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バラの剪定は、時期や品種によって方法が異なる、奥深いものです。バラはそのまま放っておくと、樹形が乱れたり、正しいところに養分がまわらず、病害虫にかかりやすくなるので、剪定や誘引などの手入れをしっかりとしていきましょう。
今回はキレイな花を咲かせるための、バラの剪定について詳しくご紹介します。
バラにとって剪定は、花を咲かせるための大切な手入れのひとつです。バラの剪定方法は、花が咲く時期やつるバラかそうでないかによって変わるので、育てている種類ごとに方法を変えましょう。また、つるバラには剪定と同時に誘引も必要になります。
バラは剪定することによって、きれいな姿で花を咲かせるほか、良い芽を増やしてたくさんの花をつけるようになります。
また、風通しをよくすることによって病害虫の被害も防ぐ意味合いもあるので、定期的にしましょう。
バラの剪定の時期は、育てているバラの開花時期に合わせておこないましょう。バラは春に開花する一季咲きのバラと、春と秋に開花する四季咲きのバラの種類に分けられます。一季咲きと四季咲きのバラとでは、剪定するタイミングがそれぞれ異なりますが、基本的にはバラは下記の剪定作業が必要になります。
ハイブリット・ティー(HT)やフロリバンダローズ(FL)などのモダンローズをはじめとした四季咲きのバラは、春と秋の開花にそなえて、冬剪定と夏剪定の年2回ほど剪定をしましょう。また、四季咲き木立性のバラに関してはベーサルシュートの剪定も必要です。
オールドローズやつるバラの多くにみられる、春だけに開花する一季咲きのバラは、春の開花に備えて冬の剪定をします。基本的には年1回の冬剪定で大丈夫ですが、枝葉が混み合っているようなら様子をみて夏にも弱剪定をしましょう。
バラの剪定のなかでも夏剪定とは、四季咲き性のバラに対しておこなう、秋バラを咲かすための剪定です。夏剪定は9月上旬ごろに行いましょう。これ以上遅くなると秋に花が咲にくくなります。
四季咲き大輪・中輪系のバラの夏剪定は、全体3分の2ほどのサイズ感になるように丸く形を切り整えていくのが基本です。
2〜3番枝(芽が分かれて生えている枝)を混ぜながらバランスよく剪定してください。花を切り落とし、まだ咲いていないつぼみも切り落とします。そのほか、つぼみがつかない5cm以上伸びた(ブラインド)枝や、黄色く変色した葉などは取り除いてください。
四季咲きミニバラの夏剪定は、ごく浅めに切って、一回り小さく仕立てるように丸く整えていきます。浅めといっても、全ての枝にハサミを入れるようにしてください。
一季咲きのオールドローズ系のバラやつるバラは、基本的に夏剪定は必要ありません。
ただし、枝葉が混み合っているようなら、風通しをよくするために内向きに生えた枝などを中心に剪定してください。そのほか、春にあまり花がつかなかった枝や、小さい花しか咲かなかった枝は、根元から剪定しましょう。
バラの剪定のなかでも、冬剪定は春にたくさんの花をつけるための剪定です。バラの種類に限らず、冬剪定は必ずしましょう。冬剪定をする時期は1月上旬〜2月下旬ですが、つるバラだけは12月〜1月中旬までにしておきましょう。
四季咲き大輪バラの冬剪定は、全体の2分の1〜3分の1ほどの高さになるように剪定していくのが基本です。
その年早め(5〜7月ごろ)から伸びた太い枝や、年数の長い太い枝は浅めに剪定しますが、10月以降に伸びた枝や細い枝は、必ず深めに剪定してください。
四季咲き中輪バラの冬剪定は、全体の2分の1〜3分の1ほどの高さになるように剪定していくのが基本です。
大輪系とは違って、中輪バラの冬剪定は細い枝の浅めに切って残すようにすると、花付きがよくなります。
ミニバラの冬剪定も、基本的に全体の2分の1〜3分の1ほどの高さになるように剪定していきます。
ミニバラの場合も、細い枝を浅めに切って残すようにするといいです。また、あまり芽を気にせずにバランスを重視して剪定していきましょう。
つる性のオールドローズや、つるバラの冬剪定では、全体が2分の1ほどの高さになるように剪定するのが基本です。また、剪定と同時に誘引もするようにします。
バラの剪定のひとつである花がら摘みは、いい花を続けざまに咲かせるために行います。バラの種類に限らず、花が咲き終わりそうな時期に、枝ごと切り落として、新しい花芽を伸ばしていけるようにしましょう。
一番花は3月から伸びた枝の半分で切り落とします。二番・三番花は、前回切り落としたところから伸びた枝の半分で切り落としてください。
バラの剪定をするときは、バラの種類に限らず、基本的に全ての枝にハサミをいれて切るようにしましょう。よく伸びている枝は深く切って、あまり伸びていない枝は浅めに切ることで、全体のバランスを整えるのが基本です。
剪定バサミを入れる位置は、バラの種類に限らず、株に対して外側に向いている芽(外芽)の上5mmほどの部分です。また、ハサミを入れるときは水平にして、切り口がなるべく小さくなるようにしましょう。これは夏剪定でも冬剪定も共通していえる剪定のポイントです。
そのほか、枯れ枝や内側に向いて伸びている枝は根元から切ります。
ベーサルシュートとは、株元地面や株の根元付近から勢いよく伸びていくとんがり頭の新芽のことです。おもに春から夏にかけて花が咲き終わったタイミングで伸びだします。単にシュートと呼ばれることもあります。
ベーサルシュートは来年以降、株の主幹枝となる大切な枝です。主幹枝は一定の期間花を咲かせると、役目を終えたように元気がなくなっていきます。株の更新をして花を長期間さかせるためにも、元々の主幹枝を切り落として、ベーサルシュートを次の主幹枝として育てていくサイクルで、バラを栽培していきましょう。
ベーサルシュートは基本的に剪定をしないで育てていきますが、四季咲き木立性のバラに関してはピンチ(摘心)という剪定作業が必要になっていきます。
四季咲き木立性のバラは全体として生命力が強い特徴がありますが、それゆえにベーサルシュートもどんどんと伸びていきます。そのままにしておくと、枝先がホウキのように分岐してたくさん花をつけますが、枝がひょろひょろと細く育ってしまうため、次の主幹枝としては弱くなってしまうので、ピンチ(摘心)をして養分を枝に集中させるようにします。
ベーサルシュートのピンチは、HT系なら1回、FL系なら3回に分けて行います。基本的な手順は次のとおりです。
バラの剪定をする前にまず、剪定の数日前からバラへの水やりは控えて、乾燥気味にしておきましょう。乾燥させておくことで、剪定のダメージが減ります。
また、剪定バサミはよく切れるように研いで、必ず剪定前に消毒をしてください。バラが枯れる原因のひとつは、剪定後にウィルスに感染してしまうことです。清潔な剪定バサミを使うことで予防できるので、必ず消毒をするようにしてください。
バラの剪定をしたあとは、切り落とした枝葉は残すことなく取り除いて捨てましょう。そのままにしていると、蒸れの原因になって害虫や病気が発生しやすくなります。
また、木立ち生のバラで太めの枝を切った場合は、癒合剤を塗布しておくと病気の感染リスクが抑えられます。
バラはどれも奥が深く、毎年いい花をつけ続けるためには、日々の観察と工夫が必要です。
今回ご紹介したバラの剪定や、つるバラの誘引などのお手入れ方法は、あくまで基本であり、品種や個体差によってベストな方法は異なります。今回の記事を参考に、ぜひ美しくバラを育てられるよう研究してみてください。
GreenSnap編集部