向いていません。 また30度以上に気温が高くなると芽が育たなくなってしまうので、必ず暑くなる前にしましょう。
それぞれの枝の頂点部分を切りましょう。
すべての枝を同じ位置で摘心すると枝の長さがそろいすぎて不自然に見えることがあるので、全体のバランスを見ながら長短をつけて頂芽を切り取るようにすると、ポインセチアの株の形も美しく仕上がります。
この時期に摘心して切った枝は、下記の手順で挿し木で増やすこともできます。
ポインセチアに限らずどの植物の剪定にも共通することですが、ご家庭でいろいろな植物を育てている場合、ハサミなどの道具を介して病気がうつってしまうことがあります。
剪定ハサミは錆やヤニなどを取るスプレーを吹きかけ、しばらく経った後で清潔な雑巾でふき取ります。その後、刃先に消毒用エタノールなどで吹きかけるなどして消毒しておきましょう。
ポインセチアは剪定しだいでクリスマスツリーのように円錐形のツリー型に仕立てることもできます。このような樹形にしたいときは、切り戻しするときにカットする位置がポイントです。
まずは主幹となる頂点とする枝を決めます。一番下で分岐している枝はできるだけ長めに残すように切り戻して、そこを最長として下から上に向かって段階的に短くなるように切り戻すといいですよ。
ポインセチアのお手入れで必要不可欠な剪定。とくに見頃を終えた時期の「切り戻し」は大切です。
慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、かなり短くして葉っぱを一枚も残さなくても、春になれば新芽がぐんぐん伸びるので、安心して思いっきり剪定してくださいね。
GreenSnap編集部