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多肉植物には3つの増やし方があります。①葉挿し、②挿し木、③株分けです。どの方法もペットボトルなど、身近なものを活用して、簡単に挑戦できます。しかし、やり方や管理の仕方がよくないと、失敗することもあります。
今回は、多肉植物を増やす方と、それぞれの増やし方に合ったおすすめの種類、成功するためのポイントについて、詳しく解説します。
多肉植物には葉挿し・挿し木・株分けの3つの増やし方があり、どのやり方で増やすかは、品種や状況に合わせて判断します。
どの増やし方も簡単で、初心者でも手順やポイントをおさえれば簡単に増やすことができますよ。
さっそく、それぞれの多肉植物の増やし方や、相性のいい種類などについて解説していきます。
挿し木や株分けはほかの植物でも見かけるやり方ですが、葉挿しは多肉植物ならではの増やし方です。多肉植物は葉の中に養分を蓄えているので、葉だけでもそこから根を生やして増えていきます。
もともとは、熱帯地域が原産の植物ですから、たとえ葉だけになっても、蓄えた養分を使って子孫を増やすことができるようになっています。そのため、親株の調子が悪くなり身の危険を感じると、子孫を増やそうとポロッと葉を落とすこともあるようです。
葉挿しでの増やし方は、次の多肉植物が向いています。
親株にはえる葉をやさしく持ち、左右に揺らしてもぎます。このとき成長点となる付け根からしっかりともぐことが大切です。付け根が途中で切れてしまうと発根しないので注意しましょう。
ちなみにより発根しやすいのは、小さめの葉です。必ずしも全て成功するわけではないので、いくつか葉挿し用の葉をもいでおきましょう。
容器に乾いた土をいれたら、その上にもいだ挿し葉を平置きします。このとき、切り口がほんの少し土に触れるようにするといいでしょう。
逆に土の中に深く挿してしまうと、発根しにくくなるので注意してください。
葉挿ししたら発芽・発根するまでは、水やりをせずに明るい日陰に置いて管理します。根が出るまでの日数には、同じ品種でも個体差があり、早いものだと数日、遅いものは1〜2ヵ月ほどかかります。
挿し葉から根と新芽がしっかりと生えたら、土に植え付けします。このときは、新芽がぎりぎり顔を出すくらい、しっかり深めに植えて水やりをしましょう。
その後は土が完全に乾いたら水やりをし、生育が安定したら植え替えて、通常通りの方法で育てましょう。
挿し木は、多肉植物の茎のところからカットして増やしていく方法です。カットする位置や土への置き方が変わると、茎伏せや根伏せと呼び名が変わります。
挿し木は、葉挿しよりも生長が早いのが特徴です。なお、葉挿しは根を出すところから始まるため挿し木よりも時間がかかります。
挿し木で増やせる代表的な多肉植物は、以下のとおりです。
挿し木したい苗をハサミでカットします。カットする茎の位置は、長さが3~5cmほどになるようにしましょう。また、葉の養分を活用して発根を促すので、葉もしっかり残すようにしてください。
挿し木用に切った茎葉(挿し穂)の切り口部分を乾かすため、葉の部分を支えにして、切り口が空気に接せられる容器に挿し、明るい日陰におきます。ペットボトル上部3分の1を切り、穴を適度にあけ、飲み口に挿し穂を挿すといいでしょう。小瓶なども使えます。
根が数本出てきたら、多肉植物用の培養土を入れた鉢へ、植え付けてください。初めは少しだけ水を与えて環境に慣らしましょう。環境に慣れはじめたら、いつもどおりのペースで水やりしてください。
多肉植物の株分けは、生育中に出てくる子株を分けることで増やす方法です。
株分けするときの注意点は、子株が小さすぎると、育ちにくい点です。なるべく、ある程度の大きさに育ててから株分けするのが、成功のコツといえます。
株分けで多肉植物を増やす方法は、次の種類が向いていますが、子株ができるような多肉植物であれば、だいたい株分けで増やせるでしょう。
多肉植物を増やすのに最適な時期は、多肉の生長期です。しかし生長サイクルは品種ごとにバラバラで、サイクルは生長期・半休眠期・休眠期の3つあります。
品種によっては、半休眠期がないものもあるので、まずは増やしたい多肉の生長期がいつなのか把握しなければいけません。
生長期が春秋型の多肉植物は、セダムやエケベリアに多いです。その時期に入ってすぐ、春なら4月頃、秋なら9月頃が増やすのにおすすめの時期。生長期の間に根付かせるのが、うまく増やすポイントです。
生長期が夏の植物は、アガベなどが該当します。寒い冬を苦手とするので、増やす際は夏が近づく頃がいいでしょう。とはいえ、真夏は湿度が高く水やりのタイミングが難しいです。暑すぎるときは、できるだけ避けたほうがいいでしょう。
春と秋は、気温が低いと生長が鈍くなるので注意してください。とくに晩秋に行うと根付くのがちょうど冬に入ってしまうため、難易度があがります。
黒法師や夕映えなどのアオエニウム属は、冬が生長期で夏は休眠期です。増やすときは秋の終わりの11月頃がおすすめです。冬型は、ほかにもエケベリアやグラプト系にも冬型があります。
「葉挿しや挿し木に失敗する」「株分けしたけど根付かない」など、失敗している人は行うタイミングや行う場所など、どこかしらに原因があります。
とくに発根するまではできるだけ水やりを控え、明るい日陰で見守ることが大切です。
一度慣れてしまうとほかの植物よりも管理が楽です。失敗してしまう人は、以下のポイントを見直してみてくださいね。
上記でもお伝えしたとおり、多肉植物を増やすときは、生長期に行うのがベストです。たとえば、春秋型なのに夏や冬に行うと失敗しやすくなります。
夏も冬も室内で管理して、春秋頃の温度や湿度を維持しているなら別ですが、普通に育てているときは、自然の季節変化に合わせて行うといいでしょう。
挿し木をするときに切り口を乾燥させるのも大切。これは切り傷ができた状態と同じで、しばらくすると切り傷のところにかさぶたができます。多肉植物にも同じようにかさぶたが発生し、かさぶたができると細菌の侵入を防ぐことが可能です。
増やすときの失敗として、置き場がよくないことが挙げられます。葉挿しや挿し木は、根が出るまでは半日陰推奨です。また根が出ても小さいうちは干からびないように引き続き半日陰に置きましょう。
しかし、ずっとそのままで育ててしまうと、今度は日光が足りず徒長します。ある程度育ったら、太陽にしっかり当てるのがポイントです。
増やした直後に、水をたっぷり与えるのもよくありません。たとえば、葉挿しを育てていて早く大きくしたいがために、たっぷり水を与えてしまうと、水を吸いきれず土の中に水分が残ってしまいます。
多肉植物は根がいつまでも濡れている状態は苦手なため、できるだけ避けたほうが無難です。
今回ご紹介した多肉植物の増やし方は、どれも相性のいい種類を選んだり、コツを抑えれば、初心者でも簡単にチャレンジできます。
多肉植物を増やせると、保険株がつくれたり、寄せ植えも楽しめるので、ぜひ挑戦してみてください。
GreenSnap編集部