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大きな葉を持つモンステラは剪定が難しそうですよね。自宅でひとりでかんたんに剪定が可能です。必要なわずかな知識だけで剪定ができますので、ぜひやってみましょう。ここではモンステラの剪定時期や方法、必要な道具、注意点などをご紹介します。
モンステラはサトイモ科モンステラ属に分類される植物です。熱帯アメリカが原産とされていて、うっそうとした場所に自生する特徴があります。そのため、耐陰性もあり、モンステラは室内で育てやすい観葉植物といえます。
品種にもよりますが、モンステラはじつは半つる性の植物で、本来は気根という器官を茎から伸ばしてヤシの木などに着生して伸びていく植物です。
大きな葉をしっかりと伸ばして生長していくモンステラですが、半つる性のため、放置しておくと自立できなくなり、ひょろひょろと伸びて横に首をもたげて伸びていくようになります。
伸び放題になると室内では場所をとりすぎてしまうほか、見栄えも悪くなってしまうため、美しい形を保つためにも剪定が必要となります。
伸び放題になったモンステラは、伸びた枝茎すべてに栄養を送らなければならず、どれも中途半端に徒長してしまうことがあります。伸ばすべきモンステラの枝茎に栄養をしっかりと与えるためにも、間引く目的で剪定が必要となります。
さらに、葉が伸び放題になり重なってしまうと、植物は光合成ができなくなったり、通気性が悪くなり、病気を引き起こす可能性もあります。病気などを予防するためにも、きちんと剪定してあげましょう。
自宅にある道具でかんたんにできます。大株であれば剪定バサミのほうが切り口が綺麗になるので、株へのダメージもすくないです。3〜5号の子株であれば一般的なハサミを消毒してから使えば問題ありません。
モンステラは剪定部分からかぶれの原因となる液体がでるのと、剪定中に手からも雑菌が入るので、ゴム手袋や軍手をはめて剪定をすることをおすすめします。
また、大株になったモンステラを切り戻し剪定する場合は、癒合材を用意しておくと、そのあと病気に感染するリスクを軽減できます。
モンステラの剪定は5月から8月が適切な時期とされています。
モンステラは夏に生育期を迎える植物です。剪定はどうしても植物に負担がかかるため生育期前もしくは生育期中に剪定を済ませておきましょう。
夏までなら剪定は可能ですが、冬の剪定だけは避けてください。冬はモンステラの休眠期なので、剪定で負担をかけてしまうと回復がなかなかできずにモンステラが弱ってしまう可能性があります。夏までに剪定ができなかった場合は春を待ちましょう。
モンステラの剪定には2つのやり方があります。
一つは、茎葉を減らす「間引き剪定」。もう一つは高さを抑えるための「切り戻し剪定」です。
間引き剪定はたとえば葉が密に生い茂りすぎたり、葉焼けや病気などのトラブルが起きたときに作業する剪定です。だいたい1年に1回は健康と見栄えのために剪定しましょう。
一方、切り戻し剪定は長年育てて大株になってしまったモンステラにする作業で、高さに不満がなければ定期的にはしなくても大丈夫です。
あまりにも葉の数が増えて、株が群れていたり、日光が全く当たらない葉があるというときは、間引き剪定をして茎葉の量を減らしてあげましょう。
また、しおれ気味で元気のなかったモンステラに対して間引き剪定をしてあげると、根の量と地上部の茎葉の量のバランスがとれるので、残した茎葉がピンと元気になります。葉焼けや病気で異変が起きた葉も間引きしてしまいましょう。
モンステラの間引き剪定はとてもシンプルで、「地際、もしくは分岐の根元から切り落とす」のが基本です。
切り落としたい葉の茎をたどって、主茎から分岐しているところの根元で切りましょう。土から新しく生え上がっている場合も、土の表面すれすれのところで剪定すれば問題ありません。
間引き剪定で切った方がいい葉、茎は次の通りです。
長年育てて株姿が乱れたときや、大きくしすぎたくないときには切り戻し剪定をしてあげましょう。
ただし、モンステラの切り戻し剪定は、株に与えるダメージが大きいので、モンステラの健康状態がいいときに作業してください。
たとえば植え替えを怠っていたり、正しい水やりができていないようなときに切り戻し剪定をしてしまうと、そのまま枯れてしまうこともあるので気をつけましょう。
モンステラの茎は節が連なるように伸びていく性質があり、その節のすぐ上には「成長点」という、新芽が出る場所があります。
モンステラを切り戻し剪定するときには、この成長点のすぐ上で切るという意識で剪定してあげましょう。
成長点とは、新芽が形成されて伸びていく始点となる部分です。モンステラの成長点は節のすぐ上にあります。
さらに節というのはどれのことかというと、茎の途中に数カ所はいる白っぽい部分です。若い株だと節がない場合がありますが、そのうち成長するにしたがって出てくるのでそれまでは切り戻し剪定を控えるほうが無難です。
大株だと茎に対して「<」という形で節が入るようになりますが、成長点は「<」が大きく開いた方のすぐ上にあり、そこから外へ向かって新芽が伸びていきます。そのため、茎を伸ばしたい方向と「<」の形を確認して剪定していくと、理想の株姿をつくれますよ。
おもに切り戻し剪定をする場合、葉が1枚も残らない状態、つまり丸坊主の状態になってしまうときがあります。
モンステラは生育旺盛でとても強い性質をもつので、丸坊主にしても伸びていきますが、その場合は生育期初期に剪定するようにしましょう。十分にあたたかくなった5〜6月ごろに剪定してください。
それより遅くなると冬越しのための体力づくりができなくなるので要注意です。
モンステラは比較的日陰でも育つ性質をもっており、室内の明るい日陰で管理している方も多いようですが、個体や品種によってその耐陰性は異なります。
ひょろひょろと伸びてしまう原因は日光不足の環境下で、少ない光を求めて茎を伸ばした結果の状態、すなわち徒長状態です。切り戻し剪定をして株姿を整えてあげましょう。その後は、以前よりもう少し日当たりのいい場所に置くようにすると、茎が太くしっかりとした株姿になります。
万が一根腐れして茎がぶよぶよになってしまったモンステラは、切り戻し剪定で復活する可能性があります。
ぶよぶよになった部分は剪定で切り落として、硬く健康な茎だけを残すようにしてみてください。そのあとは挿し木や茎伏せで育てれば復活する可能性があります。
モンステラの剪定には1つだけ注意点があります。
モンステラの樹液にはシュウ酸カルシウムという成分が含まれています。このシュウ酸カルシウムは毒性がありますので、触ってしまうとかぶれたり、炎症してしまったりする可能性があります。剪定で切った部分から樹液が出ることもありますので、触れないようにしましょう。
剪定の際は軍手着用をおすすめします。もしも触ってしまった場合はよく洗い流してください。小さなお子さんがいる場合やペットを飼っている場合もご注意くださいね。
モンステラの剪定で切り落とした茎葉は、そのまま別の株として育てて増やすことができます。
もっとも一般的な方法は挿し木といって、土に挿して発根させる方法です。そのほかにも、切り口をみずにつけて発根させる水差しという方法もあります。
モンステラはとても生育旺盛なので、生育期間中にやればいずれの方法でも簡単に発根して増やせますよ。
大きな植物なのでモンステラは剪定が難しそうなイメージがあるかもしれませんが、そこまで難しくありません。葉が大きいので、垂れ下がって重たそうにしてしまうこともありますので、適度な大きさに剪定してあげてくださいね。
モンステラは枝葉をたくさん増やす植物ではありませんので、剪定すべき茎を選ぶのはかんたんなので、ぜひチャレンジしてみてください。
GreenSnap編集部